タクシーに乗るときは「いつもニコニコ現金払い」
ペーパードライバーのワタシは自分の免許証を【金の折り紙つき免許】と呼んでいる。運転しないので事故も違反もなく、いつの間にかゴールド免許になっていた。
月に何度もタクシーに乗るわけではないのだが、乗るときは現金払いに決めている。「クレジットカードの決済費用はドライバー持ちだ」と聞いたからだ。雇われの身には厳しい。
配車サービスのアプリを使う場合には否応なしに電子決済だし、都市部で車通りの良いところであればいざ知らず、「いつまで待っても捕まえられないなら配車アプリ使うしかないよなー」と思いつつも、可能な限り現金払いを選択している。
QR決済&クレカ事業者の競争激化
最近はQRコード決済が小さな店でも使えるようになってきた。クレジットカード(以下クレカ)決済がないお店でもQRコード決済は対応していたりする。理由は単純で導入コストが安いからだ。
ところがここにきてQRコード決済に、中小企業向け手数料有料化の動きが見えてきた。
スマホ決済、消耗戦限界 PayPayが店舗手数料有料に(2021年8月19日:有料会員限定)
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上記記事をご覧いただくとわかるように、QR決済サービスを提供する各社はそれぞれ微妙にズレがありながらも、おおむね今秋から中小向け手数料を有料化する。
手数料事情について日経新聞は継続的に追っていて、QRコード決済(スマホ決済)やクレカ決済での問題点に詳しい。
カード会社間の手数料、開示要請へ 経産省(2021年7月20日:有料会員限定)
停電時もキャッシュレス決済可能に 官民で検討(2021年3月29日:有料会員限定)
カード会社への手数料、中小店の重荷に 経産省報告書(2021年1月26日)
これらを読めば、今後はQRコード決済業者とクレカ事業者との間でポイント還元競争が激化していくと同時に、手数料規制をどうするのか、日本でのキャッシュレス決済の利用者を増やすために自然災害にどう対応するかなどの問題が話し合われていることがわかるだろう。
そんなに沢山の選択肢って必要なのかい?
ところで、ワタシは現状クレカ払いをキャッシュレス決済の主軸としているのだが、正直こうした新しいサービスが乱発する世の中って「めんどくせーな」と思っているのだ。
ワタシがまだ子どもだったころから「ビデオ戦争」と言われる規格争いはあったし、今まさにクレカやQRコード決済を含むキャッシュレス決済は【おらが会社の規格が一番だべ選手権】をやっているわけだ。
し烈な競争の中で価格競争によるユーザーメリットが生じる場合もなくはないが、多くの場合はユーザーにデメリットな結果になることが多いと感じる。MDはあっという間に消えてしまったなぁ。コンポ持ってたのに。
選択のパラドックスという行動経済学などで使われる単語がある。選択肢が多すぎると人はどれも選べなくなるという理論なのだが、WEB制作におけるナビゲーションの数もそうした行動心理を背景に設計されている。QRコード決済の選択肢はあまりにも多すぎるのだ。
既にFelicaでは銀行系のSmartplusやVisa Touchが敗走しているのに、QRコード決済では無駄に地方銀行や信用組合が参入してきていて痛々しい。
それって本当に継続性のあるプロジェクトなんだろうか。
シェアを少しでも取りに行こうという姿勢は素晴らしいが、勝ち組グループに乗っかる形で地銀や信金そのものの利用が増える道を模索したほうがいいと思うんだが。
なお余談だがこの点でも大阪は昔ながらの現物主義を未だに引きずっているようでどこも名乗りをあげてはいない。だいたい地域密着型の信用金庫のサイトがしょぼすぎる上にネットバンキングもやってない、クレカの引き落としにも対応していないという化石っぷりだ。どことは言いませんがね。
ともかくいずれはQRコード決済の会社も淘汰が進むであろうから、生き残りそうな1~2社を登録だけしておいて、実際にはクレカ一枚で決済しちゃったほうがいいように思う。
無駄に選択肢が多くて不便を感じるのは資本主義のデメリットって感じする。もちろん技術革新という意味では業者や規格の多様性って必要なんだろうけれどもね。
こちらで振り回されないように、どれを使い、どれを使わないか、その選択を迫られること、それ自体が既に「しんどい」と感じるのはワタシが歳を取ったということなのかもしれない。