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<-特急列車の車窓から->885系:白いかもめで行く長崎

かつて田中角栄は日本中に新幹線を通すことによって、日本全体を発展させようという国土改造論を持っていた。
上越新幹線は角栄のおかげで通ったものだが、時は経ち、中曽根改革によって整備新幹線には大きな闇の顔を持つようになった。
国鉄民営化。
国有鉄道であったものがJRへと民営化され、整備新幹線には「並行在来線」という問題が生まれるようになったのだ。
そして、その新幹線建設を巡り、大きく揉めている区間がある。
長崎新幹線。
2022年の秋から長崎ー武雄温泉間で暫定開業するのだが、全区間開通するには佐賀県が了承しないと通せない。だが、佐賀県は新鳥栖ー武雄温泉間の開通には否定的である。住民の利便性が損なわれるためだ。そして、特急かもめ号もまた、2022年を持って「リレーかもめ」と「新幹線かもめ」となり、在来線特急としての役目は終えることなる。

台風14号の為に乗変

当初の計画では、のぞみ125号に乗って博多駅で特急かもめ21号へ乗り継ぐ筈だった。
それが一転したのは台風14号:チャン・スーによるものである。
9月の16日、チャン・スーは進路を日本列島横断する決意をしたようで、17日には福岡を直撃、山陽新幹線は福岡ー広島間が運休となった。
私は18日に新横浜を出発する気でいたのだが、困ったことにチャンが関東にお越しになられるのは19日の予定となっていたのだ。
こと私は決断に迫られた。
17日に業務終了後、真っ直ぐ広島へ特攻するのか、それとも予定通りに新横浜発に賭けるのか。
確実を取るか確率を取るかで決断に迫られ、確実を取れば追加費用(主に翌朝の特急券)が発生し、確率を取れば長崎へは20日まで辿り着けない恐れがあった。
台風が広島を通過するのは18日の0時予定であった。

新横浜駅で乗車変更できる便には、のぞみ105号と109号が存在したが、のぞみ105号は生憎通路側しか空いておらず、窓際は座れない。
夜だから景観のことなど期待しなくて良いのだが、109号…つまり広島行きの終電に乗って行くこととなった。
残念ながら広島へ先に着いたのは台風の方であり、岡山で他の乗客の緊急災害速報音がピロリロピロリロ鳴ったのだが、新幹線は突貫を続け、時間通りに広島駅へ着いた。
悲しいことに翌日の東海道新幹線は「予定通りに運行」し、こだま775号に乗るための追加料金の払い損となってしまったのだが、確実な旅行遂行のための出費と割り切るしかあるまい。
そこで特急かもめ号の乗車時間も早めることを決断し、行きは博多7:53発の7号に乗ることとなった訳である。

新幹線が出来るのが勿体ない海景色

白いかもめ:885系特急電車885系特急列車は有難いことにグリーン車には電源用コンセントが存在する。
ただし、テーブルがショボイ。間違っても弁当は広げられたものではない。

しかし、席間距離はかなりあり、新幹線より断然快適だ。
だが、悲しいかな、特急かもめ号は空席がかなり多く、博多直通でその状態なのだから、リレー方式とは言え乗換えが発生する上に料金まで高くなるわでは、新幹線は空気輸送になるのではなかろうか。
20分を短縮させるために乗換えが発生し、かつ運賃も高くなるのだから、新幹線など作らない方が良いのではないかと思えてしまう。
肥前鹿島を過ぎてから諫早に着くまでの間、A席なら絶景の有明海を愉しめるが、新幹線は山中のトンネルを突っ切っていくので、有明海の海景色は視れない。せめて新鳥栖ー諫早間の観光列車だけでも造って欲しいものである。
尤も、885系特急電車は振り子式の特急電車で、油断すると酔える酔える。
台風が去って間もない時間で行ったこともあり、良い感じの朝景色を堪能できた。が、長崎に降りてからというもの、凄まじい暑さで汗ばみながら、女神大橋まで歩いてゆくのであった。

  2021/09/22   センチュリー・大橋
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