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自民党がやっても同じ:決断できない災害対応・進まぬ復興

「緊急事態宣言は出すけどオリンピックはやります、無観客で!」
予想通りではあったが、強行されることになったオリンピック2020。
元は「世界一金の掛からない五輪」として約束され、7300億円の予算で行うはずであった五輪も、いつの間にか予算が膨れ上がって3億円。
「東日本大震災から立ち直る日本の姿を世界に発信」などという目的で「復興五輪」と銘打たれたが、実は今も原発事故の復興は進んでいない。2021年になった今も、まだ6000人の住民は帰還困難のままである。

台風に見舞われた川崎市写真:川崎市のフリー写真素材

そして今、疫病の蔓延により、まん延防止措置や緊急事態宣言が取られ、飲食店は営業の自粛を。
旅行業界は国民に対する外出自粛要請の影響で大赤字となり、JTBが中小企業に転落させられそうな勢いである。
補償は殆ど無いまま事業活動が制限される現状は、正に人災と言って良い。
飲食店に商品を出荷する業者もまた、倒産の危機に瀕しており、残念ながら緊急事態宣言が出ても大して影響を受けない人に限って宣言を望むという、不幸な出来事が繰り広げられている。

菅(カン)政権に劣る菅(スガ)政権

恐らく自民党が2011年の頃に政権に就いていたとしても、東日本大震災の復興は決して進まなかったであろう。それは新型コロナにおける安倍政権の対応がよく示している。皮肉にも当時は菅(直人)政権。現在は菅(義偉)政権である。
カンとすスガ。2つの菅政権がそれぞれ天災、疫病という緊急事態に対応を迫られたわけだが、果たして菅義偉が2011年に政権に就いていたとして、マトモな対応ができたであろうか。或いは菅直人が2021年の今に総理大臣だったなら、菅義偉よりマトモな対応はできたかどうか。各々の見る目によって答えは違うであろうが、少なくとも内需という面では、菅直人の方がマシな運営が出来たのではないかと思われる。
当時、原発事故の現場に赴いたことが大きくバッシングされたが、あの混乱時において官邸にいたところで、正確な情報は入ってこなかったであろう。
「現場を知る」ということ自体は重要なことであり、それはコロナパンデミックでも本質は変わらないのだ。
その点、菅直人の方が現場力を持っている分、飲食店や旅行業界に対する補償面では、マシな条件を出せたのではなかろうか。

ハンガリー:赤泥流出事故との違いは決断力の無さ

ハンガリーでは2010年10月4日、史上最悪の産業災害事故(アルミニウム赤泥流出事故)が起こった。赤泥は極めて危険なアルカリ性の産業廃棄物であり、あわよくばライン川に流れるのではないかと周辺国をも緊張させたほどである。幸いにしてライン川へ流れ出すことは無かったが、事故の影響は大きい。被災した家は赤泥によって家具も汚染され、二度と使えない状態になっていた。
しかし、アルミニウム赤泥流出事故は、少なくとも福島原発の事故に比べれば、遥かに早く復興が進んだ。
実は当時の首相であったオルバーン氏は、事故後に現場へ向かっている。オルバーン氏が住民と向き合って行ったことは、住居の補償であった。それも仮設住宅や賃貸アパートと言ったものではなく、持ち家を建て直すことであった。
これは単に家を建てるというものではなく、被災地の生活様式に合わせた「元通りの生活が出来るようにするため」の家である。
この施策は住民から評価され、記憶に残る首相となった。
方や、日本は福島の復興すらが終わっていないのだ。
「復興五輪」などと称して安倍元首相や小池都知事は東京五輪を誘致してきたが、未だ東日本大震災の復興は完了していないのである。そこにコロナ禍が加わった。
「オリンピックなど開催している場合ではない」
そんな声が世論を占めているが、果たして菅(カン)と菅(スガ)、どちらが国民を守れる政治をできたであろうか。
東京五輪は世界中から変異種が集まる見本市になる。一方、無観客試合になることに意欲を失ったニック・キリオス選手(豪)は出場を辞退した。
選手は観客がいてこそプレーのしがいがある。
「復興五輪」と言いつつ終わらぬ原発事故の後始末。
「コロナに打ち勝つ東京五輪」と置き換えたところで広がる経済の傷口。
いっそ昨年(2020)の段階で中止にしていた方が、よほど傷口は浅く済んだであろう。中止に踏み切れぬ決断力の無さ。それは日本の災害対応の弱さであり、必要な出費を削って要らぬ浪費を増やした安倍元総理と菅総理に、付ける薬はあるのであろうか。

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