右派が中心の財務省解体デモ
写真:大阪港のフリー写真素材より
「財務省は緊縮財政をやめろ!!」と言う怒号が今日もネットで飛び交っている。
財務省解体デモは財務省前で定期的に開催され、財務省職員がスマホで撮られてネット上に晒されると言う、若干過激な動きに発展しつつある。
安倍政権時代は左派による国会前デモが行われることがあり、もちろん現行憲法を守れであるとか、安倍晋三元首相の退陣、辞職を求めるものが多かったが、最低賃金上昇や税金の引き下げを求めるものも多くあった。
それらのデモは右派から嘲笑されていたのだが、安倍晋三元首相の退陣後、財務省解体デモの中心となっているのは最早、右派と言って良い。
かつての国会前デモでは見かけることの無かった日本国旗が頻繁に目に付くようになったところが、反政府系デモの中心が左派から右派に切り替わっていることを示している。
左派中心のデモと右派中心のデモは見分けることが容易で、日本国旗の多い少ないが判別を容易にするポイントだ。
左派はデモに於いて日本国旗を使うことはほぼ無かったが、右派は多用するので直ぐに見分けが付く。
財務省解体デモでは日本国旗が多用されているから、右派が中心にいると言うことが一目でわかるのである。
今の右派に経済右派はいない
「財務省解体デモは右派が中心になってきている」とは言ったものの、彼らは『政治右派』ではあるが『経済右派』では決してない。
経済右派の基本思想は「自助」をベースとしているのであるが、少なくとも財務省解体デモに参加している者の多くは反グローバル、外国人排斥傾向が多く見られるものの、自己責任論者ではない。
寧ろ今の自分が恵まれないのは国が積極財政しなかったせいだと考えており、その黒幕として財務省を目の敵しているわけである。
もちろん税率が決定するプロセスを鑑みれば、財務省を解体する理由など皆無と言っても良い。
財務省を解体したところで歳入•歳出関連業務を別の省に継承させる必要があるだけに過ぎず、財務省を解体したところで税金が安くなるわけでも無ければ、国民の所得が上がるわけでもない。
そもそも財務省解体を唱えている当の本人達に財務省解体後の展望は無いのであるし、国税庁の移転など省庁機能のバックアップをどうするかは対処する必要があろうが、財務省を解体するような理由はどこにも無いのである。
「自国建再建は破綻しない」と言う無根拠な主張
さて、財務省解体論者の多くが拠り所にしている論法が「自国建国債は破綻しない」と言うものだ。
この論を強く唱える人間として以前から有名だったのは三橋孝明氏であるが、では「本当に自国建国債で破綻した例はないのか」と言えば、そんなことはない。
自国建国債であっても破綻した例は存在する。
ただし、債権が全て自国で消化されている限りに於いては「徴税によって債務を打ち消すことが可能」であるため「見せかけ上は財政破綻していないようにすることができる」のである。
このようなケースは実際に存在しており、大日本帝国が1946年-1950年の間に実施した預金封鎖や財産税が、正にそれにあたる。
「自国建て債権は破綻しない」と言うのは根拠なき俗説なのであるが、少なくとも一部の国粋主義者達の中で大きく受け入れられた。
「通貨発行権を持つ国は破綻しない!」と言うことが「日本ってスゴイんだぞ!」と言う根拠なき自信を生むことになる。
これは鎖国をしていれば成立するかも知れないが、原料や燃料、食料を他国に依存している日本にとって、これは致命的な誤認であると言って良いだろう。
