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橋下徹のウクライナ降伏発言も新自由主義者として見れば間違いではない⓶

国家権力自体が敵である

787系:特急かもめ

新自由主義の旗振り役として知られるミルトン・フリードマンの孫、パトリ・フリードマンはGoogleのエンジニアだったのだそうだ。
どんな国家にも縛られない海上自治国家の実現のため、海洋居住研究所構想を打ち立てている。
ザッカーバーグの理想とする世界も国家から個人に権力を与える世界、即ち超個人主義の世界である。
彼らからすれば「国家権力自体が倒すべき敵」として認知されるのだから、ウクライナのように外敵から攻められるようなことがあろうものなら、迷わず逃亡を選択すると言うことである。
Amazonは日本に法人税を殆ど払っていないことは知られているが、ビッグデータ企業はどこもタックスヘイブンを活用し、合法的な脱税行為を行っているわけである。
ついでに仮想通貨は新自由主義的な発想に基づいて作られている。やはり根底には国家に対する不信があり、それが仮想通貨普及の原動力と言えるだろう。

国家への帰属意識と相容れない

開戦前から露宇ともに極右勢力が幅を利かせていたことは、戦争に繋がる要因として大きなものがある。
極右勢力というのは洋の東西を問わず、自らの国家や人種、民族に対する帰属意識が極端に高く、排他的で攻撃的になることにより、しばしば喧嘩を起こすことになる。
日本は概ね本土は大和民族、沖縄は琉球民族で民族分布が分かれているが、陸続きのロシアとウクライナの関係は外野から見る我々が思う以上には、複雑な御事情を抱えている。しかも共に旧ソ連地域であり、親露派が多くいる地域もあることから、民族事情は日本と比較してしまうと、だいぶ複雑な御事情がある。
そして一重にウクライナ国民(国籍)と言っても、自らのアイデンティティがウクライナ人かロシア人かはそれぞれに複雑な悩みがあり、或いはそれが国家に対する帰属意識とも大なり小なり繋がっている。それが露宇関係を一層難しくしているとも言えよう。

一方、新自由主義者と言うのは国家への帰属意識が希薄、または皆無である。
新自由主義者と他の政治思想所持者が決定的に話の噛み合わない点はここだ。
新自由主義者にとって大事なのは国家や民族の安定、繁栄などでは無い。自己利益の実現である。
合理主義にして功利主義である新自由主義者にとって、国家や自らの民族などに対して帰属意識を持つ感覚はあまり理解できない。悪く言ってしまえば、他者への共感性に欠けるわけである。

残念ながら大半の人間は合理的ではない

新自由主義者の多くは大なり小なり合理主義者であり、個人主義者にして功利主義者でもある。
母国が戦争に巻き込まれる事態に至った場合、国家への帰属意識が高い人は戦うことを選択する可能性が高いかも知れない。
一方、帰属意識が低い人間はサッサと逃げていくであろう。
橋下氏はかつて出自問題が取り沙汰されたことがあったが、いわゆる被差別、被虐待の当事者となった人間は、自らの属する国家/国籍や民族に対する健全な機械学習形成され辛い。そもそも新自由主義自体が被差別層から広まった思想であるが故に、マジョリティにいる人間からすると新自由主義者の考えは理解し難い。
ユダヤ人は長い迫害の歴史に耐えてきた民族であるが故に、自らが生き残ることに特化した思想が浸透しやすかったと言える。
右派リベラルの考え方とは云わば「自らが生き抜くこと」に特化したものである。
橋下氏がウクライナに降伏や妥協を求めるような提示をしたことは、新自由主義者としては何ら矛盾はしない。新自由主義の考え方は合理主義にして功利主義、正義よりも大事なのは実利なのである。
しかし、世の中の人間は実利や合理性を最優先にものを考えるわけではない。よって当然には橋下氏の主張を理解できるものは少なく、右派からも左派からもバッシングを受けることになる。

参考文献:ビッグデータという独裁者 「便利」とひきかえに「自由」を奪う (単行本) [ マルク・デュガン ]

ロシア外交   2022/04/08   センチュリー・大橋
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