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しくじりのワイドビュー:後悔先に立たぬ座るD席❶

「なんで私は富士山を見ているんだ?」
そう気付いた時には遅かった。何事も思い込みは失態の元である。
特急くろしお号でA席に座り、ひたすら山ばかり見る車窓を過ごした私は、ワイドビュー南紀もA席が山側だと信じて疑わなかった。えきねっとを通して買ったワイドビューの指定席はA席であり、D席は山側になるとタカを括っていたのだ。
しかし、行きの東海道新幹線はE席であり、富士山を眺めている自分にふと違和感を覚えた。
「これは南紀の海側はA席だったんじゃ・・・」
そう思ってネットを調べるものの後の祭りである。なぜなら自信満々でD席を確保してしまった自分を恨むこととなった・・・。

こだま701号で行く意味のない旅

えきねっとで指定席を確保するのにあたり、ワイドビュー南紀は乗継割を使って乗る必要があった。
どうせなら意味のない旅をしてみたいと思い、前夜泊で小田原に泊まり込んで乗ったのが、こだま701号名古屋行き。途中、沢山ののぞみに追い越される敗北感を味わいながら、名古屋までゆっくり各駅の旅をすることができる。
だんだんと長距離特急が減っていく昨今、ワイドビュー南紀は名古屋から紀伊勝浦まで、実に4時間かけて走っていく。
JR東海は近鉄と張り合う気が無いのか、関西本線はいきなり単線であるし、津駅までなら確実に近鉄の方が速くて安い。その上、津駅から先の紀勢本線でもこれまた単線が続くため、ワイドビュー南紀は走行距離の割に時間が掛かるのだ。しかも紀勢本線の亀山ー新宮間は電化すらされていないため、ワイドビュー南紀は本州では珍しい気動車特急なのである。
ただでさえワイドビュー南紀で紀伊勝浦まで時間が掛かるのに、新幹線も時間の掛かる、こだまで時間をかけて行きたくなるのだから酔狂ではある。それでも特急券のコレクションもかねて、こだま701号で名古屋に行くことにしたのだが、その途中でワイドビュー南紀でも山を見ながら走ると知り、肩を落とすこととなった。

ToicaやSuicaを使って伊勢鉄道の洗礼を受ける乗客達

最近は交通系電子マネーの使用可能駅も拡大したのか、特急乗車時にSuicaやToikaを使って乗車する客も見受けられる。普通の特急ならそれでも良いのかもしれないが、実はワイドビュー南紀には大きな落とし穴がある。それは伊勢鉄道だ。
ワイドビュー南紀は四日市までを関西本線で走るが、四日市から津までをJR線ではなく、伊勢鉄道という第三セクターの線路を借りて走るのだ。ここで一杯食わされる人が出るのが、ワイドビュー南紀のお決まりなイベントのようだ。
通常、みどりの窓口やインターネット予約の指定席券を使う場合、乗車券は伊勢鉄道を通ることを考慮した運賃になっている。ところがToicaで乗ってしまった場合、伊勢鉄道ではToicaを使えないため、ここで運賃精算をすることになってしまうのだ。よって目の前でお客が車掌から運賃を精算される光景を目にすることになった。
尤も、そのお蔭か伊勢鉄道は快速みえ、南紀などの線路使用料で黒字となっている路線であり、運行本数の少ない南紀をして、なかなかの収益があるようである。
D席に座ると終始山側であるが、三瀬谷までで降りるのであれば、山側も良いのかもしれない。名古屋から桑名は近鉄と並行するし、A席で熊野灘を楽しめるようになるのは紀伊長島からだからだ。尤も、三瀬谷で降りる人など殆どいないし、乗客の少ない特急南紀でわざわざD席を取る意義というのは、殆ど無いのだが・・・。ワイドビュー南紀:紀伊勝浦駅停車
ワイドビュー南紀は桑名から鵜殿まで三重県の中を走るが、この三重県は本当に長い新宮に着いてようやく和歌山県。多気から三瀬谷までは標高を上げながら紀伊山地を突き進み、紀伊長島で熊野灘がその姿を現す。その光景は桑名と同じ三重県とは到底思えず、熱海と浜松での雰囲気の落差が大きいように、三重県もまた、南北による雰囲気の落差は激しいものがある。
尾鷲から先は少しずつ降りる客もおり、新宮に着くと大半の乗客が下車していく。紀伊勝浦まで行くお客はわずか。スマホゲームの課題である那智駅での位置登録を終え、紀伊勝浦に着く。しかしなんと勝浦まで乗る乗客の少ないことであろうか。くろしおに乗り継ぐなら新宮の方が便利ではあろうし、拠点となる宿も新宮が多いことを見れば、当然なのかもしれない。ともあれ、紀伊勝浦駅でスマホゲームの課題をクリアすることにし、太地町へ向かうことにしたのである。

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特急列車の車窓から   2021/04/01   センチュリー・大橋
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