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プログラミング教室に行く前にキャリアデザインをせよ

289系特急電車

「年収300万円の下請けエンジニアがSMBCのソースコードを流出か?!」
こんなタイトルでマスメディアが新聞記事を書いていたら、事の深刻さは一般世間にもっと広がったかもしれない。
IT系は大別してWEB系と呼ばれる分野とSIerと呼ばれる分野に分別されているが、開発と運用が同一企業であることが多いWEB系と異なり、SIerは何かと複雑な利権構造になっていることが多い。
「IT土方」などと呼ばれる多重請負構造はして、見方を変えれば建設業界より酷い請負い構造にもなっている。
ITはこれから国力を左右する大事な産業となるのにも関わらず、この体質が変わらないことには先の日本も明るくは無いだろう。
だが、国家を憂う以上に大事なのは、個人として身を守ること。
一体どういう経路で年収300万円で苦しむエンジニアが生まれるのか。
現在では現在ならではの闇もあるため、自分が同じ闇に染まらないよう、予備知識は持っておきたい。

プログラミング教室がSESの入り口に?!

一昔前はアフィリエイト系の高額塾が流行ったが、今はエンジニア転職を勧めるプログラミングスクールが流行っている。
アフィリエイターと違ってエンジニアと言う響きは恰好良いし、なんとなく「世の中の役に立って高収入を得られる」という感覚にもなれる点で、アフィリエイト系高額塾に取って代わる下地があったのだろう。
日本でエンジニアが不足しているのは事実であるし、エンジニアの需要は一定数ある。
ただ、一つ考えないといけないのは、世界的にはエンジニアは理系の大学を卒業した人間が就く職業だということは念頭に入れた方が良い。アメリカなども大規模開発になると、一部分をオフショアへ委託しているが、日本語の難解性や海外の人間とのコミュニケーションの煩わしさから、国内で済ませられる部分は国内で済ませたいという発注者側の思いもあるのかもしれない。
しかし、SIer業界において、新卒以外の人間が一次受けベンダーに入れるケースは稀だ。大抵はNTTデータや富士通、野村総合研究所などがベンダーとして入るが、彼らは子会社に外注し、自分達でプログラミングをすることは殆どない。二次受けは一次受けベンダーの子会社であることが多いが、ここもプログラミングはあまりしないと言われている。
一次受けでプログラミングは殆どせず、二次受けでもあまりしないとなれば、三次請け以降がプログラミングの主になる。ここで登場するのがSES(システムエンジニアリングサービス)であり、悪名高き人月単価商売の世界になる。
プログラミングスクールは大抵転職支援もやっているが、キチンとしたウェブ系企業に行こうとすると、なんだかんだで高額であることが多い。方や、無料のプログラミングスクールもあるにはある。
ただし、無料のプログラミングスクールでは、たいていはSESに行くと言われている。尤も、求人サイトなどを見てもIT系の開発職は殆どがSESであり、SESの求人を避けるのはかなり難しい。

だからこそしっかりキャリアを見据えてIT業界に飛び込むべき

SESを避けるのが簡単ではない以上、IT業界への転身を計るなら、しっかりと将来設計をするべきだ。
本来なら理系大学の卒業者がガリガリと打ち込む世界に中途で入るのだから、それだけでも人一倍の勉強が必要になると言っていい。ITの多重請負構造はすぐに改善されることは無いであろうから、だからこそ5年後のゴールを見据えたキャリア設計が必要なのだ。
評判の良いスクールに入るための原資が無ければ、どう頑張っても最初は客先常駐SESになる可能性が大である。なら、いつまでSESにいて、いつまでに社内SEになりたいのかと言ったキャリアデザインを持ってIT業界に臨んで欲しい。
いったい何故ITの仕事に就きたいと思ったのか。何が理想地点であり、そこに辿り着くには何年以内にどんな実績を作っておかねばならないのか。そんな設計図を持たずにIT業界に行くと、GitHUBにSMBCのソースコードを流出させてしまった年収300万円のプログラマーのように、取り返しのつかないことになってしまうかもしれない。

職業選択   2021/02/20   センチュリー・大橋
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