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乗り遅れるな!:DXブームはSESから転職を測るチャンスかもしれない

多摩川からみる二子玉川

デジタル・トランスフォーメーションが今やブームとなっている。
DXと略される今のブームメントは、コロナ・パンデミックが後押しをしたこともあり、勢いが加速していると言っても過言ではない。
デジタル・トランスフォーメーションで求められるのはITを用いて如何に企業を変革していくかというものであり、DXの成否が今後の組織としての持続力を問うものになるだろう。
DXに当たる人材は非常に不足していると言われており、今や売り手市場にある。
「適任者が自社にいない‥‥」
これは多くの企業や組織で抱える悩みであり、今、ITの人材は強く必要とされていることは間違いなさそうだ。

とにかく会社から搾取されるSES従事者

日本のIT産業は多重請負構造が問題視されており、プログラムを書く人間の年収が300万円しかないなどザラにある。
SMBCのソースコードをGitHUBへ流出させてしまったエンジニアも、恐らく末端のSESの所属であろう。NTTデータで発症しながら出勤を続けていた者も「協力会社社員」とあったため、恐らくSESの所属であろう。
ともかくSESの仕事は休めないし、賃金も上がらない。20年勤続していて年収300万円なので、いかに搾取される構造かは​​IT従事者でなくとも想像に難くは無いだろう。日本のITのダメな要素にこの多重請負&低賃金な末端労働者の構図がある。​​
SESはシステム・エンジニアリング・サービスの略称だが、現実として行っているのは客先常駐という名の人身取引に近い。一度労働者を派遣先に送り込めば、あとは中間マージンを安定的に得られ、ビジネスとしては殆ど損が出ないようになっている。中には良心的なSESも一部存在するが、多くの場合、SES所属のエンジニアは、ひたすら搾取され続ける存在となる。

DXブームはSES従事者の転職チャンスなのかもしれない

これまでのITはユーザー企業もITに対する理解力は高く無かったため、システム開発を始めとするITプロジェクトやオペレーションを、SIer(システムインテグレーター)に丸投げするケースが多かった。ある意味でSIerにとっては言うがまま、為すがままにしやすい状態であったとも言える。恐らくコロナ禍によってデジタル・トランスフォーメーションが後押しされなければ、これまで通りITベンダーに多くを丸投げし、IT周りのことは深く考えなくても良かったのかもしれない。
あるいは基幹システムの更新などが求められる中、ITの経験が無いばかりに、要求定義などのしかたも検討がつかないなどの事態もあり得よう。
これからDX時代を迎えるにあたり、現在のリテラシーのままで良いのかどうかは問われることになる。無論それは直ちにユーザー企業で自社開発、といったものではないが、これまでベンダーに任せっきりになっていたものが「果たしてこれで良いのか」という疑問を持つことも大事になる。
「デジタルトランスフォーメーションも必要なのはわかっちゃいるけど、何からしたらいいかわからない」そんな企業も多いのかもしれない。
IT経験がないからDXすることの具体的イメージがわかない可能性もある。その点、SESで業務の経験を積んだ人は良くも悪くもIT界の業界知識、行っていたオペレーションに関する業務知識はあるので、そうした知見を活かして転職するのはアリなのではなかろうか。

日本の企業の8割がIT人材の不足を感じている:ここにチャンスあり

少なくともSESで1年以上実務をこなしたのであれば、IT未経験というわけではない。まして2年以上経験を積んでいる人なら、尚のこと安い月給に甘んじず、DXブームに乗っかって転職を試みた方が良いのではなかろうか。
建設関係でも派遣現場監督は「ずっと一年生から三年生を繰り返す」と言われていたが、SESも概ね似たような状況と言えるだろう。DXブームは脱SESをするための、一つのチャンスかもしれない。2021年はDXブームの年となる。8割の企業でIT人材の不足を感じている中、SESから転職してキャリアアップを目指すのに、DXブームに乗っからない手はないのではなかろうか。

ITに関わる働き方
  2021/03/16   センチュリー・大橋
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