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ES低下で起こるリスクはCSの低下だけでなくコンプライアンスリスクも潜む

CS(顧客満足)を重視しない企業というのは無いが、果たしてES(従業員満足)を重視している企業はどれだけあるだろうか。
サービス品質が低下したことを嘆く企業ではCS研修を行うことで何とかCSを維持しようとする動きをすることもあるが、一方で従業員満足は疎かにされることも少なくない。
「ES無くしてCSなし」
アメリカでは早い段階でここに気付き、CSが上がってもESが上がるわけではないが、ESが上がればCSが上がりやすくなることは認知されている。
ESとCSの関係は、ESが上がればCSも上がりやすくものではあるが、ESがCSに関与することはあっても、CSがESに関与することは無いという、いわば一方通行な関係というわけだ。

ESが低かったブロードリンクの末路

2019年に起きたHDD転売事件はリースアップ後のHDDの取り扱いの在り方を激変させた。
総務省は自治体向けに利用を終える個人情報を格納した端末については、HDDを物理破壊する方向で指示を出している。
直接個人情報を格納したPCでなくとも、ファイルサーバーなどにアクセスできた端末も廃棄するであろうから、現場はHDDは全廃棄の方向に向かっていただろう。
このHDD転売事件を起こした会社の名前をブロードリンクという。
落札されたHDDの数は累計3904個。1個1000円で落札されたと仮定して、およそ390万円の売上があったということになる。
ブロードリンク側は当時、セキュリティに不備があったとしているが、果たしてセキュリティの不備だけであったのか。OpenWorkから従業員満足度を見ると、必ずしもそれだけが原因とは言えない様相も醸し出している。

同社の月間残業時間は凡そ61時間。有給消化率は5割しかなく、元社員の満足度は5段階中で3を切っている。
回答者は全て退職済みの元従業者であったが、コメントを見る限り残業時間は月間100時間に達した者も多く、過酷な労働になっていることも伺える。
この上、給与に対する満足度も低いため、不祥事が起こるリスクはずっと内在していたと言って良いだろう。

小手先のCS研修や誓約書にも大して効果は無い

恐らくブロードリンク社が行ったこととして考えられることは、CS研修の実施や定期的な誓約書の提出であろう。コンプライアンスに関するeラーニングも行っていたであろうことは推察できる。だが、それらは抑止力として機能していなかったとも言えるだろう。
CS研修やコンプライアンス教育、誓約書というのは言わば、上から押さえつけるための行動である。勿論、全くやらないより、定期的にコンプライアンスの意識付けはやっておくに越したことは無い。
しかし、それだけでは不十分だったということだ。特に横領⇨転売を行う事態に発展したのは、凡そ収入に対する不満があったか、自分の家計が放漫財政となっていて金策に詰まっていたかのどちらかが考えられる。実際問題、OpenWorkに寄せられるコメントでも、給与がかなり低く、一般社員の年収は300万円台なのだと寄せられていた。残業が多いため、そこでの部分が評価されているかのせいがあるとのこと。
CSは大事であるが、CS以上にESを大事にしていない場合、ブロードリンク社のようにコンプライアンス事故の憂き目に遭う危険性はグッとアップする。
「ESなくしてCSなし」
これは改めて人事・経営層は再認識すべきポイントとなるだろう。

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