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ジオンの兵器は実に日本的:標準化を進めた連邦に負けるのは必然

ガンダムの世界において、未だ人気があるのは一年戦争の世界線ではなかろうか。
1978年に誕生した初代ガンダムは、2001年から2011年にかけてはガンダムORIGINが展開された。
シャア・アズナブルはガンダム界きっての英雄であり、彼のモビルスーツはその殆どが専用機でもある。
しかし、ジオンのモビルスーツというものをIT的な視点で見て見ると、ジオンが連邦に勝てなかったのはある意味で必然であったのかもしれない。

IT的に見てシャア専用ザクを作るのは良いことなのかどうか

専用機の多いジオンのモビルスーツ

ジオンのモビルスーツを見て見ると、全体的に専用機や特化型、ニュータイプ依存のものが多い。
ご存じシャアはザクからズゴック、サザビーに至るまで、乗ったモビルスーツの殆どが専用機だ。更にギレンの野望ではザクⅡでもガルマ、ドズル、シン・マツナガ等が専用機を作れる。ギャンはマクベ専用があるし、ゲルググだってシーマ・ガラハウ専用があるなど、実にジオンのモビルスーツはカスタマイズされた機体が多い。
それだけではなく、パイロットに強い負荷が掛かるEXAMシステムを搭載したイフリート、ニュータイプにしか使えないサイコミュ・システムを搭載した兵器など、特定のパイロットしか乗れない機体は非常に多い。また、用途が特化された兵器も豊富だ。グラブロは水中専用、ズゴッグやゴッグは水中でこそ速いが地上ではあまり速くはないし、ドムなど宇宙用と陸専用が完全別で、互換性が無い。ザクの次に宇宙・地上共に戦える汎用兵器は、実にゲルググまで待たなければならなくなってしまった。

専用兵器の少ない連邦軍:陸戦型ガンダムは地上ガンダムの名作

ジオンとは対照的に、連邦のモビルスーツは標準化が進んだのではなかろうか。
アムロ・レイはガンダムに乗るのだが、実質的にアムロ専用化したようなものとは言え、ガンダムの武装は簡易版としてジムにも流用されている。
更に地上戦に限って言えばガンダムも量産化され、陸戦型ガンダムは状況に応じて武装も変化できるという可用性も持つ。サイコミュ兵器を搭載したのはサイコガンダム、νガンダムと少なく、特定の人しか使えない兵器というのは殆ど作っていないのだ。この連邦のモビルスーツ開発の観点はアノー博士にも継承されており、F91は決してシーブック・アノーだけが使えるようなガンダムにはなっていない。ヴェスバーはニュータイプでなくとも扱えるし、現にシーブックが鉄仮面と戦った10年後、F91は量産されることとなる。尤も、その頃にはハリソン・マディン専用のF91が存在しているが…。

日本のSI産業が作るアドオンモンスター:グローバルスタンダードに負けるのは必然だ

なぜITという舞台を巡って日本は負け続けるのであろうか。これはどうもジオンの兵器と似たような何かを感じるものがある。
グローバルスタンダードでは「人間がシステムに合わせて業務の仕方を変える」のが基本だ。もちろん、あらゆる業務で、何から何まで標準化というのは不可能であろう。だが、どんな業務にも「共通している部分」というのはある。そういうものは標準パッケージをそのまま導入した方がコストも安く、保守性も良い。
問題は日本の場合「人に合わせてシステムを作る」ということをしていることだ。人に合わせてカスタマイズを行ってしまうため、殆ど使われないコードが書き足され、コストが掛かり、保守性も悪くなる。いわゆるアドオンモンスターの誕生である。
まるで「シャアのためだけに専用ザクが作られ、ランバ・ラルのためだけにグフ・カスタムを作る」というようなことをやっているのだが、ではシャアがケガで出陣できなくなり、ランバ・ラルがギックリ腰にでもなって療養することになったら誰が乗るのか。もっと言えばメンテナンスも特定の人間しかできない兵器では無いのか。
そりゃたまたまジオンはエース・パイロットが多いから専用機作ってても何とか1年凌げたかもしれないが、現実の労働現場にはエースなんてそう多くないのだから、人に合わせてシステムを作ってはいけないのである。まして、本当に自社の強みを活かすためにパッケージソフトでは対応できない場合、システムは自社で自製し、ITベンダーへの依存度は極力下げるのが望ましいのではなかろうか。
そう言えば日本の大きな組織では大抵マクロExcelが存在するが、これらのマクロモンスターは一体誰が管理できるのであろうか・・・。

就労形態   2021/05/08   センチュリー・大橋
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