どんなに人手不足の時代と言われようとも、キャリアの形成はキチンとしておかなければ、人手が不足している企業にすら入れない。
尤も、人手不足と言っても本当に不足しているのは低賃金で働く末端の労働者だけなのかも知れず、上流に関わる仕事は今でさえ過剰人員かもしれない。
しかし、今のように売り手市場と言われる前から慢性的に人手不足だった職種が一つある。
コールセンター。
転職サイトによっては経験職種に該当職種が無いものがあり、メジャーな職種でありながら、その扱われ方は何とも微妙なものがある。今回はコールセンターにスポットを当てて、如何にオススメ出来ない仕事か語っていこう。
20代は絶対にフルタイムで就いてはならない
まずコールセンターと言う仕事は決して20代のうちに就いてはならない。学生時代のパートタイムで働くならいざ知らず、専業としてフルタイムでやるような仕事では決してないと断言しよう。
IT業界ではSESの評判は悪いが(多重請負の末端だから当然であるが)、ハッキリ言ってSESの方がまだマシな仕事が出来る。
コールセンターに20代のうちから就いてはいけない理由は3つある。
⓵スキルが身に付かない
⓶人間関係が悪い
⓷給料が悪い割に心疾患リスクは高い
この中でも特に目も当てられないのは⓷である。
消費者を相手にするコールセンターは客からのクレームをよく受けるが、一方で事務処理はミスが許されない。ほんのワンクリック間違えただけで偉い影響を与えることがあるのだ。電話(クレーム)だけでも神経を使うのに、事務処理までミスが許されないからストレスフルになる。こうした環境から心疾患リスクは高い職業だ。だが、そのリスクに見合った賃金は無い。
まして大半が非正規雇用だから、心疾患なんてやった暁にはサヨウナラである。いとも簡単に解雇される。こんなリスクを抱えながらも、身に付くスキルは何もない。本当に何も無いのである。
コミュニケーション能力が付くと言う妄言も程々にせよ
では何故こコールセンターでコミュニケーション能力が身に付かないと言えるのか。
それはコールセンターに問い合わせる消費者の質が悪いからだ。
だいたいからして、サービス内容に関する問い合わせ窓口の場合、入電内容の9割はパターン化されている。ハッキリ言ってペッパー君でも勤まるぞ。
通信サービスの場合、良くある入電は解約だ。解約については電話でしか受け付けない場合も多いため、解約の入電は割合としてトップを占めるMVNOがあるかもしれない。この場合、解約料が発生するかしないかぐらいしかお客に伝えることは無い。あとはサヨウナラをするだけだ。
それ以外の質問でも9割方、公式サイトに書いてあることしか訊かれないから、ただ検索をするだけで問題は解決してしまう。ググれば解決するようなことを電話で問い合わせてくる質の低い客を相手にしたところで、身に付くものは何も無いのだ。こんな仕事はペッパー君なりワトソン君にやらせた方が、よっぽど生産性が高いだろう。