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それでも都民の小池支持が減らない4つの理由

2020年の都知事選は小池百合子の圧勝に終わるだろう。これほどつまらない選挙というのもなかなか珍しい。
既に結果はわかりきっており、11月に控えたアメリカ大統領選挙と異なり、エンターテインメントとして楽しめる要素も全くない。
小池百合子の大勝利で大勢は決しているため、なんなら選挙すらやらなくて良いという意見すら聞こえる。
読売新聞の世論調査では立憲民主党支持者の中からさえ小池を支持する者が4割近くおり、党としては宇都宮健児を推薦し、意見の相違によって須藤元気を追放することになったにも関わらず、肝心の立憲支持者は宇都宮健児にNoを突き付けたのだ。
なお、先の毎日新聞でも小池百合子が最も支持を集めたが、この調査は産経新聞以外のどの新聞社が調査しても同じ結果になるであろう。日経、朝日はおろか、東京新聞が調査をしてさえ、結果は同じになると見てよい。

学歴詐称疑惑も小池支持は揺るがない

小池百合子を巡る問題に学歴詐称疑惑があるが、いくら学歴詐称疑惑があろうと都民の小池支持は変わらない。そもそも日本人の行動規範は法治主義に則ったものでは無いし、小池は積極的な支持者というのは殆どいないが、消極的に小池を支持している都民がたくさんいると言って良い。折しもコロナ騒動が小池を味方したため、小池百合子の盤石はより強固なものになるだろう。
なぜ都民の小池支持は揺らながないのか。その理由を大別して次の4つが挙げられる。

①コロナ騒動の中における『頼りにならない安倍と頼れる小池』の図式の成立
②23区の圧倒的な経済右派地盤と日本人特有の保守(前例主義)的気質
③過激な支持者がいないということのプラス作用
④巨大都市特有の人間関係の希薄さ

これらの原因により、小池百合子の基盤はより固まったと見てよいだろう。

まず小池はコロナショックを上手く味方につけることができたと言える。3月~4月段階において、都民はロックダウンを望む声が大きかった。動作はかなり遅かったものの、小池自身もロックダウンをしようとしたことは都民からは評価されたと言って良い。むしろロックダウンを渋った安倍の支持が低下し、世論としては「頼りにならない安倍に、頼りになる小池と吉村」という図式が概ね成立していた。

次に都知事選の最終的な命運を左右するのは、やはり23区の結果である。
ここにおいて小池は圧倒的優位だ。もとより23区は自民党の支持基盤であり、もっと言えば経済右派が有利な土地柄だ。加えて日本人の気質としては前例主義的な気質が挙げられる。
小池百合子は確かに公約を1つも果たせなかった。それでも任期は全うした上、コロナ騒動も相まって、都民は新しい知事を任命するより小池に続投してもらった方がリスクは少ないと判断しているとも言える。

都民にとって小池百合子は益も無いが害も無かった

少なくとも現実世界の東京で、小池百合子を熱心に批判する人というのは殆どいない。ネットでは右派左派双方から嫌われる小池だが、現実世界では「良くも言われないが悪くも言われない」が小池のポジションだ。それ故、小池には過激な支持者がいない。これは選挙、とりわけ低投票率が続く中においては有利に働く。
選挙における政治戦というのは、過激な支持者が結果的に無党派から嫌われることが往々にしてある。宇都宮健児、山本太郎にはやはり過激な支持者がいることがマイナス要因として外せない。この点、小池にはこれが無いのである。よって無党派から見た小池はそこまでマイナスには映らないのだ。
加えて経済右派が強い理由とも重なるが、大都市では「隣の号室の住民の顔すら知らない」ということも珍しくなく、こうした希薄な人間関係がベースの東京において共助や公助の考え方は根付きにくい。それ故に「共助・公助より自助」という価値観が根付き、左派が23区で票を取れないことが必然の流れになる。
基本的に左派が票を取れるのは南北多摩地域となるが、西多摩はこれまた自民党の支持基盤となっているため、左派が都知事になれることは99%無いと断言して良いだろう。東京都に於ける左派と右派の戦は3倍近い兵力差があるのだ。

都知事選に負けても成功な山本太郎と負けたら失敗な宇都宮健児

都知事選というのはすべからく右派が勝つ。いや、仮に今の現状で左派が勝てたとしても、都知事として何もできずに終わることは間違いない。それが議会構成を見れば明らかだ。
2020年現在、都議会の構成は127議席中、都民ファースト50席、自民党と公明党で55席を占めている。つまり、この中で宇都宮健児や山本太郎が都知事になったとしても、何もできずに4年が過ぎるのだ。いや、4年持てば良い方で、任期を全うできずに政治家として終わる可能性が低くない。
今回の都知事選によって都民ファーストはより強くなるかもしれないし、そうならなかったとしても自民党が勢力を取り戻していくだけだ。
それでも山本太郎は都知事選に出たことに意義はあるだろう。
れいわ新選組は普段テレビで取り上げてもらえることがないため、都知事選は国政に向けたコマーシャルとして活用することができる。都知事に立候補すればマスコミは山本太郎も映さざるを得ないため、こうしたテレビに今後国政選挙に出馬予定の候補者を映しておくことは意味がある。
その意味で山本太郎は出馬した時点で成功なのだ。
一方、宇都宮健児はどうか。
もしあくまでも都知事にこだわる場合、彼が政治家になれるチャンスは永久にやってこない。果たして国政に出ることは考えていないのであろうか。
小池百合子もキャリアパスとしてニュースキャスター⇒自民党議員⇒環境大臣を経て都知事へとなっている。つまり今後も都知事を目指す場合、まず国政議員として実績を出す方が早道なのだ。
2020年都知事選の投票率はおよそ45~48%の辺りになるだろう。この中において、投票へ行く都民の多くは小池支持が揺らがない。国政に向けた宣伝に活用するであろう山本太郎に対し、宇都宮健児は何を得るのか。もし国政を目指さないのであれば、宇都宮健児は選挙にかけたカネを失うだけとなるだろう。

東京都   2020/06/30   センチュリー・大橋
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