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北陸新幹線は本当に京都を走れるか:京都では反対運動が盛んである⓶

京都に金がない

北陸新幹線は本当に京都を走れるか:京都では反対運動が盛んである⓶

写真:新幹線のフリー写真素材より

京都に新幹線を通すことの問題はいくつもある。
京都市は財政破綻寸前であることが良く知られるようになったが正に京都には金が無いのだ。
もし新幹線を通す場合、京都府は2000億円を負担することになると言われている。
この金を一体どこから出すのだという問題があるのだ、

京都府は人口の6割が京都市に集中しており、この京都市に金が無いということは、遠巻きに京都府にも金がないということが言える。
京都府の人口の6割が集中する京都市は謂わば京都府のドル箱とならねばならぬはずだが、その京都市が破産寸前なのだ。
ここに府の負担が2000億円発生するとなれば、それは府民税、市民税の増額となって返ってくるため、府民はやはり乗り気ではない。

SDGsなのに新幹線

SDGsなのに新幹線開発

2015年頃からよく耳にするようになったSDGs(持続可能な開発目標)は、もちろん北陸新幹線の京都ルートの反対目的でも言い出されている、
SDGsは中でも環境問題に対して用いられることが多いが、新幹線建設は文句なしに環境への負荷が掛かる。

リニアに反対している静岡県は大井川の水が無くなることを懸念している。
傍から見たら静岡県の我が儘に見えるかも知れないが、静岡県は過去に東海道本線を通す際、水枯れをした前例(丹那トンネル工事)がある。
既に山梨県側でリニア工事による水枯れは起きており、静岡県がリニアにゴーサインを出さないのも無茶苦茶な論理では無いのだ。

同様に京都府で反対が多いのもまた、無茶苦茶な論理ではない。
京都市は平安京から続く1000年の都であるが、1000年と長きに渡って人々の生活を支えてきたのは水である。
特に鴨川は四神相応の青龍として充てられていると言われるほどには、平安京の街造りには重要な意味合いを持っている。

同時に京都盆地の地下は水だらけである。
持統天皇が造られた新益京(藤原京)は水の問題が大きかった。主に下水だ。続く平城京もまた、水問題は切って切り離せなかった。
京都1000年を支えてきたのは、鴨川、天神川の他、琵琶湖の水量に匹敵すると言われる京都水盆の水が大きいのではないかということがわかってきているのだ。
そう、京都は1000年の都にして水の都でもあるということである。
そうなれば「SDGsなのに地下で新幹線工事やるのか」と言う言い分も、無茶ぶりではあるまい。

朝9時の会議の為に新幹線に乗る必要はない

東海道新幹線はかつて「朝9時の会議に間に合う」をキャッチコピーにした時期がある。
この時期は「のぞみ301号名古屋飛ばし」は有名であり、なんと京都も通過していたのである。

新幹線の主な利用客は基本的にはビジネス客を想定している。
東京の営業マンが新幹線で地方に行って商談をしてくる(またはその逆)、東京のお偉いさんが地方の自社工場に行く、そんな感じで新幹線が使われていたのだろう。
しかし、コロナ禍はライフスタイルを大きく変えた。
朝9時の会議に間に合わせるために、わざわざ新幹線に乗らなくても良くなったのである。

ついぞこの間まで「大航空時代だ」などと思っていたら、いつの間にかリモートコンピューティング時代に入っているのだ。
今や商談すらリモートで可能であり、ともすれば営業職でもテレワークが出来る時代になった。
このような環境の中、果たして高い運賃を払って新幹線に乗る機会など年に何回あるのか。

整備新幹線の構想は田中角栄が打ち立てたものであり、角栄の時代にリモートデスクトップは無かった。
今や遠隔接続など当たり前だ。チャットツールなどの浸透もあって、1000㎞離れた人間とも秒で遣り取りが出来る。
新幹線でな数十分、或いは数時間かけて遠くへ行く必要はない時代になったと言えよう。
そのような時代に突入した中で、果たして新幹線建設に掛けるお金が有意義な税金の使われ方なのかを考える必要がある。
建設業が人手不足であり、かつ老朽化したインフラが多い日本は、もっと他にやるべきことがあると思われるが、如何か。

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  2022/06/04   センチュリー・大橋
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