反共主義者が共産主義を進める日本
写真:金沢市のフリー写真素材より
日本の政治と言うのは極めて歪な構図になっていて、社会主義を目指す共産党は政党交付金を受け取らずに活動している資本主義的な動きを見せ、反共産主義を掲げる自民党の政策は社会主義に則ると言う、あべこべの構図になっている。
故・安倍晋三は新自由主義者として批判されたが、アベノミクスの実態は社会主義政策であった。
そして岸田政権も原則としては社会主義的な動きを見せており、自民党が新自由主義的な政策をしていると言ったことはない。
そんな自民党の次の施策がインボイスとなっている。
免税事業者が実質いなくなる
インボイス制度については会計事務所や税理事務所のホームページなどで詳しく解説されているため、本ページではザックリとした説明に留める。
インボイスをザックリ言うなれば「国民総社畜化政策」と言って良い。
従来は小規模な個人事業主であれば、消費税を納めなくて良いとするものであったが、インボイスの発足によって実質それはできなくなる。
アニメ業界では声優が度々インボイス中止を訴えていたが、個人事業主である声優はインボイスの影響を受けるため、インボイスの中止を望んだのである。
さて、歴史を振り返れば織田信長の政策にいは楽市・楽座というものがあって、これは税を免除し、規制を緩和し、商業を活発にすることによって領地を栄えさせる政策であった。
今風に言えば新自由主義的な政策であり、織田信長の領地内において、商人は自由に商売ができた。
インボイス制度はこの逆であり、自由な商売を制限することとなる。
言ってしまえばフリーランスという働き方を制限し、サラリーマンという働き方を強要するような制度と言って良い。
増税メガネと親しまれる岸田:インボイスは実質的に増税だ
それにしても岸田文雄は面白い。
就任するや否や右翼・左翼両方から嫌われているが、何だかんだで政権は維持できている。
いつの間にか「増税メガネ」という仇名で親しまれ、本人が気に掛けたのかメガネを外してイケメンぶりを晒したと話題になったが、しかしインボイスは実質的に増税であることは確かである。
アニメ声優は概ね8割は収入が減ると見越しており、かつ3割は廃業を検討する事態に至っている。
漫画家は約2割が廃業、ともすれば農家すら廃業する人が出るかも知れない。
電力会社はインボイス導入に伴って電気料金を値上げ。各家庭で発電した電力の買取で消費税を控除できなくなるからだ。
勿論、インボイス制度は岸田政権になってポッと出てきたわけではない。
これは安倍政権時代から導入が検討されていたもので、実施が令和5年の10月からになっただけである。
その意味で、岸田だけを責めるのは間違いだ。
とは言え施行に移したのは岸田であるから、無論岸田には大きな責任があるが。
かくして実行されたインボイスであるが、これは紛れもなく増税である。
これまで免税されていた部分に課税されるのであるが、その影響範囲にはなんと農家も含まれる。
ただでさえ物価高であるのに、更なる物価高が起こるという、なかなか悪循環なことが起こるのだ。