結婚したくない男性の職業とも合致する
就活サイトの「底辺職業ランキング」はネットで炎上し、今やAbemaTVやマスコミでも取り上げるネタとなった。
そもそも婚活サイトには以前から「結婚したくない男性の職業ランキング」なるものは存在した。
そして、そのランキングに並ぶ職業は概ね炎上した「底辺職業ランキング」と大抵一致する。
都合の良い時だけ優生思想を批判
底辺職業ランキングは「職業差別を助長する」として糾弾されているが、婚活市場では今まで職業差別が行われ続けてきたものである。
一応、婚活絡みの「職業差別」で炎上した事件自体はあった。それは「男性は公務員に限る」という鳥取市と民間イベント会社が行おうとした婚活パーティだ。
これが「職業差別」として炎上した婚活パーティ事件であるが、この問題は本質的に「職業差別」というより「公金(税金)を使って男性の参加を公務員だけにしたこと」の方が問題視されたと思われ、これが一企業の行うサービスの一環として「ウチの相談所に登録する男性は公務員しかいません」の場合、殆ど見向きもされなかったであろう。
「収入の低い職業に就いてる男性と結婚したくないと思うのは差別じゃない」
そういう意見を目にしたが、それなら「結婚で苦労するからこれらの職業についてはいけない」もまた差別には当たらないであろう。
「収入の低い職業に就いてる男性と結婚したくないと思うのは差別じゃない」と「結婚で苦労するからこれらの職業についてはいけない」は、ある一つの出来事に対して違う立場から似たようなことを言っているだけに過ぎない(そして介護職男性が婚活でも不人気であることが何年も前に記事にされている)。
ではなぜ就活サイトの「底辺職業ランキング」が炎上したのか。それは「炎上させる人の眼に付いた」という、ただそれだけの理由である。
そして一旦炎上すれば「正義の行使に飢えたネット民」の快楽のネタとして使われているだけだ。あの記事を批判している人間の多くは、実際にその仕事に就きたいとは考えないであろう。
「社会に必要な仕事だ」とは実に綺麗な言葉である。
だが、そうした言葉とは裏腹に「自分はやりたくない仕事である」とは多くが理解しているであろうし、同時に「この仕事の人とは結婚したくない」とは、多くの女性が内心で思っていることでもある。
市場原理から優生思想を取り除くことは出来ない
「こんな(年収の低い職業の)男性とは結婚したくない‼」と思うこと自体は何も悪くは無いし、そう発信することもまた悪ではない。何故なら「婚活市場とはそういうもの」だからである。
同様に「結婚するのに苦労するからこんな(給料低くて出世できない)職業に就くのはやめとけ」とランキングを作ることもまた、悪いこととは言えない。何故なら「就活市場とはそういうもの」だからである。
「就活市場」を勝ち抜いた先には、人によっては転職市場、婚活市場へと参入することになるであろう。
そこでもまた他者と競争し、優れた人間だと判断された人間が勝ち進めるようになり、負ければ「無価値な人間」として切り捨てられていく。
これは良い悪いの話ではなく「市場原理とはそういうもの」なのである。
昭和時代中期から後期は「一億総中流」などと言う時代があったが、これは社会主義的な考え方だ。
「職業差別だ!!」として叩かれている「底辺職業ランキング」であるが、倫理は別すれば資本主義として何も間違っていない。
同様に「こんな(年収の低い職業の)男性とは結婚したくない‼」もまた、資本主義としては何ら間違ってはいない。
社会主義は平等思想がベースだが、資本主義では優生思想がベースなのだ。
資本主義では人間の価値は市場が決める。就活市場の先に婚活市場が控えているかもしれない人は、どうしても収入の低い仕事は避けねばならず、同時に市場価値は社会にとって必要な仕事か否かは殆ど無関係であるが故に、自分の将来を大事にしたい人は、炎上していたランキングに入っていた12の職業に就かない方が無難なのは確かである。