「転職はサイト(エージェント)選びが大事!!」
どんな転職サービスの広告を見ても同じことが言われており、端的に言って「ウチを選べば大丈夫ですよ」という趣旨で広告を出している。
転職に関する記事でも大抵は「エージェントに登録しておけ」というのは一般的なものであって、それ自体は確かなことなのであるが、エージェント選び自体も「決定的に大事なこと」では無いとも言える。
勿論ある程度はエージェント選びもしっかりした方が良いとも言えるが、エージェントやサービスの良し悪しだけで転職に決定的な差がつくかと言うと、そうとも限らないのではなかろうか。
写真:長崎市のフリー写真素材より
たいてい複数登録している
転職サービス選びが転職成否の決定的な要因とはならないであろう理由としては、基本的に転職サービス利用者は複数のサービスに登録するのが基本であるということだ。
転職サイトならリクナビの他に業界特化のサイトを2~3個程度、エージェントならDODAの他に1~2社使うであろう。
求職者は複数のサイトやエージェントに同時登録しながら応募をしていくわけだが、複数サービスに登録しているのは何も求職者だけではない。求人企業もまた、複数サービスで求人票を出すのが基本である。
例えばリクナビで応募したら書類選考に落とされたにも関わらず、ミイダスに登録したら同じ企業や、グループ会社から面接確約オファーが来るなんて言うことも稀にあるのだ。
皮肉にもそうした企業に限って内定を取るなんてこともあり、それは「ワケがわからないよ/人◕ ‿‿ ◕人\」と言うことが起こるのが転職なのである。
覚えておいた方が良いのは、複数サービスに登録しているのは求職者だけではないということ。中堅クラス以上の企業は複数サービスで求人を出しているのはザラなので、転職サイト(エージェント)選びが決定的に重要な要素とはなりにくい。
失敗しないために必要なのは「許せないこと」を定義化しておくこと
転職で「失敗しない」ためには、自分にとって「許せないこと」を可視化しておくと良いだろう。
これを可視化した上で「企業口コミサイトを複数登録しておくこと」である。
企業口コミサイトで低い評価を出したコメントにこそ企業の短所が書かれているので、自分にとって許せないことと許せることと照らし合わせながら企業を点数化しておくことだ。
例えば「サビ残は1分たりともしたくない」と言う人は「残業は1分単位で払ってくれるが月30時間くらい残業がある」のはOKかNOなのか。
中小企業などは「社長と距離が近すぎる」ということも往々にしてあり、社長に気に入られた人間が待遇の良い社員になりがちであるが、そうした風土を受け入れられるのかどうか(ある意味で最終面接はその見極めでもある)。
ここで重要なのは「どんな企業にも悪いところはある」ということだ。
昨今の転職面接は昔ながらの裁判スタイルの面接をする企業も多くあれば、一方で「求職者の志望度を高めるためのPR」をしてくる企業も少なくない。
裁判スタイル面接は企業の悪いところを探しやすいが、企業側も求職者に「ウチの会社選べばこんな楽しみあるよ」とPRしてくれる企業ほど悪いところは探し辛いのもあって、何となく面接官の雰囲気によって「この会社にしよ!!」と決めてしまうかもしれない。
しかし、それでも半年経つ頃には不満の1つや2つも湧き出してくるのである。
転職エージェントや転職に対するアドバイスサイトでは、よく「転職して実現したいことは何か」ということをよく考えさせてくれるであろう。特に良いエージェントとは「(年齢的なもの以外で)転職しない方が良い人には転職しない方が良い」と言える人ではないかと考えている。
「実現したいこと」も大事であるが、同じくらい大事なのは「許せることと許せないこと」を可視化することである。
是非、許せることと許せないことを可視化し、複数の口コミサイトの「悪いところ」を先に見た上で、良いところにも着目していただきたい。
そうすれば「成功」とまでは言えずとも「失敗はしない」転職くらいなら出来るようになるだろう。