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無駄な金を払い続けるアウトソーシング:ぼったくられてるだけだぞ⓶

ITの仕事の中でも開発に関わるジョブはアウトソーシングせざるを得ない部分はある。
アジャイル開発をするならともかく、ウォーターフォール型開発をする場合には外部のエンジニアへ外注する必要性もあるだろう。
とりわけコードを書ける人間を自社だけで確保するのは至難の業であるし、仮に自社で雇ったところでプロジェクト終了後にあてがう仕事はないであろうから、この部分はアウトソーシングする方が結果として安くはなる。
しかしねぇ、運用まで外注すると言うのはどうなんだ。
コールセンターにも市役所の窓口業務にも言えることだが、性質上「毎日発生して無くすことが不可能な業務」はアウトソーシングには向かないのだ。
前ページで「自社の社員に置き換えるだけで50%はコストを下げることが出来る」と書いたが、これはあくまでも可視コストの話だ。
不可視コストも含めれば、アウトソーシングをするだけで無駄なコストが多く発生していることを再考した方が良いぞ。

従事者のモチベが低くなる⇨不正の温床

アウトソーシングをすることの弊害の一つが「従事者のモチベーションの低下」だ。
特にITでは良く見られる光景だが、発注者は元請けSIerに対して、1人月100万円の単価を払っている。SIerは更にそこから下請けや派遣に業務を投げる。
そして自社に常駐している(下請け)SEの賃金は月25万(社会保険などで引かれれば手取りは20万円程度)。
SE目線で見てみよう。大抵元請けSIerの社員は同じ現場に常駐していると言っても年収は500万円以上に加え、見えない報酬である「福利厚生」が充実している。
自分は何年勤続していても年収300万円以上には上がらない。同じ客先に常駐しているプロパーとの年収差は可視収入だけで200万、福利厚生も含めて考えれば、更に追加で10~20万円程度の差が発生しているかもしれない。
果たして真面目に働く気になるだろうか?
客先はSEに対して100万円/人月払っているから100万円分の仕事をしてほしい。
SEは月給25万円しかしていないから25万円分以上の仕事はしたくない。
これは一体誰が得するのか。間にいるSIerだけである。酷い場合にはこれが不正の温床になる。それが露わになったのが「さぶれSMBCソースコード流出事件」である。あれは氷山の一角に過ぎない。
ITエンジニアに於ける話をしたが、これはコールセンターだろうが市役所の窓口業務だろうが変わらない。彼らはいつも不満を抱えている。

不正のトライアングル:セキュリティインシデント セキュリティインシデントが発生する時と言うのは「不正のトライアングル」が整っている状況だと言われている。
現在、インシデント発生防止には「機会を撲滅する」ということに重きが置かれているが、例えば監視カメラなどはどうしても漏れが発生する。更にSMBCソースコード流出に関しては「守秘義務違反には問えなかったから泥棒として立件した」という有様で、守秘義務に対する規定が整っていなかったのだ。どれだけ機会を断とうとしても、どうしても抜け穴は出来てしまう。
根本対策としては機会だけでなく、動機を絶つことが大事であるが、恒常業務をアウトソーシングしてしまうことによって生ずる受託企業従事者のモチベーション低下は、プロパー企業との賃金差、福利厚生の差から来る構造的な問題によって不満が溜まりやすくなっている。
不満の蓄積はモラルの低下を招き、不正が起こる「動機」を生むことになる。これはアウトソーシングによって発生する不可視コストとして外せないものであり、毎日発生して無くせない業務は自社で行った方が良い理由の一つでもある。

出勤してるのに暇な人達が発生する

恒常業務をアウトソーシングすることによって発生する無駄なコストの一つが「暇な従業員の発生」だ。
ある現場では年収700万のプロパー社員は暇そうにゲームをしており、下請け社員は汗水垂らしながら働いているという話を聞いたことがあるが、これなどプロパー社員に発生している人件費が無駄であるというようなものだ。プロパー社員が暇しているようではいけない。
同時にシステム運用に掛かる業務では、SESの常駐者で「朝メールを見るだけで1日の業務が終わる」であるとか「残りの6時間ネットサーフィンくらいしかやることが無い」という事態が起こる現場がままある。
実に「1日の75%が仕事が無くて拘束だけされている」というわけだ。その傍ら、自社の人間は忙しそうにしているなどと言うことがあるから、これもお互い不幸なアウトソーシングだと思うぞ。
仮に「いずれシステムの利用そのものを止めます」というならアウトソーシングしても良いのだが、仮にマイグレーションすることはあっても「システムの運用そのものが無くなる」ということはあるまい。もしそのアウトソーシングしている部分を自社の「社内SE」に置き換えたらどうなるであろうか。
アウトソーシングの弊害の一つが「契約外の仕事はさせられない」ということにもある。自社の社内SEに置き換えれば残りの75%の時間を他の社員と業務を分担させることもでき、チーム全体の残業時間も減ってアウトソーシングした場合より70~80%くらいコストは安くなると思うぞ。
「朝メールを見るだけで1日の仕事が終わる」人間に払っている外注費が年間1000万円である。年収400万円の社内SEを雇って広く業務を担当して貰った方がトータルコストが遥かに安くなるのは明らかであろう。まして社内SEなど人気職種である。企業側が良い人材を選べる段階だ。SIerに泣いてもらうだけで従業員の満足度は上げられるわコストは下げられるわで遥かにマシなのだが、少しは企業も「アウトソーシングで無駄なコストが発生していないか」を見直した方がよろしいであろう。
 

コールセンターなんてSVになれる見込みが無ければ1年で辞めよ

よい仕事をさせてないーそりゃ社員だって盗みも働くさ
就労形態   2021/12/05   センチュリー・大橋
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