面接に問題が無いでもないが
写真:新宿区のフリー写真素材より
まだ桜の咲いている頃だと言うのに、新卒で就職した人間がもう辞めるというのは、企業側としては難儀なものである。
新卒採用は転職と比べると面接回数が多いのでは無いかと思われるが、面接は3回やったと考えると、新卒採用には結構なコストが掛かっているものである。
現実には企業側は3回の面接で応募者の本質を見抜けるかと言えば無理であるし、企業側の面接の仕方もアップデートしないといけないのかもしれないが、流石に3ヶ月以内に辞めるというのは、あまりにも就職活動自体を真面目にやらなかったのではなかろうか。
貴方の代わりに落ちた人間がいる
言うまでもないことだが、採用には定員が決められている。それは就活だろうが転職だろうが変わるものではない。
余程人気のない企業でもない限り、採用枠1人に対して5人、10人と応募しているのは普通である。
就活・転職サービスによっては「これから応募する企業に何人応募してるか」などが表示されているものがあるが、中には採用1に100人の応募があることもあるので、1人の合格者の裏にはたくさんの不合格者がいるのである。
応募者側も複数企業に応募しているのが当たり前であるし、就活自体は自分主体でやって良いものであるが、貴方が手放した椅子は誰かが座りたかった椅子である。
だいたいからして、新卒の場合なら、4月はまだ研修期間中ではないか。碌すっぽ実務にすら入っていないのである。この研修にしても、外部へ委託するか自社でやるかを問わず、やはり金が掛かっている。
会社の仕事というのは他人との関わりの中で進めているのだが、これはまだ辞めてない人にも意識して欲しいことである。
「貴方が立ってる(手放した)立ち位置は誰かが得たかったかも知れない立ち位置だ」と。
「なら俺が抜けた分を雇えば良いだけでしょ」と考え得る程度であれば、働くことの心構え自体が出来ていなかったのでは無かろうか。
そもそも貴方があっという間に辞めたことで、新卒採用自体が見送られるようになるかもしれないと、そういうことに考えが至らなかったわけであるから。
そもそも何故その会社に入ろうと思ったのか
勿論入った会社で初日からサービス残業させられたとか、面接やオファー面談では見えなかった就労環境の劣悪さが垣間見れてしまったなら、それは辞めるのも致し方ない。
しかし、退職理由にも論外なものが3つある。
⓵覚えることが多かった
⓶思っていることと違かった
⓷仕事が合わないと思った
順に見て行こう。
⓵覚えることが多かった⇨正社員として入っているのだから仕事に覚えることが多いなんて当たり前である。どんな職種に就こうが業界に行こうが、その世界ならではの覚えなければいけないことがたくさんあって当たり前である。
⓶思っていることと違かった⇨では具体的に入社前はどんなイメージを持っていて、面接やホームページなどからその企業をどのような会社と思っていたのか。
⓷仕事が合わないと思った⇨入社前は大なり小なり自分に合った仕事と思って入社を決めたのではなかったか。入社前のイメージと実態とを鑑みて、具体的にどう合わないと思ったのか。
「なぜ辞めようと思ったのか」なんて、ネガティブなイメージがたくさん出てくるわけであるから、いくらでも言うことが出来る。
複数回の面接や、最近では内定後のオファー面談を通して企業を見る時間は大いにあったのではないか。今は転職会議をはじめとした、企業の口コミサイトも複数あるなかで、OBがどんな不満を抱えて辞めたのか調べる手段も存在する。そうしたサイトはチェックしていたのか。
何故その会社を辞めた(辞める)のか。嫌なことがあって辞めるのだから、辞める理由はいくらでも思いつく。
しかし、大学在学中の就職活動は、転職活動と比べれば時間は多くある中で活動をしているのでは無かろうか。
そして複数企業の内定を貰うのは今や当たり前であろうから、複数企業の内定の内、何故その企業を選んだのか。当時を思い浮かべ、その時、企業に対して何を魅力に感じて入社を決めたのかは分析が必要なのではないか。
「辞めたことに後悔してない」
それは後悔しないであろう。1ヶ月も経たずに辞める会社に対して後悔することなど皆無である。
問題は「入ったことに悔いがあるか」である。