新卒はSESなんてやめとけ
新卒をターゲットにしたSESの採用活動が活発なようだ。
SESとはシステムエンジニアリングサービスの略称で、事業内容は主に人貸しをする派遣会社である。
この業界は本来ならかなり脱法行為を行っている業界なのであるが、悲しいことに今日まで裁かれることなく生き残っているのが実態である。
SESに対する政治的な問題の是非は別の機会に述べるとし。今回は新卒をターゲットにしたSESでの就業の是非について述べておきたい。
結論から言えばタイトルの通り、絶対ナシである。辞退一択で良い。ここではその理由について記す。
騎士団と冒険者ギルドの違いがある
Togetterコメントで上手い例え話をされていたものがある。
「ファンタジーの世界で言うならSIerとSESは騎士団と冒険者ギルドほどの違いがある」と。
これは実に的を得た発言であり、新卒がSESに絶対入ってはならない理由でもある。
騎士団の騎士になれば爵位を得られるが、冒険者はいつまで経っても冒険者のままなのである。最近は魔王を倒した後の勇者が王から疎まれて処刑される作品があったが、勇者もある意味で冒険者の延長であり、SESの人間も厄介になったら解雇されるのが関の山というわけだ。
SESで案件(客先)に飛ばされることにしても、ある意味ではクエストを攻略する感覚に近いかも知れない。
強いて言えばRPGのクエストに比べれば長期で仕事をこなすことになるであろう点であるが、安定した仕事にはならないだろう。
RPGの冒険者は熟練冒険者はクエストを選べるが、序盤ではほぼ選べない。これもSESとは大差はないであろう。
騎士団は正規の訓練を受けているが、冒険者はスライムや暴れ牛鳥を倒しながらレベルアップしていかなければならない。
強いてRPGの冒険者と違いを挙げるとすれば、ドラゴンを倒せるようにはならないという点か。いつまで経ってもサーバー監視と言う名のスライム退治、Excel職人と言う名のゴブリン討伐ばかりやらされ、経験値が貯まらないのである。
未経験者なのに「経験者」として現場に送られる
やはりSESではなく、自社で製品を持って製造から営業まで行っている企業は、新卒に対する初期教育もシッカリしているものだ。中堅以上には限るのだが。
勿論SESでも客先が新卒として認識していれば可愛がって貰えることもあるのだが、だいたいのSESはSIerへ売り出される際、経験者と詐称されて現場に送られることになる。
本来、新卒なら「社会人(実際には会社人)としての基礎」から「その部署で働く上での心構え」などを教えて貰い、少しずつ実践を通して学んでいくという、それがはじめて会社で働く上での学生⇨ビジネスパーソンへと切り替えて行く移行期間とも言える。
しかしSESにはそんなものは無いのである。最初から経験者として詐称させられて現場に行くのだから、実態は悲惨だ。
そして1年生~3年生を繰り返すので、経験値も貯まらないのである。