呑川増強幹線整備事業説明会に関してわかっていることは、ここで整備事業を終えたとしても、蒲田地区の水質改善にまでは繋がらないらしいということだった。よってこの整備事業が終わっても、蒲田は蒲田で別途やらないと、蒲田の呑川は引き続き臭いままである。
と同時にいくつか気になることもあった。着席率こそ80%程度あったものの、当事者意識を持っているのがシニア層ばかりであった。
地域に対する帰属意識の無さ
目黒区といえばウィキペディア上に掲載されている人口が2019年8月段階で27.72万人。見事なミラーヒットであるが、八雲住区センターに集まったのは見事にシニア層で固められた。
30代以下は2人、40代1人と言ったところだろうか。
開催された時間は日曜日の14時-15時の1時間。決して余裕のない時間ではない。ここに一つの大きな問題が見受けられた。
この状況をTwitterで呟いたところ「今の日本の民主主義が機能していないのはパトリオティズムの欠落がある。右も左も当事者意識に欠けている」という反応をもらった。
これについては全面的に同意というわけではないが、しかし地域への帰属意識の低さが低投票率ともリンクしていることが感じ取れる。
税金や年金保険料と言った国政と比べると身近には感じないかもしれないが、一方で都が決定した今回の呑川幹線増強整備事業は暮らしに直結する問題であり、かつ方針を決めた都や施工に関わる事業者への質疑も可能な場が設けられている。そこに当事者意識を持っているのがほぼシニア層しかおらず、20代に至っては白人男性一名のみという有様であった。
このことはミドル以下の層には、地域に対する帰属意識が希薄な人が多いということの現れでもある。
Twitterには愛国思想を掲げた発言は多く見られる。その割に着席したのはTwitterをやっていなそうな高齢者ばかりであった。
これが「右も左も当事者意識に欠ける」という返信が腑に落ちる要素であり、深刻な政治離れを感じるものであった。
民営化した後はどのように管理していくのか
果たしてコンセッション方式による民営化後、これらの事業はどのように継続していくのか、ということである。
今は都が主導でやっているからこそ行える事業であるが、果たして民営化後、こうした事業はどう継続されていくのだろうか。或いは放棄されるのかというのは気になるものであった。
今後、竹中平蔵手動で水道は民営化が進むのは既定路線であろうが、水道は命にも直結する問題であるし、もちろん民営化したと言っても工事中のものは都が引き続き管理するであろうが、果たして呑川の蒲田周辺は今後も臭いままなのかどうなのか。今回の説明会ではそうした質問をする時間を取れなかったが、先行きは色々と不透明なものである。