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韓国が新幹線方式を採用しなかったのは正解だったと台湾が証明した🚄

1編成180億円の悪夢

写真:Pixabayより

少なくとも安全性”だけ”を考慮した場合、フル規格新幹線方式ほど最適な解は無いだろう。
そう、安全性”だけ”を考慮したならば。
台湾の在来線は狭軌であるから、高速鉄道を走らせるにもフル規格新幹線方式で問題は無かったかのように思われる。

しかし、本当の問題は2020年になってからであった。
台湾新幹線が造られた頃、日本にはまだN700と言うものは無かった。
2007年になって日本では徐々にN700へと置き換えられ、今や東海道新幹線のみならず、山陽新幹線すらN700が主力だ。長崎新幹線もN700Sになる予定である。
東海道新幹線から700系が退役すると、台湾新幹線用の700Tのパーツ供給も止まることとなった。

台湾新幹線は車両の更新を余儀なくされることとなったのであるが、改めて台湾新幹線はキメラ新幹線である。
日本側から更新用車両として提示されたのはN700Sであるが、この更新費用、1編成100億円である。
尤も、現地報道では1編成180億円であり、日本国内向けN700Sより3倍高い価格となっている。

欧州からの入札もなく…

1編成180億円の新幹線など買えるはずもない。買って採算が取れるものではないからだ。
よって台湾新幹線の更新車輌は国債入札にかけることにした。
ところがここでもまた問題が起こる。欧州勢が応札しなかったのだ。

これは新幹線方式とICE/TGV方式ではホームの高さの違いから来る問題があり、この問題もあって欧州勢が応札できなかったのである。
つまるところ、台湾側は嫌でも日本の新幹線を買うしかない。しかし、N700Sの導入は採算上の問題がある。
ところでN700Sは東海道新幹線用のもので製造費60億円だが、これは16両編成で60億円だ。台湾新幹線は12両編成のため、1両当たりになると、なんと11.25億円もの差になってしまう。

いくら技術が素晴らしくても商売ができなければ…

確かに日本の新幹線技術は優れていることは確かであり、KTXが日本の新幹線に追いつけることはそうそう無いであろう。
ただし、いくら優れた技術を有していると言っても、それが世界に通用するかは別問題である。

台湾新幹線は初期投資が大きく、台湾高鐵は2015年には経営悪化の影響によって財政再建策が行われた過去がある。
確かにKTXやTGVが日本の新幹線技術に当面勝てることは無いとしても、大事なのは自国で生産できるか否かである。
まして1編成180億円も払うとなれば採算が取れるかはかなり怪しい。

東海道新幹線の1日あたりの輸送人数は約47万人。台湾新幹線の1日あたりの輸送人数はコロナ前で19万人である。
なお、韓国のKTXは1日あたりの輸送人数は2014年時点で15万人。ハングルを私が読めないため、2019年時点の輸送人数やKTXの製造費が分からないのだが、自国で製造できるか否かは、韓台の明暗を分けてしまったと考えて良いだろう。

世界の高速鉄道と比較しても、東海道新幹線の輸送人数は段違いである。だが、東海道新幹線で通用するやり方が世界でも通用するとは限らない。
いや、日本国内だけを見ても北陸新幹線のE7系/W7系は1編成33億円で、この価格は概ねNが付かない700系と同じくらいである。
いくら技術だけ優れていても相手国の事情を考慮した商売ができなければ意味がない。これが新幹線のガラパゴス化している要因の1つと言えるだろう。

確かに導入当初は台湾の方が韓国より圧倒的に成功したかのように見える。
ただし、いざ車輌更新を検討しなければならない段階で、自国生産が可能な韓国と日本から調達するしかない台湾では、明暗が分かれてしまったように見える。
最終的に台湾新幹線はN700Sを導入させられるであろうが、そのために台湾鋼鐡はどれだけの犠牲を強いられるのであろうか…。

100億円の新幹線車輛などアジアは求めていない

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  2022/05/22   センチュリー・大橋
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