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韓国が新幹線方式を採用しなかったのは正解だったと台湾が証明した🚅

もし新幹線方式ならキメラ化していた

韓国のKTX(TGV方式)写真:Pxabayより

なぜ韓国は新幹線方式を採用しなかったのか。これに関して日本人の鉄オタの感想は「わざと入札で負けてあげた。韓国に対して日本側は開いた口がふさがらず入札そのものから降りようとした」と。結果として日本にとっても「新幹線方式が採用されなくて良かった」というのが、日本の鉄道オタクの見解のようである。

しかし、実際に台湾新幹線普及に関わった大谷昌弘氏はnippon.comに於いて「新幹線導入が確実と思われただけに酷く落胆したことを覚えている」と書いていることから、実情は異なるようである。
台湾新幹線においても、当初は欧州方式が導入されることとなっていた。

ところがエシュデ鉄道事故や台湾地震の影響などもあってか、日本側に風向きが向き始め、最終的には日本が受注することとなった。
だが、台湾新幹線は受注後も欧州側の人間と様々な軋轢の末、車両と通信システムを日本方式、軌道・トンネル・橋梁などは欧州方式となった。キメラ新幹線の誕生である。
これが後に日台の軋轢を生むことになったと言うことを、後に書いておきたい。

「日本にとっても新幹線方式が韓国に導入されなくて良かった」

これは確かにその通りであるが、しかし理由については「韓国が日本嫌いだから」とか、そういう意味ではない。
恐らく韓国に新幹線方式が導入されていた場合、やはりキメラ化していた可能性が否めない。
仮に日本勢が入札で勝ったとしても、欧州勢が素直に引き下がったとは思えず、キメラ新幹線となったであろう。
その場合、いま日台間で起きている問題が日韓でも起きていたということである。

高速鉄道は技術転移のニーズが高い

KTXに限った話ではないのだが、近年のアジアでは自国で鉄道を作りたいという機運は高まっており、これまで日本の中古車が多く輸出されたインドネシアにおいても、自国の新型車を走らせようとする動きがある。インドネシアでも90年代末期にはそうした動きが起きているので、韓国ともなれば高速鉄道で自国生産したい機運は高かったであろう。
恐らくだが、台湾にしても自国生産を出来るようにしたかったのではないか。
だが、日本は自国から新幹線技術を一切出したくは無かった。これに対し、TGVはライセンス方式であったため、自国で高速鉄道を作る技術を得られるのはメリットであったと言えよう。

日本在住の韓国人鉄道オタク曰く、高速鉄道の入札が行われた時期はちょうど韓国の対日感情は過激化していなかった時期であり、ライセンス方式を認めない新幹線より、将来国産を期待できるTGVを導入した方が、単純にメリットがあったとのことである。

次に当時の高速鉄道の営業速度であるが、日本で走っていたのは300系だ。300系とは初の「のぞみ運転」が行われた新幹線である。
最高営業速度は270㎞/h。ドイツのICE1は280㎞/hに対し、TGVは300㎞/h。もちろん山地の多い韓国の実情が反映されたものではないとは言え、自国で将来的に高速鉄道を製造できるというメリットは大きい。そしてここが台湾との明暗を分けた要因でもある。

確かに開業から10年間は台湾新幹線の成功に見えるが…

韓国ではTGV方式が導入され、それにより韓国も痛い目を見てはいるのだが、方や台湾は新幹線方式が導入され、ベースは700系という、今日のN700系にも繋がる新幹線の顔ともなったものと言える。
そのため、N700系と台湾新幹線700Tもまた、近しい外見(顔)をしていると言えよう。

日本の700系は最高営業速度285㎞/hだが、台湾の700Tは300㎞/hで走れる。
最高速度は日本の700系より速いものながら、今日に至るまで大きな事故なく運営してこれたのは、流石と言わざるを得ないであろう。
「安全に定刻運転する技術」という点では日本の新幹線は他国の追従を許さず、ある意味で世界一と言える。

しかし、実はこれこそが新幹線の海外展開を狭める要因でもある。
新幹線車輛は車輛の更新が早い。高速で長距離を走ること、トンネルをたくさん通過することによる圧縮や膨張の繰り返しで車体が傷みやすいこともあって、概ね15年程度で寿命が来てしまう。
それは台湾新幹線とて例外ではなく、そろそろ寿命を迎えても可笑しくない頃合いなのだが、なんだかんだで日本の700系とて2022年3月のダイヤ改正まで、山陽新幹線では「ひかり」や「こだま」として運転されていたのだ(レールスターの相性で呼ばれていたが券面には表示されない)。
台湾高鐵とて「700Tはまだ走れる」と思うのも無理はない。しかし…。

100億円の新幹線車輛などアジアは求めていない

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アジア関係   2022/05/22   センチュリー・大橋
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