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「辞めれば良いのに辞めれない」のは仕組みの問題でもある⓶

退職の自由を奪う仕組み

写真:内灘町のフリー写真素材より

何故労働者は精神的に追い詰められても辞められないのか。
会社を辞めずに人生を辞めてしまうのか。
これは一重に辞めたくても辞められない仕組みがあるというところに尽きる。

退職の自由を奪う仕組みには大きく分けて3つある。

⓵年齢帯による役割の変化
⓶身元保証人制度
⓷雇用保険

上記の⓵については、転職の35歳定年説は緩和されてきたものの、やはり39歳と40歳ではまた印象が変わって来る。
年齢が高くなればなるほどリーダー経験が求められるのだが、基本的にリーダーになれるのは5~10人に1人程度。
リーダーになれなかった者は、実質的に転職の自由は制限されることとなる。

身元保証人を立てられず…

転職の自由を奪う最大の要因が身元保証人制度であろう。
身元保証人とは分かりやすく言えば「お前が会社に悪さしたら保証人どうなるかわかってんだろうな?」と脅すために必要な存在である。
謂わば人質のことであり、多くの労働者は会社に就職するためには身内を売り飛ばさなければならない。

正社員として働く場合は大抵1人は身元保証人を取られ、金融業界などの煩い業界では親族1人、世帯を別にする安定した収入のある人間1人の計2人求められることが多い。
こうして「就職のために人質になってもらうことをお願いするシステム」があるため、簡単には労働者は会社を辞められないのだ。

そして身元保証人制度は転居の自由を奪うという指摘もある。
何せ転職する時にはまた頭を下げに行かねばならないのだ。
それだけでも気が重くなるし、こうして辞められない人が心を病める仕組みになっている。

自己都合退職は(最低)3ヶ月は無収入になる

そして最後は失業給付だが、これは自己都合退職の時に3か月間、無収入になってしまうことが転職を厳しくする要因だ。
日本の終身雇用は崩壊したと言われているが、実は崩壊していない。
多くの企業ではメンバーシップ型雇用をしていおり、かつ解雇規制の厳しい日本の法律も相まってか、なかなか企業は解雇をしたがらない。
辞めて欲しい人間には何とか自己都合退職に追い込もうとするが、間違っても自己都合退職をしてしまうと3ヶ月無収入に追い込まれる。

そのため、日本の転職活動は在職中に行うのがベストとされている。
だが、在職中の転職活動というのは思ったほど上手くは行かない。
今の環境から逃げ出すことが優先事項になってしまい、ありたいキャリアの姿をじっくり考える時間がない。
しかも転職活動をしている最中にも現在進行形で精神は追い込まれていくのであるから始末に負えない。

もちろん国家には財源というものがある。無制限に給付できる金があるわけでは無いが、しかし転職活動くらいはじっくり自分を見つめ直す時間が欲しいところである。
だいたい在職中の転職活動には有給休暇の残日数との戦いだ。そもそも余裕などない状態なのである。

そうして考えて見ても、日本は精神を追い詰め、病めて会社より先に人生を辞めてしまう人を出すくらいなら、せめて失業給付と身元保証人制度だけでも改革をすれば、今よりずっとマシな国になるのではなかろうか。

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職業選択   2023/10/31   センチュリー・大橋
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