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高齢者の免許証返納をどう促すのか:中井町をベースに考えてみる❸

池袋での悲惨な事故から高齢者に免許証の返納を求める声が大きくなっている日本。
今後、いま「年寄は運転するな!」と言っている若者達も、自分たちが高齢者になったら同じことを言われるのであろうから、その社会的な仕組みは形成していかなければならない。
免許証を返納してもらうためにはインフラなどの整備は必要不可欠だ。
神奈川県としては中井町のケースをイメージしながらモデルを考えたが、合意形成という面を見れば、かなりハードルが高いと言えるだろう。
一方、少子高齢化が進み、核家族化が進んだ今の日本では、日産CMのように親の助手席に付き添うというのは現実的ではない。そこを踏まえた対策は何があるだろうか。

マイカー生活者はダイヤというものに慣れていない

中井町は人口規模にしては、バスの本数は恵まれた方だと先のページでは書いた。
湘南軌道跡地沿いに住めば、実際のところマイカー無しでの生活は不可能ではないだろう。
だが、ここに重要な見落としがあったことに気付く。
そもそもマイカーで生活してきた人にとって、ダイヤというものが不慣れな存在であるということだ。
ダイヤに慣れるというのがやや都会人的で、地方にマイカーで生きてきた人にとって身近なのは、タイヤであってダイヤではない。
地方の人が横浜に来ると、乗り換えの場所がわからなかったりすることが多いが、バスの乗り換えは鉄道以上に分かり辛いものがある。
なので「お願い免許証を返納して。明日からタイヤを捨ててダイヤで生きて!」と言っても反発されるのが関の山である。
 

必要になるのはダイヤに依存しないシステム

バス路線を拡充すると言っても地方に網目のようなバス路線網を作るというのは現実的ではないし、仮にできたとしてもダイヤを充実させることは不可能だ。
何しろ向ヶ丘遊園から二子玉川に向かうバスですら毎時一本は無いのだ。
ならば整備するインフラは、ダイヤに依存しない方式を考えねばならない。
実のところ、そのための対策というのはある程度は行われていたりする。
例えば乗合タクシーであるとか、バス停以外でも任意の場所で乗り降りできるフリー乗降制を行う事業者もある。
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中井町における実情では秦野へ出たい住民が多いと考えると、今後は秦野市との連携が必要になるであろう。
あるいは、財源確保に当たっては県レベルでの動きが必要なのかもしれない。
実際に「免許証を返納しろ」と言っても、マイカー慣れした人には経験からくるプライドが阻み、返納したがらないのかと考えていた。
が、中井町デマンドバスの利用状況から見ると「返したくてもそれをカバーしてくれるインフラがない」と考える高齢者は多そうだ。
事例から見ると、オンデマンドバスには確かに需要があることがわかる。むしろ中井町では「特定の時間に需要が多すぎて乗せられない」という状況があり、かつ「追加で乗せるには車輛台数が必要だが金がない」という状態なのだ。
そこを解決するには「払った税金がどう使われるか」の見直しなのだが、こうした交通福祉を行き届かせるための税の見直し方については、まだまだ課題が多そうである。

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神奈川県   2019/08/07   センチュリー・大橋
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