財務省悪玉論の愚かさ-財務省を解体した後のことを考えていない⓵
財務省解体後はどうする?
写真:大阪港のフリー写真素材より
Twitter世論というのは誠に極論が流行るものである。
昨今は財務省解体が支持されているが、一体財務省を解体してなんとするのかが見えないのである。
例えば財務省を解体して大蔵省に戻したいのか、それとも経産省に業務を引き渡すのか、これすらもわからないのだ。
財務省解体を唱えるのは楽であるが、財務省を解体することが目的化してしまっており、財務省を解体した後のことを考えている者は誰もいない。
それが今のTwitter界隈の世論である。
どこかが業務を引き継がなくてはならない
財務省の仕事は端的に言えば歳入と歳出の管理であり、我々と関わりの深い国税庁(税務署の属する組織)は財務省の下部組織である。
財務省の組織の内、主税局が税法に関する企画の立案や企画を行っているため、あたかも財務省に政治を動かす大きな権力があるように見受けられるが、例え財務省の人間が税システムを企画しても、まずは内閣の閣議決定をパスしなければならないし、最終的には国会をパスしなければ財務省が何を企画しようとも実運用をすることはできない。
そのため、いくら財務省を叩いたところで国民が選出する議員が変わらなければ増税路線も変わらないのだが、ネットで売れる(名声を得る)に当たっては「わかりやすい敵を作る」と言うことが有効な手段であるので、ザイム真理教などと言う存在しない宗教をでっち上げ、財務省に対する批判活動を展開していると言うわけである。
では仮にザイム真理教が実在したとして、財務省を解体した場合はどこが業務を引き継ぐのであろうか。
財務省は国家の収支管理をしている省庁であるが、財務省が無くなることは即ち、税金の管理が出来なくなるということである。
税金の管理が出来なくなるということは国家としての体裁を維持できなくなるのも同然である。
どこかで財務省の業務を引き継がなくてはならないのであれば、財務省を解体する意味はそもそも存在しないのではなかろうか。
所得が上がらないのは財務省のせいではない
所得が上がらないことの責任を財務省が負わされる状態になっているのがネット世論であるが、しかし所得が上がらない原因は財務省とは別のところにある。
人口が増えている人口ボーナス期においては、需要というものが自然と増加して行くのであるから、需要増大に伴って所得も増やすことができる。
第一次ベビーブームの時、日本は焼け野原で貧しい国であった。
そこから第一次ベビーブーム期に生まれた人間が会社で働くようになった時期から高度成長期を迎えており、団塊世代は概ねバブルの時にサラリーマン全盛期を過ごした世代でもある。
国民皆保険が始まったのは1961年。
この制度自体が人口ボーナスによって維持されているものであるため、人口オーナス期においては縮小が迫られるのであるが、依然として日本は大きな政府を維持しているため、人口オーナス期に大きな政府を維持しようとすれば必然的に税負担は増加し、我々の手取りは減って行くことになる。
それを鑑みれば、財務省の影響などさして大きくはない。
