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米山隆一提唱の健康保険改革は少子化時代には必要かもしれない⓶

医師のリソース配分も重要に

写真:佐久島のフリー写真素材より

米山議員の提案では医師のリソース配分として、保険診療を行う医師の配分を人口ベースに割り振る案も示されていた。
教育無償化とのセットで語られていたが、一言で言えば防衛医大方式を行うということである。

防衛医大では学費は掛からない上、手当まで支給される。
その代わり卒業後の9年間は自衛隊に勤務する必要がある。
これと似たようなことを、学費無償化を受ける条件として提示するということだ。

無論、自由診療を行う医師については防衛医大方式の制限を受けることはなく、あくまで保険診療を行う医師に適用させるものである。
本来なら医師の就業先を国家が指定してしまうことは就業の自由に抵触しうるものであるが、教育無償化を受ける条件とのセットとしての施策、即ち就業の自由を担保したい場合はやはり自費で就学してくださいと、そういう方向性の施策である。

僻地医療を行う医者が貴重である

日本には医療団体は数あれど、民間の医療団体で僻地医療までカバーしているのは徳洲会を筆頭に、ごく僅かしか無いだろう。
徳洲会は創業者の目的として故郷(徳之島)を含めた僻地の医療をカバーすることを目的としていたし、民間の医療法人としては世界第3位の規模を持つ医療集団である。
もちろん医師の希望にもよるだろうが、やはり人事として僻地に飛ばされることは充分にあり得る。

しかしながら、1つの医療法人で徳洲会のような巨大なグループはなかなか無く、現状のやり方では地方に医師は集まらないものだ。
それこそ離島にでも行こうものなら、小さな診療所が1つあるのみである。
例として西尾市の佐久島には診療所が1つしかない。
要は、その1つの診療所が生命線なのだ。

勿論そうした離島を引き合いに出すのは極論であるが、大都市を離れると高齢者の割合が多くなり、医師が必要とされる場面も増えるであろう。
一方で大都市部に比べて医師がカバーしなければならない範囲が広がることもあってか、地方部での勤務は就労環境に不安を抱く意思も多く、なかなか医師が分配されないのが現状のようだ。
当然、現状維持のままでは地方の医師不足は解消されることはなく、かつ少子化による人口減少もあるため、ますます医師が不足するという悪循環に陥る。

衰退社会ではババの押し付け合いになる

これまでの日本の制度は人口が増加する前提の制度設計がされてきたが、今後の日本では人口減少をする前提の制度設計が必要となる。
人口減少ベースの制度に作り替える場合、誰かが痛みを伴うこととなる。
医師の配置にしても個々の医師の自由意志のみで配置した場合、世の中が回らなくなってしまうため、国家による介入は確かに必要だ。

国民健康保険の一元化、および人口に対する医師の配置決定は案として今後の日本で必要なことであり、同時に移行期に想定されるトラブルなども洗い出して徐々に移行するのが望ましい。
それが衰退期の日本では必要な社会保障の在り方となり、ひいては東京一極集中の是正においても必要な施策となるだろう。

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社会設計   2023/12/02   センチュリー・大橋
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