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よい仕事をさせてないーそりゃ社員だって盗みも働くさ<1>

ワイドビュー南紀の車窓(D席)
写真:ワイドビュー南紀の車窓より

神奈川県のHDD転売事件があってからというもの、リース期限や耐用年数の切れた備品は廃棄ありきの運用になっている。
今後、所有権の移転を伴わないリース契約がどれだけの需要を保てるか怪しいところではあるが、元の需要は回復できまい。

CE(カスタマーエンジニア)にしろSE(システムエンジニア)にしろ、ITは何かと構造的に色んな問題が潜む業界だ。
いや、日本の産業構造が歪なのかも知れぬが、先「さぶれ」なる者が行ったSMBCソースコード流出騒動についても起こるべくして起きたものである。
SMBCソースコード流出からは早半年が経過したが、恐らくSIer各社は事件が起きた原因は総括出来ていないであろう。
根本的な問題はまだ解決しておらず、また忘れた頃に似たような事件が起きたりするものである。

世の中に善良な人は僅か5%しかいない

つい最近、ダン・ケネディの著書、世界一シビアな「社長力」養成講座を読む機会があり、アメリカの中小企業の現実を知ることのできる内容ともなっていた、
アメリカの企業では従業員による盗みは珍しいものでは無いようである。だが、不思議と経営者が「ウチの従業員に限って盗みなんかしない」と思う点に関しては、どうやら日本と大きな差は無さそうだ。

日本の従業員世界はアメリカと比べれば相互監視の進んだ社会であろうから、アメリカ的な経営手法がそのまま日本で通じるわけではなさそうだが、しかし日本の従業員でも盗みを働く者がいることは確かである。
「さぶれ」なる艦これ提督はソースコードを盗んでしまったし、ブロードリンク社のCEはHDDを盗んでしまった。さぶれ氏は嫌韓ネット右翼であったことも一部では知られていたが、こうした諸問題を「個人の資質」として片付けることは些か危険であることは、ダン・ケネディの著書からも改めて確認することができる。

ブロードリンクは富士通リースの下請けとして入っていた企業だが、ブロードリンクと並んでやばいのが、HDD処理を丸投げして業務が適正に完了しているか確認しなかったことにある。
では富士通リースがHDD転売を受けて業務管理の在り方を反省しているかというと、恐らくそれは無いだろう。

世界一シビアな「社長力」養成講座でダン・ケネディはこのように述べている。

「あなたに対して嘘はつきませんし、盗みも働きません」などと言う人間のほとんどは嘘つきだ。100人中5人の確率なのだから。
どんな状況ででも、何のメリットがなくても、嘘をつき、欺き、盗みを働くよう生まれついた人も5%いる。盗まずにはいられないのだ。
(中略)
だが、そういった手に負えない性質を持った人間にあなたが出会う確率もやはり、100人中5人なのだ。
私やあなたはその中間の90%にいて、さまざまな問題を引き起こす。
盗みをするために必要な要素は次の3つだ。

1.盗む必要があること、あるいはそう感じられること
2.盗むという行為を正当化すする能力
3.見つからないと信じること

改めて言うと、世の中の95%の人間は盗みをし得る人間ということである。
日本人はあまり性悪説に立ってものを考えるのは得意ではないようであるが、業務において性善説は危険な思想だ。
性善説などと言うものは真っ先に排除しなければならない

下請け社員のエンゲージメントは低いまま

昨今では従業員エンゲージメントの重要性に気付いて社風改革に取り組む企業は増えてきた。そう、恐らく三井住友銀行だってブロードリンクの元請けである富士通だって従業員エンゲージメントの重要性というのは頭ではわかっている筈なのだ。だから自社の社員に対してはエンゲージメントの向上に努めていることだろう。

では下請け会社というのはどうなのか。
残念ながらSI業界における下請け企業のエンゲージメントに対する認識は何も変わっていない。昭和のままである。
そもそも下請け会社の経営者からして見れば「人が売れればOK」でしかなく、エンゲージメントなど気にもかけることはないのだ。

上場企業なら従業員エンゲージメントを重視する企業は少なくないだろう。
だが、自社の社員のエンゲージメントを高めたとしても、下請け企業の社員が業務や自社、或いは元請け企業に対する不満度が高ければ、全ては下に引っ張られることになる。
下請け企業の社員に客先常駐をさせている企業は、匿名性を保証した上で下請け企業の社員達に不満度調査をやってみると良い。
下請け社員の不満度を★5ランクで評価し、★2.5を超えるようであれば、下請け(協力会社とも言われる)社員の誰かが盗みを働いていると警戒した方が良い。
「さぶれ」なる人物がソースコードを盗み、ブロードリンク社員がHDDを盗んだように、どんなに自社の社員のエンゲージメントを高めようが、下請け会社の社員のエンゲージメントが低いと、一発の盗みで全てが台無しになる。
 

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