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制度設計NEWS

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そもそも少子化が解決しないのに減税の財源はあるのか⓶

人口回復以外に手はない

写真:津山市のフリー写真素材

「減税をするのに当たって財源なんか要らない」と言う楽観論が出回っているが、ある意味でそれは真ではない。
そもそも国債が借金の姿をした金融商品である以上、利息と言う損益計算上の動きが発生していることは要注意である。
つまり元本返済に加えて利払いに耐えられるだけの収益力が必要なのである。
この「収益を稼ぐ力」こそが不換紙幣に於ける「国家の信用力」と言って良い。

では国家の収益力を上げるに当たって必要なものは何であろうか。
少なくとも日本の場合、技術力と人口数である。
資源のない日本は資源の購入をして生活と生産をし、生産したものを輸出する加工貿易が基本的なビジネススタイルだ。
輸出するものを造ろうにも、生産するのは人間の持つ技術力である。

問題は技術力であるが、少子化によって維持することが難しくなってきている。
しかし売るものがなくても、日本は生活のために買わなければならないものはあるのだ。
もし「自国建通貨は破綻しない」などと言って決済用のお金を印刷機で刷っていたら、そんな国の通貨は受け取ろうとは思わないだろう。
刷ればするほど通貨の価値は下がるし、通貨の価値が下がると言うことは輸入品の物価が上がると言うことである。

構造的に人口増加はし難い

本当に減税をしたいと言うなれば、人口増加に転じるような工作が必要であるが、日本の構造上、これが非常に難しい。
果たしてそれが難しい理由を何から推察するのかと言えば、ハンガリーの出生率である。

「スゴい少子化対策」と評判であったハンガリーの支援策であるが、フランスの出生率に届くことは無かった。
これには文化的な側面が大きく、日本かフランスかと言う二択でハンガリー人の価値観がどちら寄りかを判定させると、概ね日本人寄りである。

  日本  ハンガリー フランス
恋愛のオープンさ 低い 中程度 高い
結婚の重要性 高い 高い 低い(未婚出産多)
家族の伝統意識 強い 強い 弱い
子育て制度 弱い 中程度 強い
出生率 低い 低い 高め

結局のところ、ハンガリーの出生率がフランスに届かなかったのは、文化的な保守性の高さによって効果が限定的となったことであろう。

これはハンガリーと同等の政策を取ったとしても、日本でも同様のレベルに留まることを意味している。
詰まるところ、今の日本が目指せる出生率の限界値は1.5程度でしかないことを示している。
それは即ち、今後も社会保障負担が増えることを意味しており、この状況での減税は難しいと言わざるを得ない。

移民の受け入れも拒否して社会保障は維持できるのか

ハンガリーと日本はよく似ているとは言わないが、しかし移民の受け入れにも難色を示していることは概ね共通していると言えよう。
問題は移民の受け入れ無しに社会保障は維持できるのかと言う問いである。
移民は比較的若い世代が多いのであるが、これらの世代は社会保障に於ける負担者であり、高齢者は受益者となる。

また、消費市場では若い層が多くの消費を見込め、経済の維持にも寄与しやすいものである。
やはり今後伸びる国と言うのは移民の受け入れ制度を整え、人口が増加、ないし維持度の高い国であり、そうした国では経済発展の伸びによる恩恵として減税もしやすい。

ところが日本は少子化を止められず、移民もあまり増えないのが惨状である。
果たしてこのような国のどこに減税の余地はあるのかというと、見当たらないのが率直なところである。

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  2025/11/08   センチュリー・大橋
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