品質管理の三現主義
品質管理の勉強をしていると確実に習うことの一つが三現主義である。
これは現場・現物・現実の略であるが、これに原理・原則を加えて5ゲン主義と呼ぶこともある。
品質管理では「物事は現場で動く」と言う発想が大前提にあり、現物に触れて現実的に考えるということが大原則だ。
それは情報セキュリティ3要素(気密性、完全性、可溶性)があるように、品質管理においても3原則があるということである。
そして、この品質管理三現主義はジャーナリズムにおいても通ずる原則であり、やはりジャーナリズムも現場・現物・現実は最低限抑えるべきことである。
取材を怠るジャーナリスト
インターネットの世界でPVをよく稼ぐサイトには、まとめサイトの存在がある。
まとめサイトは便利ではあるが、こと政治というジャンルに至っては過信は禁物だ。
政治系まとめサイトには「誘導したい方向性」というものがあり、必ずしも事実を映し出すものではないことに注意が必要だ。
先日、アンミカが杉田水脈を批判したことで、Twitterでは右翼側より「不買運動だ」と騒ぎが起こり、アンミカを密入国者とするデマが出回った。
この時、ShareNewsJapanというまとめサイトが「最強どん兵衛がカゴ売り」と騒ぎ立てたのだが、このツイートを拾った加藤清隆は「どん兵衛不買運動が効いている」としてツイートを拡散。
この事実確認のため、京都市内のファミリーマートとローソン計5店舗へ聞き込みを行ったが、そもそも不買運動がコンビニ店員に認知されておらず、どん兵衛の売れ行きが激減しているなどと言う事実も無かった。
加藤清隆は早稲田大学を卒業し、時事通信社で記者を経験した後、政治評論家を名乗るジャーナリストである。
曲がりなりにもジャーナリストを名乗るのであれば、取材をすることは必要だ。
だが、加藤は取材を怠ったのである。
そもそも店舗の名前すらわからず
ShareNewsJapanはTwitterから、どん兵衛がカゴ売りされているツイートを拾って自サイトで貼っただけである。
当のツイートは店舗の詳細が全くわからないものであった。
つまり、どのような意図で店舗がどん兵衛を3個で200円引きしていたのかはわからないのである。
参考までに当該ツイートが為されていた日は、ファミリーマートとローソンでは、どん兵衛2個購入で100円引きセールをやっていた。
該当のどん兵衛がカゴ売りされていたのはコンビニエンスストアと思われるが、仮にファミリーマートかローソンと仮定した場合、本部の指示とは別に「何かしらの思惑」があって3個で200円引きをしていたと思われる。
年末商戦期のために他店に対抗していた可能性もあるし、本当に売れ残っていたのかもしれない。
それはジャーナリストであるなら、正に取材によって検証すべきだったのだ。