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「清掃員として時給1500円は高い」と言われる日本の薄給さが問題

毎日新聞社から「五輪清掃員が感じた失望」として、時給1500円で奴隷のように使われたという記事が波紋を呼んでいた。
「時給1500円って清掃員としちゃ高給だろ」
そんな声が犇めき合うTwitterだが、そうしたTwitterの反応には違和感を感じたものである。
まず、五輪業務ははスポット業務であり、レギュラーワークではないため、いくら高時給と言われようが仕事は持続しない。五輪が終われば案件終了となり、また次の仕事を探さなくてはならない。
それを加味すれば時給1500円は高いとは思えないのだが、それはそれとして、清掃員という仕事はエッセンシャルか非エッセンシャル(どうでも良い仕事)かの二極論で考えた時、どちらに位置するのかということである。

長崎県営バスと長崎本線

しかし誰かがやらなければならない

少なくとも清掃と言うのは、業務としてやるか否かを問わず、誰かがやらなくてはならない。
喫煙所を掃除する人がいなければ吸い殻の山であるし、新国立競技場の外はともすればビール缶がたくさん転がっているかもしれない。何と言っても手洗いの掃除は一番やりたくない。しかし、誰かが掃除をしなければ厠は御不浄となる。
2019年に台風15号が関東直撃をした際、南武線の1号車で満員の重圧に耐えきれず致してしまった御仁がいたと言われ、それが遅延の原因だったという伝説があるが、しかし「誰かが後始末をしなければ悪臭が充満していた」のである。
果たしてその掃除、時給1500円でやりたいと思えるだろうか?
私は時給2000円でもやりたくない。

日本はエッセンシャルワーカーの地位が低すぎる

コロナ禍になってからというもの、エッセンシャルワーカーという言葉が浸透したが、エッセンシャルワーカーはいなければ社会が回らない存在にも関わらず、その地位や賃金は低い。
恐らく多くのエッセンシャルワーカーは、東京の賃金でさえ年収にして300万行けば良い方であろう。いや、寧ろ年収300万に達したエッセンシャルワーカーは、医療業界とインフラ業界を除けば軒並み基本給が低いから、かなり残業を重ねているのではないか。不思議なことに年収が高くなればなるほど、実は社会にとってどうでも良い(いなくても回る)存在になる。
例えばメーカーの営業マネージャーはいないよりはいた方が良いが、いなくても社会は回る。SIerの営業マンなどもっと酷い。というよりあの業界はエンジニア以外必要ないだろう。営業をやるにしてはセールスエンジニアでない営業マンは完全に不要だ。
経営者はどうだ。それこそ人工知能に投資できる日本企業なら、意思決定はワトソン君に任せた方が良いのではないか。ワトソン君の方が他の取締役に忖度しない意思決定が出来るだろう。そうしたら受付嬢はペッパー君にされてしまうかも知れないが。

しかし、これほどITが進歩した時代になっても、トラックの運転(物流)は人にしか出来ないし、厠掃除も人にしか出来ないのだ。
今後ドローン配送が出来るようになれば、小さな荷物はドローンで任せられるかもしれない。だが、大きな荷物や大量の荷物を運ぶには人の介在が必要になる。
「清掃員の時給1500円は高いが何か?」
それはその通りだろう。相場から見たならば。
だが、誰かがやらなければならないにも関わらず、日本の相場が安いのではないかと考えることもできないか。
少なくとも、PCを扱うのに比べれば難しい仕事だぞ、厠掃除というものは。

与党批判だけでは支持は集まらぬ

就労形態   2021/09/12   センチュリー・大橋
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