陰謀論にハマるネット民
一体ネット民は何故に陰謀論にハマるのか。
少なくとも陰謀論にハマるネット民はマスコミ嫌いが多い。
マスコミの報道に対して「こんなことではないはずだ」と言う思いがあるが、しかし対立仮説を立てたり検証を行うことは面倒くさい。
このため「自分の思いを代弁してくれるインフルエンサー」を探すのである。
当然、このインフルエンサーが言っていることも事実に基かないことは多い。
しかし「マスコミは絶対に嘘を吐いている」と言う確たる信念と「マスコミが嘘を言っていることの検証は面倒臭い」に加えて「この配信者は俺の思っていたことを代弁してくれている」と言う自体が重なった時、実は「真実などどうでも良くなっている」のである。
そして行き着く先は陰謀論である。
日本でも産まれる派生アノン
アメリカではQアノンと呼ばれる陰謀論者達の存在があるが、日本でも様々な「アノン」が存在している。
共通しているのは「マスコミが嫌いだ」と言うことと「自らは検証をしたがらない」と言うことである。
また、検証は単に「面倒」なだけではないのかも知れない。
「検証した結果としてマスコミが正しかった」と言うことも充分起こり得るのである。
マスコミが正しかった場合、自らのアイデンティティが崩壊する危険性があることもまた、反証の検証を行わない理由なのかも知れない。
そんな彼らが⚪︎⚪︎アノンに堕ちて行くのは必然と言えば必然なのだろう。
マスコミ否定がもたらす事実否定と反知性主義
尤も、マスコミ否定の為に検証活動をしたとしても、ある程度はマスコミの方が正しいことが多いのである。
と言うのも、マスコミは仮にも「現場」に行き、取材を通して「現実」に触れていることが多いのであるから、ある程度は正しいことが多いのだ。
そのため、マスコミの反証をしようと思っても簡単ではなく、それ故に反証のための検証はとても面倒になるのは無理もないことである。
しかし、それはそれとして「マスコミは違う」と言う思いも止められないことで、自分の中の「真実はこうなっている筈だ」と言う思いを代弁してくれるインフルエンサーを見つけ、スパチャなどをやっている内に、どんどん引けなくなっていくのであろう。
無論、ネットの海から「真実」が見つかることなど殆どない。
少なくとも「政治」と言うジャンルにおいては…。
マスコミを否定するための手段としてのTwitter、Youtube。
そこには取材もデータの収集も検証も何もない。
その行き着く先は反知性主義のそれであり、事態は深刻である。