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2024/10

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衆院選2024:日本共産党は何故大惨敗を喫したのか⓶

支持者の高齢化が深刻な共産党

写真:金沢市のフリー写真素材より

では自民党が票を落としたのは何故なのか。
これについては「わからない」としか言いようがない。
ひとつ言えば、高市早苗が総理大臣にならなかったことが、票を落とした要因とは言えそうだが、そうした面々は自民党から日本保守党や参政党に鞍替えしただけであり、大勢に影響を及ぼす程ではない。
それは裏金発覚も同様で、裏金自体は田中角栄が総理大臣をやっていた以前から続いていたことであろう。
残念ながら日本人は法律を重んじる民族性ではないので、裏金自体も多くの日本人には「なんか知らんけどアカンことなんや」と言う程度の認識しかなく、1つ1つの事例は大勢に影響を及ぼすものではないのだ。

しかし、共産党惨敗に関しては以前から存在していた深刻な理由がある。
それが支持者の高齢化である。

政策だけで選挙は勝てない

政策だけで選挙をできたら、恐らく共産党は多数の議席を確保できるであろう。
しかし、選挙結果が示す通り「政策だけでは選挙は勝てない」のである。
寧ろ選挙など「政策以外の面で9割が決まっている」と言った方が正解だ。
これが共産党の支持者には良くわかっていないのである。

少なくとも共産党とその支持者達は「政策が良ければ勝てるはずだ」と言う考え方は一貫して変わっていない。
言ってはなんであるが、彼らは選挙や政治をエンターテイメント化する力に欠けているのである。
確かに彼らは高潔な考え方の持ち主が多いのであるが、悪く言えば潔癖志向であり、宗教や哲学の話はできてもJ-POPやK-POP、サブカルや韓流コスメなどの話はできないのである。

少なくとも現役世代から見て「コイツ話しても面白くなさそう」と思われているのであり、れいわ新選組の得票と比較すれば、そういう面も出てしまっているのだ。

  れいわ 共産
北海道 177,620 169,799
東北 271,855 223,409
北関東 419,511 354,915
南関東 472,519 437,724
東京 451,865 498,565
北陸甲信越 216,659 181,910
東海 506,112 334,599
近畿 557,899 649,195
山陰・山陽 173,622 149,218
四国 95,973 88,224
九州・沖縄 461,425 275,408
合計 3,805,060 3,362,966
候補者数 19人 214人
1人当たり得票数 200,266.32 15,714.794

反面、れいわ新選組は山本太郎からして元芸人であるし、大石あきこも「芸ができる(話したら面白そうな)オバちゃん」なのである。
もう一つ、共同代表として大石あきこを選んだのは今になって非常に大きく作用しており、入院中で表舞台に出れなかった山本太郎に代わって見事に芸をやってみせた。
山本太郎が殆ど不在の中で9議席(かつ当選率47%)を実現できたのは、れいわ新選組が成長途上の組織になったと言っても良い。

支持者が高齢化して衰退途下にある日本共産党は皮肉にも、現在の日本の有様を表す組織となってしまっており、発展の見込めぬ組織として現役世代は共産党を捨てて、れいわ新選組に流れ込んだと考えて良いだろう。

現代化が遅れた組織改革をできるのか

最近の共産党のポスターは少しずつ現代的にカスタマイズされてきてはいるが、しかし組織として根本的に現代化が立ち遅れていることは否めない。
214分の8人しか当選できず、供託金4億円没収という痛手を受けているのは、残念ながら事前の分析の不足も否めない。
れいわ新選組という対比を前にした時、たった1議席の差でも様々な意味が含まれる1議席差になっている。

現在の支持者の顔ばかり見ていては衰退し、滅亡あるのみである。
現存する政党としては日本で一番長い歴史を持つ政党であるが、次の100年を迎えるには大きな構造改革をせねばならず、党として存続するためには「政策以外の面をどのように強化するのか」と言う発想が肝要だ。

政策だけでは選挙に勝てない。
高潔さだけでは人は寄りつかない。
それが理解できない限り、共産党は15年以内には滅亡するであろう。

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ジャーナリズム   2024/10/31   センチュリー・大橋

衆院選2024:日本共産党は何故大惨敗を喫したのか

衆院選2024で惨敗した共産党

写真:金沢市のフリー写真素材より

選挙の結果というのは報道のされ方がだいぶ異なるもので、自民党の減った議席数によっては「自民党惨敗」と書かれることは多い。
衆院選2024でも自民党が惨敗と書くメディアは存在するが、60議席減ったと言っても最大派閥であることに変わりはなく、偽装:無所属であった萩生田光一や西村康稔は当選後、すぐさま会派へ復活した。
惨敗どころか、せいぜい辛勝程度でしかなく、負けてすらいないのに負けている扱いである。

その一方、明らかに惨敗とも言える政党は存在する。
それが日本共産党である。
数字にするとわかりやすいが、214人の候補者を立てて獲得した議席は8なのである。

現役世代から期待されていない

衆院選2024における共産党の悲惨な状態とは裏腹に、議席を伸ばした左派政党は存在する。
れいわ新選組は議席獲得数こそ9席であるが、擁立した候補者は19人しかいないのである。

単純議席数で抜かれた共産党であるが、当選率で見ると3.7%と47.3%で凄まじい差が開いていることがわかる。
また、得票数においても東京ブロックと近畿ブロック以外において、れいわ新選組は共産党を上回っており、殆どの地域において勢力が塗り替わる勢いとなっている。

これは何を意味するのか。
それは、れいわ新選組より共産党が期待されていないということである。

衆院選2024では自民党に期待しなくなった者が日本保守党や参政党に流れ込む自体が起きており、共産党に期待しなくなった者が、れいわ新選組に投票したと言って良いだろう。

確かに裏金を自民党の暴いたのは共産党の成果であるが…

今回の自民党の議席を落としたのは赤旗スクープにより、裏金が発覚したことが原因と見る共産党支持者は多い。
それ故にスクープを出した共産党の議席が伸びないのはおかしいと考える声が散見される。
だが、ジャーナリストとして出す成果が政治家として見込まれる期待とはイコールではないのである。

また、別の側面として「日本人は自民党の裏金が許せなかったのか」と言う疑問がある。
選挙結果を見る限りに於いて、依然として西日本では自民党の当選数は多い。
反面、東日本では立憲民主党の当選者が多く、東西で支持者が大きく分かれた選挙でもあった。

尤も、現在の自民党が薩長の系譜を辿っていることを鑑みれば、西日本で支持が多いことは全く意外ではなく、鹿児島で立憲民主党の当選者がいることが意外でさえある。
現実問題として山口県(長州)は自民党の独壇場であり、少なくとも西日本と言う面で見れば「裏金が許せなかった」と言う結果にはなっていないのである。

よって共産党やその支持者が思う以上に「裏金スクープ事件」は選挙結果には大きな影響は及ぼしていないと言うことが考えられるのである。

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    ジャーナリズム   2024/10/31   センチュリー・大橋
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