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未成年にSNSは早かった:世の中高年が思う以上に中高生は子供である⓵

SNSを使った飲食テロ松任海岸と車

写真:白山市のフリー写真素材より

人間の承認欲求とは恐ろしいものである。スシローで醤油さしや湯呑を舐め、元の位置に戻すなどをしていた様子をSNSに上げたことで、大騒動が起こるという事態となっていた。
ネットでは当の17歳の少年に対して「スシローのブランド力を損ねた」として大バッシングが起きているが、言ってしまうと従事者によるバイトテロとはやや異なり、いわゆる「迷惑客」の行為によるものであるから、スシローのブランドイメージはそこまで傷付くことはないだろう。
ブランドイメージという点においては、寧ろ店長が焼身自害をした、くら寿司こそブランドイメージを損ねそうなところであるが、それは世間からは全く相手にされなかった。

店長が憤慨の末、焼身を図っても、くら寿司は何食わぬ顔で「炙りチーズ」を勧め、当たり前のように客は回転寿司を楽しんでいた。
くら寿司がそんな調子なので、ましてバイトテロでもなく、一介の迷惑客の狂った行動など、スシローのブランドイメージという点に対しては、大してダメージを与えていないであろう。

中高生は中高年が思う以上に子供である

ネットでは17歳の少年に対する厳罰を求めるような声が大きいが、ある意味でネット民など所詮その程度とも言える。
もちろん少年の起こしたことは立派な営業妨害であるし、未成年であることを加味しても、何かしらのお裁きはあるかも知れないが、それは当事者のみぞ知るところである。

世間からは少年に対して大バッシングが寄せられるであろうが、しかし世の大人達は意識しておかねばならないことがある。
それは世の中高年が思う以上に、中高生は子供であるということだ。
まして日本の中高生は、欧州や米国のそれと比べても、ずっと子供かも知れない。
大抵の高校では生徒のアルバイトは禁止であるし、校則も「高校生らしく勉学と部活に打ち込んでいろ」と言う学校が多い。言ってしまえば過保護なのである。
その一方で、問題を起こした生徒は自主退職を薦めていく陰湿さも兼ね備えているものだが、そうした教育環境もあって、日本の中高生は中高年が思う以上には子供であるということだ。

尤も、ネット民は20代の頃にmixiやモバゲー、GREEの日記で黒歴史を作った経験がある者も少なくないのではないか。

子供がいる人間は決して他人事と思ってはいけない

スシロー動画の少年に怒れるネット民の中には勿論、既婚で子持ちな中高年もいよう。
しかし、それをたにん他人事と思ってはいけないいけないのである。少年の父親にとっても、自分の子供がまさか回転寿司で酔狂な真似をするとは考えなかったであろう。

思うにブロンコビリーの学生アルバイターによる不適切投稿から既に10年近くが経過している。
これは一言で言えば「10年間進歩していない」ということでもある。
この10年でネットに不適切投稿が投稿されたのは何もブロンコビリーだけではない。
すき家しかり、セブンイレブンしかり、くら寿司しかり、泰尚しかりで問題行動は繰り返されている(そして男児という共通点がある)。
高校生どころか大学生もいるのであるから、如何に世の大人が思う以上に10代の男児がお子様かと言うものだ。スシローの件はバイトテロとは異なるが、しかしこれだけ事件が繰り返され、損害倍書が起きようとも、みな「他人事」なのである。だからいつになってもブロンコビリーの教訓は活きないのだ。

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ジャーナリズム   2023/02/04   センチュリー・大橋
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