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ジャーナリズム   2022/08/31   センチュリー・大橋
タグ:地方政治

温泉むすめ:熱海初夏は完全に失敗となった事例である⓶

悪貨は良貨を駆逐する

恵比須島
写真:下田市のフリー写真素材より

熱海初夏は完全に失敗となったキャラクターである。
繰り返すとキャラクターそのものに問題があったわけではない。これはオタクの品格の無さによって、キャラが棄損された結果である。
その結果として「唯一のコラボ店が撤退する」ことに至っているのだから、目も当てられない惨状と言って良い。

勿論、実際にバルバルATAMIへ嫌がらせをした者は、温泉むすめ好きな人間の一部であろう。
しかし悪貨は良貨を駆逐するのが常である。
森永の午後の紅茶と「ご注文はうさぎですか?」がコラボしたときも同じだ。コラボレーションが中止にならなかったことが奇跡であり、多くのファンが悲しむこととなった。
一方、熱海は唯一のコラボ店舗が無くなった。

伊豆・熱海はオタクを必要としない

果たしてコラボが中止になった熱海初夏だが、熱海には他の温泉地と比べれば、温泉むすめに依存せずともやっていける御事情がある。
熱海は他の温泉地と比べて女子旅、カップル、家族連れなど、客層が広い。東海道本線で東京・埼玉から1本で行ける上、首都圏3800万人の人口がターゲットになるというのも、熱海の強みである。
言うなれば、単に客を寄せたい場合、温泉むすめが作られる以前の熱海を維持するだけでも充分であり、黙っていてても一定の客が付くのが熱海の強みである。
似たようなことは伊豆にも言える。
伊豆は白浜海岸、多々戸浜海岸など、波の高いビーチが多く、サーファーで賑わう。
客層が広い点も熱海と同じで、東京から踊り子1本で行けることから、やはり週末に訪れる人は多い。

東京からだと、新幹線で京都へ行く時間、東海道本線の各駅で熱海へ行く時間、踊り子で下田へ行く時間がだいたい近しい所要時間になっており、高い新幹線代が掛かる京都行きに比べれば、伊豆・熱海は断然選択肢には入りやすい。
単に観光客を寄せたいだけなら、黙っててもそれなりに客は来る。それが伊豆・熱海なのである。
そのため、当の居酒屋バルバルATAMIとしても、コラボを打ち切ることの機会損失と言うのは、そんなに多いものではないだろう。

表現の自由以前にマナーと品格を守れ

Twitterでは「女性の人権」と「表現の自由」を巡って度々争いが起きている(話が噛み合っていない)が、ごちうさ紅茶不適切飲茶事件にしろ、バルバルATAMI熱海初夏コラボ事件にしろ、表現の自由を守る以前に品格を守ることの方が重要ではないのか?
いくら表現は自由と言えども、他人の家に土足で上がり込み、或いは商売を邪魔して良い理由にはなるまい。それは表現の自由の対象外と言うべきであろう。
例えばパワハラが表現の自由かと言われて納得する人間はどれだけいるか。これはほぼ0であろう。しかし、パワハラを行う側は「表現の自由」と思っているかも知れない。やっていることはそれと同じようなものである。

都合の良い時だけ「表現の自由」を振りかざすのは卑怯者のすることである。
本来、日本国憲法と言うものは太平洋戦争の反省から作られたものだ。これは「日本が次の戦争に走らないようにするために何が必要か」と言うものが盛り込まれたものである。
そのために存在する表現の自由と言うのは「権力からの自由」が第一前提にある。
先の朝日新聞による「諷刺川柳」が盛大なバッシングをされたと言うが、あれこそ正に「日本国憲法が意図している表現の自由」そのものだ。
「権力からの自由を保障して全体主義化を抑止する」と言うことが、日本国憲法における「表現の自由」の第一義的目的である。

町興しにラブライブやハイスクール・フリートなどのアニメキャラが使われること自体はとても良いことだ。
それが少しでも地域を潤し、観光や移住を促進するなら、やった方が良い取り組みである。
しかし、だからと言って「オタクが経済を潤しているんだ!!」と言わんばかりに尊大になって良いわけでは無い。
己らが尊大になって行った行為の結果、コラボが中止になるなどの事態に至るようなら「表現の自由を守れ」と言う前に、自らの品性を正すべきである。

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ジャーナリズム   2022/08/15   センチュリー・大橋

温泉むすめ:熱海初夏は完全に失敗となった事例である⓵

過激な主張や行動は嫌われる

過激な主張や行動は嫌われる。
こんなこともわからず、学習しない人達と言うものがいるものだ。
少なくとも日本に於いては、過激な主張の仕方や行動様をする人というのは、どんな主張・信条を持つかに関わらず、忌避される傾向がある。
それは政治についてもそうであるし、政治以外の分野に於いても同じである。

さて、日本は少子高齢化が進んでいる国であると同時に、東京一極集中が進んでいる国でもあり、東京一極集中が進むほど少子化も進むという負の相関性が出来ている。
そこから「観光を通して地方を盛り上げよう」と言うプロジェクトの一つが「温泉むすめ」である。

温泉むすめプロジェクトはよくスマートフォンゲーム、ステーションメモリーズ(別名:駅メモ)とのコラボレーションがよく行われており、この取り組み自体は観光を促していることから、良い取り組みであるとも言える(私自身が駅メモプレーヤーでもある)
最近では箱根にも温泉むすめが出来たようで、なかなか賑わいのあるコンテンツのようだ。

しかし、そんな温泉むすめにも、負の歴史が造られてしまった。
それはコラボ先の店舗に対する嫌がらせである。

唯一のコラボ店が撤退

熱海のあっつん:オタクから嫌がらせを受ける

熱海初夏というキャラクターは大きな失敗となった。
その理由は熱海初夏とコラボしていた居酒屋に対する嫌がらせである。
事の発端は仁藤夢乃が温泉むすめの設定を非難していたことに始まるようだ。
詳しい経緯はわかりかねるが、この温泉むすめ騒動を巡る運動の初期は、温泉地の旅館などから「温泉むすめを応援します」というような間接的なカウンターが成されており、温泉むすめが大事にされている地域もあることはわかる。

ここから居酒屋のトラブルに発展することになってしまったのは、当の仁藤夢乃をはじめとする活動家に対し、マナーの悪いオタクがカウンター目的で熱海初夏の画像を乱用したことにあるようだ。
これに対して「熱海で唯一のコラボ店であった」バルバルATAMIが注意をしたところ、オタクの猛烈な怒りが飛んできたようである。

この問題に関して言うと、バルバルATAMIとしては両者の言い争いに対し、どちらかの肩を持つつもりは全くなく、単に「キャラクターの使用が逸脱した目的で為されていることに対する注意」であった。
これに対し、オタク側は逆上、店側に対する嫌がらせ(営業妨害)を行い、それが今も続いているのだという。
当然、コラボレーションは継続不可能となり、熱海で唯一の温泉むすめコラボ店が失われたのである。

熱海初夏の存在自体が黒歴史になる

温泉むすめ:熱海初夏は大失敗のキャラクターとなったとは言うものの、これに対して温泉むすめプロジェクトの運営サイドに非があるわけではない。
有り体に言えば、キャラクターデザインが悪いわけでもないし、プロジェクト運営側としても地域を盛り上げたい思いでやっていることであるし、バルバルATAMIとしてもコラボすることで商売繁盛と地域活性化を期待していたなら、これらの関係者にとっていたたまれぬ出来事である。

しかし、一部のオタクによる過激な行動によってキャラクターの品位は貶められ、温泉むすめプロジェクトに傷をつけ、店の平穏を奪ったことを見れば、失敗と言わずしてなんと言えよう。

似たような事件が2021年には起きている。
リプトンが人気アニメ「ご注文はうさぎですか?」とコラボしたキャンペーンで、一部の過激なオタクが不適切な飲み方をし、それをTwitter上でばら撒いた事件があった。
これにより、森永乳業はお気持ちを表明。することとなった。

オタクが起こしたリプトンごちうさ事件による森永のお気持ち

一部の過激なオタクの行動により、善良なファンも多く傷付くことがあるのは作品が変わっても同じだ。
Twitter政治界隈全体に言えることであるが、どの界隈も「自分の身内しか見ていない」というダメなところがある。
そして、バルバルATAMIに対する嫌がらせをオタク自身が行って過熱したことにより、唯一のコラボ店が撤退するという、結果的にオタク自身の肩身を自ら狭めるようなことを行っている。

そして、オタク達は重大なことを一つ見過ごしている。
アニメが好きであることとオタクが好きになるか否かは別物だ。
まどマギを好きになるからと言って、まどマギが好きなオタクを好きになるわけでは無いということである。
しかし、どうにも一部のオタクはここを勘違いしているように見えてならない。

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  2022/08/14   センチュリー・大橋

東京は人が多すぎる-過密すぎるが故に問題も起こる⓶

もっと分散が必要だ

東京を出た方が豊に暮らせる

写真:精華町のフリー写真素材より

Twitterでは時折、東京の人口を400万人ほど水戸・高崎・宇都宮に移動させた方が良いと言っているが、23区だけで930万人も人口を抱えるだけでなく、企業も東京に集中しすぎているのだから、それは東京の電車は過密ダイヤで満員だ。
人が集まり過ぎればトラブルが起こるのは当然である。
田園都市線でキレる中高年、小田急線や京王線で暴れる無敵の輩、山手線に財布を落とす若者など、枚挙に暇がない。

南武線では喧嘩が頻繁に起こったし、小田急線も相模原~厚木が意外に治安が悪い。皆、都心に通ってストレスが溜まっているのだ。
東京23区だけで930万人と言ったが、首都圏全体の人口は3800万人である。
このうちの3割でも23区で勤務するようになれば、それは電車は押し蔵まんじゅうになるであろう。トラブルも起こるわけである。

横浜に企業が来ればマシにはなる

一体なぜ東京にそこまで人が集中しすぎるのか。確かに求人は東京に多いのだが、同時に横浜の求人は意外と少ないのだ。
横浜市は日本第二位の都市であるが、有効求人倍率は意外にも少ない。
参考までに令和2年の横浜市における有効求人倍率は0.95。同年の名古屋市は1.46であるから、いかに横浜に求人が少ないかがわかる。参考までに福岡市の有効求人倍率は同年の3月で1.36なので、横浜市はなんと福岡市よりも仕事が無いのだ。

実は同様のことが千葉市にも言える。
千葉市も人口が多い割に仕事がない。横浜市も千葉市も人口だけ多くて仕事が無い。これらの横浜市民、千葉市民は、東京に出稼ぎに行っているということだ。
当然ながら電車は激混みになる。更に多摩地域(約400万人)からも23区へ雪崩れ込むのだから、これで揉め事が起こらないのが不思議だ。

せめて東京から横浜にくらいは企業が移動して欲しいものである。
そう言えば2030年代にはブルーラインの新百合ヶ丘延伸が成される予定とのことだが、ブルーラインの新百合ヶ丘延伸を機に、横浜市にももっと企業が集まって欲しいものだ。そうすれば少しは東京の電車の揉め事も減るであろう。

人も会社も東京以外に目が向かず…

安倍政権の施策には地方創生があり、その中には東京圏への転入出は2020年に均衡させ、民間企業の地方への本社機能移転を促すことが政策として挙げられていた。
結果としては断念と言って良い。東京圏への人口流入は止まらず、企業の本社機能は9年連続で東京への流入超過となっており、安倍政権退陣に当たっても地方創生に関する話題は触れられなかった。
横浜市ですら有効求人倍率が少ないのだから、地方創生などどこ吹く風である。

企業は東京に集積しすぎただけでなく、人々も地方へは目が向かないため、東京への人の流入が止まらず、人が集まれば集まるほど更に人間間のトラブルが増えることにもなる。
東京に通勤している人間で、東京はどれだけ混んでるかということを肌感覚で実感してみたければ、平日に休みを取って京阪神の通勤ラッシュを体感してみれば良い。朝の京阪で大阪淀屋橋に向かい、或いは阪急で河原町から大阪梅田に向かうなど、天国に感じるであろう。
そして、IT関連の仕事に関して言えば、名古屋が最も手元に残る金が多くなる街になるかもしれない。
それくらいには名古屋は良い求人があり、かつ家賃も名古屋圏はかなり安くなるからだ。
しかし、まだまだ人々の意識は東京外には向かなそうである。
人々の関心が東京の外に向かわない限り、いつまでも東京では揉め事が絶えず、今日もどこかで電車は遅延するのだろう。

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ジャーナリズム   2022/07/13   センチュリー・大橋

東京は人が多すぎる-過密すぎるが故に問題も起こる⓵

内灘町役場田園都市線で喧嘩も起こる

写真:内灘町のフリー写真素材より

元コールセンター勤務の福岡男性が何故か上京し、京王線で通り魔を起こすと言う事件がかつて発生したが、かの炎上した「底辺職業ランキング」も笑えぬものである。
挙げられていた底辺職業は比較的低賃金であり、コールセンターで勤務していた身から見ても、あまり質の良くない従事者が集まりやすいことも確かである。京王線と小田急線でそれぞれ通り魔事件が発生しているが、やはりテロを起こすのであれば首都であるということになるだろう。23区外を首都と呼んで良いかは疑問の残るところであるのだが。

一方、南武線は日本でも屈指の治安が悪い路線であった。
ギャンブル路線であり、工業街を走る路線にして、武蔵溝ノ口と武蔵小杉が東急線との接続駅でもある。武蔵小杉にタワマンが建ってからは、その混雑ぶりにも拍車をかけており、夏場の環境は劣悪である。
武蔵溝ノ口から武蔵小杉が最も混雑する区間であるが、武蔵溝ノ口と武蔵小杉ではそれぞれ等級田園都市線、東横線に乗り換え、東京へ向かう客が多く下車するため、向河原〜川崎間は少しはマシな乗車率になってくる。
逆を言うと、田園都市線、東横線は南武線からの客も受け入れる分、溝ノ口、小杉〜渋谷間は地獄のようなラッシュになるということだ。
そんな折、田園都市線でも喧嘩が起こり、窓ガラスを破られる事件が起こっている。
時間としてはオフピーク時間であるが、50代男性(キレる中高年)による犯行であるのだという。
その治安はまるで南武線のようなクオリティである。

4万円「如き」で山手線を止めさせぬ余裕の無さ

山手線では乗客が4万円の入った財布を線路に落としてしまう事案が発生した。
通常であれば、駅員に声をかけてマジックハンドで取ってもらうのが通常のプロセスである。
通常の運行に支障を来たすことは無いようにするため、これは列車の来ないタイミングで拾ってもらうことになる。
では山手線の列車が来なくなるタイミングはいつなのか。

山手線は過密ダイヤだ。通常は3~5分間隔で運行しており、一部のラッシュ時間帯では前の列車が行った2分後には次の列車が来てしまう区間もある。それだけ「余裕がない路線」なのだ。
件の動画は駅員が激昂しているシーンしか映っていないため、そこに至る経緯がわからないのだが、4万円を落とした場合に最悪の事態は、パニックになった本人が線路へ飛び下り、人身事故に繋がることが最悪である。

理論上、山手線を5分止めることで、損害賠償請求は約350万円ほどになるそうだ。
これは外野目線で見れば「4万円ごときのために」と言えるが、実際に落としたら恐らく大半は冷静ではいられないだろう。
もちろん過密ダイヤになるのは山手線に限ったことではない。関西の主要路線とて本数は多いが、山手線並みの本数と乗客を持つのは御堂筋線くらいなものである。
京阪に至っては特急の止まらない駅になると財布を拾うのは大変だが、例えば丹波橋や樟葉などは準急と特急の連絡駅になっており、そうした片側2番線駅になれば、10分間隔での運行になるため、首都圏の鉄道路線に比べてば、まぁ余裕はあるとも言える。

やはりテロも起こりやすい

小田急と京王では通り魔事件が起きているが、京王の事件など、わざわざ福岡から上京して犯行に及んでいる。事件が起きた場所こそ調布市であるのだが、京王線もまた新宿と八王子・相模原を繋ぐ路線として大変混雑する路線だ。京王本線だけでも八王子・高幡不動・聖蹟桜ヶ丘・府中を繋ぐが、一方で相模原線もまた、多摩ニュータウンから都心に向かっていく客を多く乗せ、調布~新宿間の朝の上りの急行はスマホにも触れぬほどギュウギュウ詰めになる。帰りのラッシュも良き程では無いが、ギュウギュウ詰めになるため、逃げ場はない。
加えて海外でもテロが起こるのは決まって首都である。首都故の宣伝性があるが故か、或いは犯罪における生産性の高さがあるが故か、どうにも東京でこうした問題が起きやすくはある。それでなくとも、キレる乗客で電車が止まることは、やはりある。

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ジャーナリズム   2022/06/14   センチュリー・大橋

老後生活のデザインは難しく…ただただ不安を駆り立てられる⓶

薄利ビジネス介護事業

安定の老後を求めて3000万円をはたいたにも関わらず、運営法人が資金繰りに困って倒産寸前状態になる。
これは誰しもに起こり得ることであり、注意を払わねばならないのだが、一方で防ぎようがあるのかということに関し、これを書いている本人自身、疑問が尽きることはない。
今は単身世帯も増えているから、老老介護どころか介護してくれる身内がいないというのがデフォルトになってくる。家族がいる人(いわゆる既婚者)と比べると、通所介護などを使うことはずっと厳しくなるであろう。必然的に入居施設を使った介護が視野に入ってくる。
それだけに施設入所が視野に入るのだが、その施設にしても働き手が不足することは間違いない
何より介護は利益率が低い。介護保険制度による上限も決められており(皮肉であるが介護保険は新自由主義政権と名高い小泉政権時代に作られている)、人件費が大きなウェイトを占めていることからも利益率が必然的に低くなる。
今後の介護保険制度はIT化も視野に入れたものに変わっていくであろうが、そもそもIT投資出来る事業者は多くない。

大手による寡占化も進まず

2019年度に於ける全介護事業者の平均的な利益率は2.4%であったそうだ。なお、業界のトップから順にみていくと、2020-2021年でベネッセが21位(0.7%)で、それ以下は軒並み赤字である。
実際には日本の介護事業者は大半が中小企業であり、零細企業が星の数ほどあるのが介護業界の世界なのだ。星の数ほどの介護事業者がそれぞれに間接部門を持ち、少ない利益率で運営している。構造的に介護事業者は単年度の赤字を出すだけでもかなり厳しい経営を迫られることになる。これが二年も三年も続くとどうなるか、想像に難くはない。

この状況を改善するには大手による寡占化を促した方が、結果的に利用者の安全も守られることになろう。
介護事業者は横浜市だけで1470事業者もある。中にはライオンズマンションの一室を登記している事業者もあり、零細企業同士で潰し合っているのが現状である。
弱い事業者同士で潰し合っているのだから、当然、利用者の置かれる環境もまた不安定である。
せめて事業統合が進めば良いのだが、それも進む様相は無い。買収する側としても買収するメリットが無いとやらないわけであって、そもそも大半の介護事業者は大手にとって買収する価値があるかと言うと、それは無さそうである。

大事なのは3000万円の貯金より収入源を断たないこと

3000万円でリゾート地に移り住んだ夫婦も、2年半で財産を多く失うとは考えなかったであろう。詐欺とまでは言わないまでも、ビジネスモデルとして破綻していたサービスにお金を払い、頭金を取り戻すのさえ混迷を極め、骨の髄まで毟り取られる人もいるというのだから末恐ろしいものである。
この3000万円は麻生太郎が発言した老後に必要な貯蓄とほぼ一致する。

老後3000万円問題

元は老後2000万円発言で炎上したのだが、実際には2000万円ではまず足りまい。物価が上がる(或いは円の価値が下がる)ことがあるからだ。
その上で出た再試算は3000万円かも知れないということになった。
実際、働かずに悠々自適な生活をしたいとなると、桁が一つ増えるであろう。最低限1億円は貯めないと厳しい。

恐らく3000万円を毟られた老夫婦も「倅(娘)に迷惑を掛けたくない」という想いもあったのだろう。
そのためには3000万円で残りの人生の問題を解決できるならしたくなるのが、人間の情というものである。
だが、現実は厳しい。
安寧を求めて払ったはずの3000万。半額取り戻すのすらままならぬどん底に追い込まれるのだから、老後デザインというのが難しいのである。

一つだけ、ただ一つだけ明らかなのは、老後も安定をした生活をするためには。収入源を確保することが重要だ。
その意味では65歳を過ぎても、何かしらの仕事に就き続ける必要はあるだろう。
かつての世代は60歳で定年を迎え、多くの退職金と安定した年金収入を得ることが、一種の会社員のモチベーションとなっていた。
それが崩壊している今、老後の生活はしっかりとデザインしなければならなくなったのだが、悠々自適を求めることは難しそうである。

介護事業者の数を半分に減らせー話はそこからだ

イーロン・マスクは昭和の日本人だったのか

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  2022/05/08   センチュリー・大橋
タグ:高齢化

老後生活のデザインは難しく…ただただ不安を駆り立てられる⓵

運営法人の倒産

貯金3000万円で「海辺のリゾート」に引っ越しすべてを失った夫婦の悲劇

写真:内灘町のフリー写真素材より

だいぶ前の記事ではあるが、現代ビジネスより<貯金3000万円で「海辺のリゾート」に引っ越しすべてを失った夫婦の悲劇>という記事が書かれていたのだが、老後のデザインの難しさを改めて痛感させられるものとなっている。
人はいつまでも元気ではいられない。老老介護による痛ましい事件も起こる中、お金にゆとりがあれば、安心できる施設に入居して、残りの人生を平穏に終えたいのが情と言うものだ。
現代ビジネスの掲載した上記の記事は、正に3000万円の貯金をはたいてリゾート施設に入居し、運営法人が資金繰りに困った末、生活を追われる悲惨な老後の姿である。
しかし、コレを他人事と考えてはならず、いずれ自分にも降ってくる道と考えねばならない。

介護事業者にも暴力団が関与している

まだ関東にいたころであるが、筆者は八王子のフロント企業に居たことがある。フロント企業とは企業舎弟とも言い、いわゆる暴力団がシノギを削るために表向き合法なビジネスをやっている会社を作る。特に人材派遣の世界は暴力団が最も得意とするビジネスであり、派遣会社(SES含む)の中には一定数の暴力団がいると見て良いだろう。
フロント企業は残念ながら表だけを見ていると、それが暴力団の会社だとは簡単には気付けない。言ってしまうとサービスの利用者側は「自分の払った金が反社会勢力に行く」ということが分からないのである。実際、その会社でお試しで働いてみて、上司の言動がだんだん高圧的になって佐川勤務時代と違う妙な違和感を感じたため、逃げ出そうとしたときに本性が出たものである。

そんな私のいたフロント企業がやっていたのはヘルパー派遣。
そう、介護の世界でも暴力団が関わっているということになる。
先の3000万円が犠牲になった施設も暴力団の関わりがあったかどうかなどは知らないが、介護サービスにまで暴力団が浸透しているということが、ある種の老後デザインを悲惨なものにする。

キュウべぇのような大人はたくさんいる /人◕ ‿‿ ◕人\

こういう悪質な事業者を見ると、ふとキュウべぇの顔が浮かんでしまうものである。
不動産契約や大きな買い物をするときは、まどか☆マギカを是非視聴して欲しいものである。
誰しもが美樹さやかになり得る
「僕と契約して理容師になってよ」
まどか☆マギカのマスコット、キュウべぇはQBの略称でファンから呼ばれることがあるが、QBハウスがまさかキュウべぇハウスだったなど、一体だれが想像したであろうか。
QBハウスの理容師はQBハウスとの雇用契約が結ばれておらず、社会保険に入れず、有給も付与されないという脱法労働契約が行われていたのである。介護の世界でも同様の危険性が待っているというのが、現代ビジネスの記事の示すところであった。

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  2022/05/08   センチュリー・大橋
タグ:高齢化

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ジャーナリズム   2021/08/08   センチュリー・大橋
タグ:民主主義

N700Sに拘り続けた大失敗:台湾の失注は起きるべくして起きた🚄

700系ひかりレールスター

1編成186億円。現地メディアでそう報道されたのは、台湾向けに売り込んでいたN700Sの値段である。
台湾高鉄の関係者によれば入札価格は8編成で233億台湾ドルであったとのことだが、いずれにしても日本国内を走るN700Sよりも遥かに高い値段で売ろうとした。
台湾の足元を見るような日本側に台湾高鉄は不信感を募らせたようだ。
Youtube動画では「インドネシアに続いて台湾にも逆上された」などという動画が配信されていたが、果たして根本的な問題を考えずに「台湾に逆上された」などと言うのはいかがなものか。
N700は日本国内だけを見れば自信作かもしれないが、国際舞台で展開しようとするなら、寧ろ失敗作なのではないか。
そもそも新幹線を世界に羽ばたかせるのにおいて、JR東海に関わらせて良いものなのかすら疑問が残る。
新幹線が世界に羽ばたくのにおいて、最も障害となっているもの、それはN700とJR東海自身なのではなかろうか。

フル規格新幹線に固執しすぎる愚

日本国内ですら現在、長崎新幹線を巡って佐賀県と国が揉めている最中である。
国としては何としてもフル規格新幹線を通したい。一方、佐賀県側は新幹線を通すことそのものを拒んでいる。整備新幹線法に基いたフル規格新幹線の開通がなされた場合、並行在来線が第三セクター化されるためだ。
第三セクター化されることにより、運賃が上がり、地元住民の利便性が損なわれるためだ。
元々、佐賀県と国の合意は「スーパー特急方式」というものでの合意だ。
日本の鉄道のレール幅は2種類あり、在来線は狭軌という狭いレール幅で、新幹線は標準軌というレール幅が設定されている。
山形新幹線や秋田新幹線は「ミニ新幹線」と言われていて、これは新幹線車輛が新幹線専用線から在来線に降りて走行するのだが、これに合わせて奥羽本線を走る在来線車輛は車輛の台車を標準機のものへ交換する、三線軌条にして在来線車輛と新幹線車輛の両方を走れるようにするなどと言ったことで対応した。
ただ、スーパー特急方式はこうしたものではなく、どちらかと言えばかつて北越急行で走っていた特急はくたか号の方がスーパー特急のイメージに近い。
既存のレールを生かす、改良するなどして高速化を図っていくものだ。繰り返すと、佐賀県が当初承諾していた方式はスーパー特急方式であって、新幹線方式ではない。
なお、ドイツでもフル規格新幹線に相当する高速新線の建設は進んでいるが、並行在来線は引き続き国鉄が管理し、一定のサービスは維持される。佐賀県が了承した当初の合意では、並行在来線問題そのものが無いも同然な状態で合意しているのだが、せめてフル規格新幹線を通すなら並行在来線の利便性も考えなければならないのだが。どうにも「フル規格新幹線を通すことだけ」しか国は考えていないように思われる。

東京ー名古屋で15年間に200億円稼げるか

さて、台湾新幹線の話に戻そう。
台湾新幹線は現地報道ではN700Sベースを1編成186臆円で売りつけられたということになっている。
実際には1編成で100億円が正しい数字であったとしても、国内向けのN700Sと比べて高すぎることに変わりはない。
だが、根本的な問題として「台湾でN700Sベースの車輛が必要なのか」という問題にぶち当たる。
そもそも台北ー高雄間の距離は約355Kmしかない。日本で言えば、東京ー名古屋間の距離で、ほぼ国土の端から端まで行けてしまうという環境にある。台湾からすれば「現行の700Tで充分」なのだ。
だから台湾側の要望としては「700Tがまだ走れるんだから700Tの部品頂戴よ」ということになる。新車購入なんて初めからしたくなかったのだ。
ところが日本側の言い訳として「700系(700Tのベース車両)のパーツもう無くなっちゃったんだよね。だから新車買ってね。」ということである。
その日本では山陽新幹線で700系ひかりレールスターが走っているので、傍から見れば整備する技術自体は残っているはずである。それなのに「新車買えとはどういうことだ!」と言いたくもなるだろう。
その新車、現地で『1編成186億円』などと報道されれば「台湾に新幹線なんか要らない!」という世論だって起きようもの。
現在の新幹線は車両の寿命が15年程度しかない。1編成200億円を東京ー名古屋間の走行で15年かけて取り戻すことができるだろうか?
厳しいということは想像できるのではないだろうか。
繰り返すと、台湾にN700Sが必要であったのか。ここからして既に色々と間違いがあったのではないか。
東京ー名古屋程度の距離を往復するのにN700Sを押し売る必要性が感じられない。台湾の鉄道網は網目状ではないようなので、E3系やE6系のような在来線に車輛がベストでは無さそうであるが、製造費用を考えればE7/W7系ベースで良かったのではないか(製造費用は120両で328億円)?
E7系とN700Sでは1両辺りの価格が1億円近く差がある上、E7系ならパーツを供給できるのだから、保守性にも問題はない。北陸新幹線を延伸するならE7/W7系の製造は当面続くであろうから、台湾にもそれなりの価格で提示できたであろう。尤も、中国への新幹線輸出を巡って、川崎重工はJR東海の葛西敬之の逆鱗に触れたこともあり、葛西の意向としては川崎重工は入れたくなかったのかもしれない。
ともあれ、台湾新幹線の失注は起きるべくして起きたものであり、日本の新幹線史に影を落とす事態とも言えるだろう。

新幹線が通る長崎市:新たな住民を呼べるのか

鉄オタが認識できない事実:100億円の新幹線車輛などアジアは求めていない

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ジャーナリズム   2021/02/06   センチュリー・大橋

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ジャーナリズム   2020/08/01   センチュリー・大橋
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