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若者に告ぐ!「うっせぇわ!」嘆く暇があるなら一流の集まる街へ行け

「うっせぇうっせぇうっせぇわ!」
ラーメンを食している最中に流れてきた「うっせぇわ!」は、なんでも若者の支持を集めた曲として話題になったことがある
筆者はあまりボーカル付きの楽曲を聴くことは無いため、飲食店やスーパーに立ち寄った時でも無ければ聞くことのないものであったが、聴いていてつい気になる点があった。
退店後に歌詞を見て見ると、この曲に共感できたという若者には次のような特徴が垣間見れる。

❶小さい頃から人前では良い子ちゃんであったこと
❷社会のルール(暗黙の了解)には従順であること
❸一方で自分は出来の良い優秀な人間と思っていること
❹その上で社会への不平不満が大きい事

こんな感じであろうか。
とりわけ、どうしても気になったフレーズが「頭の出来が違うので問題はナシ。つっても私模範人間」というものだ。
「うっせぇわ!」に共感する人は、恐らく上司に不満を抱えているであろう。その上で、自分は仕事の出来る人間であると思っている。しかし、ならなぜ「三流上司」とやらの元に甘んじているのか。ここがどうにも腑に落ちない。

確かに日本企業はだらしないが

恐らくこの歌に共感した人は多くが日本企業に勤める若者で、上司や経営者は保守的で会社の文化は古臭いのだろう。
日本企業の経営者や上司の多くが無能なのは確かであり、だからこそIT革命から20年経ってもデジタルの普及は大きく遅れた。
20年前に掲げられた「e-Japan戦略」では「このままやと日本はIT後進国になるで!」と予言していたのだが、正に今、その予言通りとなってしまっている。
未だ20年前の価値観にすら追い付いていない中高年の多い日本企業で、マイノリティである若者はさぞ苦労していることだろう。
安倍政権ではアベノミクスなどと称して雇用の改善が謳われていたが、何のことは無い、高齢化で引退していくオールド世代の後にヤング世代が入れ替わっただけのことだ。アベノミクスなど関係なく、コロナが終われば再び人手不足時代に到来する。
何せ大企業の子会社でも、若者の繋ぎ止められない現状に冷や汗をかいているものだ。今の中高年はまだ昭和から脱却できておらず、そうした意味で能力のない人間が役職に就いてしまっていることは確かだ。
しかし、そうした不満を抱えつつも、不満を伝えないこともまた罪ではないか。
まして「頭の出来が違う」というなら、なぜ現状の不満な環境に甘んじているのか。

「私は頭の出来が違う!」というなら一流の集う環境へ行け

「うっせぇわ!」の歌詞中にある「頭の出来が違うので問題はナシ」というのは、本当に「私は頭の出来が違う」と思っているのであれば、色褪せた上司にとって、若さくて有能な貴方は手に余る存在だ。転職をオススメする。
しかし、ただ転職しても面白くはなかろう。一流の集う場所へ飛び立つべきである
わかっての通り日本企業のサラリーマンは一流にはなれない。だが、それがわかっていて何故不平不満を抱えたまま現状に甘んじるのか。
頭の出来が違う優秀な人間は、一流の集う環境へ飛ぶべきだ。具体的にはシリコンバレーや深圳のようなイノベーションセンター、世界の金融の中心地たるウォール街など、一流の集う環境で、一流と同じ目線で仕事をするべきではないか。
アメリカの大リーグが凄い存在である理由は、世界中から一流の選手が集まるからだ。
イタリアのセリエAは世界中から一流のサッカー選手が集まるのだから、優秀な選手は日本から飛んでいく。
もし本当に「私は頭の出来が違う」と思っているのであれば一流の集う環境に転職した方が人生は充実すると思われるのだが、して如何か?

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職業選択   2021/07/05   センチュリー・大橋

雇用は原則正規雇用にせよ!⇨非正規化は業務の属人化を促進する!

オペレーションというのはできるだけ属人化要素を排除し、標準化をしていくのが望ましい。いや、寧ろ標準化をしていかなければならないのだが、こと日本の企業は業務の個人商店化が進みやすいのが痛いところである。
業務が個人商店化することによって起こることは、残業時間の肥大化、有給取得率の低減、疾病や退職、異動時の業務継続の危機など、百害あって一利もない。
本来なら属人化されている業務はリストアップし、早急にでも改革をすべき問題なのだが、実際のところは改革なんて少しも進まない。否、ある問題を直視せずして、業務の標準化を進めるのは不可能なのではないか。そんな要素が1つある。それは、非正規労働者によるジョブセキュリティの確保にあった。

大阪環状線

属人化こそ解雇に対抗する切り札

非正規雇用の拡大は社会問題的に捉えれば、貧困化や非婚化(それに伴う少子高齢化)などの問題があるが、それとは別にして、企業の事業継続の観点から見てもあるリスクを内包していることを見逃していた。それが業務の属人化だ。
一般的に非正規雇用者は正規雇用者と比べ、解雇されるリスクが格段に高い。賃金も正規雇用者に比べて低いことから、フルタイマーの場合は残業も常態化しやすいとも言える。そもそも「残業しないと生活できない」と言う従業者も少なくなく、生活のためには有給を取るより出勤して残業した方がマシという者も少なくないのだ。
さて、正規雇用者に比べて解雇リスクの高い非正規雇用者だが、解雇を免れる策が無いわけでは無い。それが独占業務を持つことである。
独占業務を持つことによって「この人いなければ業務が回らない」という状態を作り出すことができ、企業としても該当人物を解雇するのはリスクが伴う。例えば前回指摘したExcelマクロのリスクもそうだ。Excelマクロはプログラミングの素養が必要であるため、職業的にプログラミングを必要としない場合、スキルを継承できない恐れがある。何せ書いた本人しかメンテナンスもできないため、本人が退職や異動をした場合、業務が継続不可能になるのは時間の問題だ。
非正規雇用者にとって、解雇に対抗するためのジョブセキュリティの確保は必須のものとなる。もちろん非正規雇用者を適正にマネジメントできていれば良いのだが、残念ながら課長職以上の人間は殆ど非正規雇用者に対するマネジメントは出来ていないだろう。主任や係長クラスは目先の業務に追われていて、これまた契約社員やパート社員に目が行き届いているかは疑問が残る。そうこうしている内に特定の顧客やシステムに関わる業務が独占され、属人化していることがある。

従業者は原則正規雇用としてジョブセキュリティを破壊せよ

従業員のジョブセキュリティ確保(保身)に対する対抗策は何か無いものか。強いて言えば、会社が雇う従業者は原則的に正規雇用とすることだ。
本来なら賃金も上げることが望ましいが、今や日本の雇用形態は単なるカースト制度と化しているものであって、平の正社員と契約社員は殆ど同じ業務をやっていることも少なくない。
尤も、本来なら有期雇用者というのは無期雇用者に比べれて賃金が高く無ければ、割に合うものではあるまい。
ならば無期雇用だが基本給は安いか、有期雇用だが基本給は高いかを選択させた上で業務に就かせる方が、まだマシではないか。少なくともジョブセキュリティの確保を防がせるには、原則として従業者は正規雇用とし、如何に業務を標準化させることに貢献したかを人事評価に加えれば良いのではなかろうか。
非正規雇用者にとって、独占業務を持つことは保身の基本である。その結果、負のマクロ遺産などを残され、最悪の事態が起こって業務がストップしてしまうなんてなるよりはマシでは無いか。
原則雇用は正規雇用とし、どれだけ残業時間を少なくし、業務を標準化できたかを人事(昇給)評価に加えることは、結果的に企業のリスクも減ると思われるが、如何か。

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就労形態   2021/06/03   センチュリー・大橋
Tag:属人化

DXをマトモに成功させたくばシリコンバレーへ行け:日本人だけでは無理!

デジタルトランスフォーメーションという言葉は日常的に聞かれる言葉になったが、本当にトランスフォーメーションするために覚悟を決めた日本企業がどれだけあるかは疑問である。
デジタルトランスフォーメーションは言わば経営改革にして、データを活用してどう新しいものを生み出していくかということを実行していかなければならないのだが、未だ日本企業はICTでの業務効率化の話が聞こえる有様だ。
ICTでの業務効率化など既に終わった議論、過ぎたブームなのだが、結局のところDXは言葉だけが独り歩きしているだけでしかない。
企業に置かれているCIOは単に情報セキュリティ管理者という位置付けでしかないハリボテの最高情報責任者。実際に権限というのは殆どなく、単にIT部門と現場部門の調整役として位置しているのだから、攻めのITなんてできるはずもない。
結果としてデジタルトランスフォーメーションは単なる言葉遊びに終わり、日本は何も進展しなかった。そんな事態は避けたいものである。

日本人だけでDXやるのは無理!

本当にデジタルトランスフォーメーションをやりたいなら、日本人だけで固まってても無理なのではないか。
思うに、ブラック企業の問題すらロクに解決していない状態の中で、デジタルイノベーションなどという領域に踏み込めるのかが怪しい。
例えば電通はこれまで報道されているだけでも、3名の社員の人生を奪っている。しかし、高橋まつり氏の事件を以てしても、2018年には更に36協定を超える残業時間をさせていたのだから恐れ入る。要は「どんだけ社員が倒れたところで罰sura金は50万円で良い」というわけで、反省するどころか味をしめたのではないかとすら見える。
パナソニック産機システムの内定者に対するSNSを使ったパワハラにしてもそうだが、日本人同士で固まると、いとも簡単に体育会系の悪しき価値観に引きずり込まれてしまう。これではブラック企業が無くなる由もない。
日本人の手でブラック企業を無くせていないように、デジタルトランスフォーメーションもまた、日本人だけで行うのは不可能なのだ。何しろ悪しき風習すら無くせないのだから、イノベーションなど起こせるはずもない。ならば解決手段は、海外の人材を活用する他あるまい。

シリコンバレーへ行ってDX人材をヘッドハンティングせよ!

デジタルにおける経営や事業の変革を行おうにも、果たして日本の中に先進事例はどれだけあるというのか。ゼロではないにしても、もとよりITについて世界から遅れを取った日本の場合、先進事例なるものは殆ど無い。デジタルディスラプターというのはアメリカや中国に多く存在しており、日本国内だけを見ても果たして本当にDX人材が見つかるのかが疑問である。
もし本気でデジタルトランスフォーメーションをしたいといなら、日本国内で呑気に人材の応募を待つより、自らシリコンバレーへ飛んで世界のトップ・プレイヤーを高待遇でスカウトするべきではなかろうか。
トッププレイヤーをスカウトし、強い権限を与えて情報戦略を一任するべきだ。日本企業が成長する上で最も障害となるものは社内における日本人同士の慣れ合い、不毛な社内政治、変化を拒む保守的な体質である。そもそも求人媒体に載せて募集する「DX人材」とは一体なんなのやら。どんなビジョンがあって、どんな改革もしたいかわからずにDX人材は欲しいなどと言ってたら失笑ものだ。本気でデジタルトランスフォーメーションを薦めたいなら掴みたい未来のビジョンを打ち出し、自らトップ・プレイヤーをスカウトに行くべきではないか。
トランスフォーメーションに慣れ合いは不要だ。なら日本人同士で固まるより、海外から優秀なプレイヤーを招き入れた方が、結果的に日本人の危機感も刺激出来ると思えるが、如何か。

ITビジネス関連

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事業戦略   2021/05/31   センチュリー・大橋

企業は外国人正社員比率を最低1割は達成せよ:日本人だけで固まっても会社は変われぬ

読売新聞の古い記事だが、パナソニックの子会社において、人事担当者のパワハラにより、内定者が自ら命を絶ってしまったことが報道されていた。
少子高齢化が進む日本では若者の命はこれまでにない貴重な存在であるのだが、果たして何故こうも日本の企業はこうもブラックな文化を変えられぬのか。
テレワークが浸透しないこともそうであるが、いかんせん日本企業では昭和のオヤジが強すぎており、いつまで経っても日本は昭和に付き合わされるという地獄に陥っている。
未だ賃金は横這いであり、1人当たりの所得は韓国に抜かれてしまったのだ。尤も、韓国は日本より失業率も高く、残業も多い国であるから、それなりにあちらもブラック企業は多いと見るべきだろう。
しかし、それにしても日本の企業はどれだけ報道で長時間残業やパワハラ体質をバッシングされても、全く学習している様子が見られない。
なぜこうも学習しないのか。いや、もしかしたら学習の必要が無かったのかもしれない。

日経225の正社員になるのはゴール地点

なぜこうも日本企業はブラックな文化を維持できるのか。それも中小企業ではなく、仮にも東証一部で上場している企業の子会社でだ。
これは今の日本人のキャリア観が大きく関係しているかもしれない。
日本人は会社に不満はあるが辞めたがらない
リクルートワークス研究所が行った5ヵ国リレーション調査の結果は悲惨なものだった。
このグラフを端的に言うならこうだ。
「日本人は仕事に不満が多いし職務に満足をしてないが会社は辞めたくない」
つまり「会社にぶら下がり続けること」が目的下し、正社員になることは通過点ではなくゴール地点なのだ。
まだまだ転職しながらのキャリアアップが一般的ではないのか、新卒カードが偉大過ぎるのか、日本人にとって日経225への就職はスタート地点ではなく、ゴール地点になってしまう。かつ日経225の主要企業は新卒入社が最大にして最後のチャンスとも言える状況になることから、ここをしくじったら後が無いという気持ちになるのかもしれない。
本来なら就活というのは企業と就活生は対等の立場であることが理想だ。お互いに雇用関係が無い間は上下関係も当然あるはずもなく、企業側が「ウチの会社のやり方が気に入らないなら辞退してくれ」と言えば「ああ、じゃあ辞退してやるよ」と言えるのが健全だ。だが、パナソニック産機システムズの件は、そうはならなかったのだ。

外国人材がいつかないような企業はお先が暗い

これから少子高齢化を加速させていく日本は嫌でも外国人材に頼らねばならないのだが、少なくとも外国人材を定着させるには昭和のオヤジ的な価値観は通用しない。そもそも日本人とはキャリア観が異なるのであるから、日本人に対して行えるパワハラなんてやろうものなら「わかりましたサヨウナラ」とお別れされるだけである。
ある意味、外国人に優しくない職場というのは、本来日本人にも優しくないと言って良い。
日本人は正社員がゴール地点になっているが、外国人は正社員=ゴールというわけではないので、定着させるためには働きやすい環境、適正に人材を評価する制度、キャリアを形成できる仕組みが必要になる。
具体的には収入をアップできるかどうか、であろう。日本人みたいに「お客様の笑顔を自分の喜びに」などと言った胡散臭い言い分は通用しない。スキルが身に付き、確かな収入のアップに繋がる組織と思えなければ、より良い条件を見つけて転職されるだけである。
日本人だけで固まる場合、そもそも日本人のゴール地点が正社員になることであることから、別段企業改革などせずとも社員は辞めることは無かった。正社員という地位を維持するためには、昭和のオヤジ的な価値観に染まっていくことが、組織にぶら下がるための最善だからだ。だが、これでは生産性はいくら経っても上がるまい。
ただでさえデジタルトランスフォーメーションも求められる今の時代、昭和のオヤジから脱却できなければ日本の衰退は加速するだけである。昭和のオヤジからの脱却には脱却せざるを得ない物理的環境を整えるのが一番だ。どの道、デジタル戦略を組んでいくなら、海外の先進事例などは学ばねばならなくなる。ITに関する一次ソースは多くが英語なのだから、必然的に外国人材の登用は必要になるだろう。
労働改革もデジタルトランスフォーメーションも日本人だけで革新を起こすことはできぬ。外国人材を最低1割は登用し、昭和のオヤジ的な要素を破壊していかなければ、今後も日本企業は変われることなくブラックな労働を続けていくだろう。

ITビジネス関連

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就労形態   2021/05/30   センチュリー・大橋

IEサポート終了:2021年はSIerの求人に応募することは無かれ

Microsoftから遂にIEのサポート終了が発表された。Windows10に搭載されたIEは2022年の6月でサポートが終了される。Windows8.1は2023年の1月までがOSの延長サポートの期限であることから、8.1のIEはそれまでサポートが継続されるが、もとより企業でWindows8.1を使うユーザーは殆どいないだろう。

システムがIEにしか対応していない

殆どの企業はWindows10を使う今、IEのサポート終了に伴い、困惑の声が出始めている。
IEにしか対応していないWEBアプリケーションを使用しているためだ。IEがサポート終了することに伴い、必然的にchromeやedgeに対応したシステムを構築しなければならない。グループウェア、公開サイト、酷い時には基幹系システムまでIE用に作っているなどという話も聞こえてくる。
大きな組織ほどIEでしか動かないようなレガシーシステムを使っていることは多く、今後IEを起動しただけでedgeに切り替えられるようになると、それだけで業務がストップする危険性がある。
しかし、2019年からMicrosoftとしてはIEを使わないことを推奨していた。即ち、サポート終了されることは想定の範囲でしかない。今もIEでしか動かないレガシーシステムを使っていた組織は、単に大事なことを先延ばしにしてきたということである。

システム更新が必要になるもエンジニアは確保できず

2021年はIEで動くシステムの切り替えが必要になる。まだまだIEを使用している企業は多いことから、大混乱の一年になるだろう。SIerは大量のエンジニアを必要とするはずだ。
しかし、当たり前だがこの間に出されるエンジニア求人への応募は危険だ。この一年は日本各地で炎上プロジェクトが続出するだろう。それは山火事のように鎮火し難い炎上になるはずだ。
IT業界への転職を考える人は、間違ってもこの一年で就業地が「お客様先」となっている求人は応募してはならない。確実に長時間残業が目に見え、客先や元請けSIerから冷や飯を食わされるのが関の山である。

今後の道はクラウド活用に活路を見出すしかない

それにしてもIEを使わないことをMicrosoftは推奨してきたにも関わらず、何故こうも困惑の声が聞こえるのか。IEサポート終了は充分に想定内の出来事であり、遅くとも2020年中にはIEで動くシステムの更新は決断しなければならなかった。今もIEでしか動かないシステムを使い続けていること自体、怠惰としか言いようがない。
日本の場合、システムに合わせて仕事が変わるのではなく、仕事に合わせてシステムが作られてきたことに大きな問題がある。
大企業にはカスタマイズされすぎたモンスターシステムが君臨しているが、本当に担当者レベルの人間の拘りでカスタマイズされていて保守性の悪いシステムは、まだまだ大きな組織ほど生き残っているのだ。
せめてSaasで出来る業務はSaasへ移管していくべきであろう。そうすればIEサポート終了するからと言って、特に焦る要素は無かったはずである。
IEのサポートが終了まで一年となった今、企業は真剣にクラウド活用を考えねばならない段階に入ったと言えるだろう。

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就労形態   2021/05/23   センチュリー・大橋

ジオンの兵器は実に日本的:標準化を進めた連邦に負けるのは必然

ガンダムの世界において、未だ人気があるのは一年戦争の世界線ではなかろうか。
1978年に誕生した初代ガンダムは、2001年から2011年にかけてはガンダムORIGINが展開された。
シャア・アズナブルはガンダム界きっての英雄であり、彼のモビルスーツはその殆どが専用機でもある。
しかし、ジオンのモビルスーツというものをIT的な視点で見て見ると、ジオンが連邦に勝てなかったのはある意味で必然であったのかもしれない。

IT的に見てシャア専用ザクを作るのは良いことなのかどうか

専用機の多いジオンのモビルスーツ

ジオンのモビルスーツを見て見ると、全体的に専用機や特化型、ニュータイプ依存のものが多い。
ご存じシャアはザクからズゴック、サザビーに至るまで、乗ったモビルスーツの殆どが専用機だ。更にギレンの野望ではザクⅡでもガルマ、ドズル、シン・マツナガ等が専用機を作れる。ギャンはマクベ専用があるし、ゲルググだってシーマ・ガラハウ専用があるなど、実にジオンのモビルスーツはカスタマイズされた機体が多い。
それだけではなく、パイロットに強い負荷が掛かるEXAMシステムを搭載したイフリート、ニュータイプにしか使えないサイコミュ・システムを搭載した兵器など、特定のパイロットしか乗れない機体は非常に多い。また、用途が特化された兵器も豊富だ。グラブロは水中専用、ズゴッグやゴッグは水中でこそ速いが地上ではあまり速くはないし、ドムなど宇宙用と陸専用が完全別で、互換性が無い。ザクの次に宇宙・地上共に戦える汎用兵器は、実にゲルググまで待たなければならなくなってしまった。

専用兵器の少ない連邦軍:陸戦型ガンダムは地上ガンダムの名作

ジオンとは対照的に、連邦のモビルスーツは標準化が進んだのではなかろうか。
アムロ・レイはガンダムに乗るのだが、実質的にアムロ専用化したようなものとは言え、ガンダムの武装は簡易版としてジムにも流用されている。
更に地上戦に限って言えばガンダムも量産化され、陸戦型ガンダムは状況に応じて武装も変化できるという可用性も持つ。サイコミュ兵器を搭載したのはサイコガンダム、νガンダムと少なく、特定の人しか使えない兵器というのは殆ど作っていないのだ。この連邦のモビルスーツ開発の観点はアノー博士にも継承されており、F91は決してシーブック・アノーだけが使えるようなガンダムにはなっていない。ヴェスバーはニュータイプでなくとも扱えるし、現にシーブックが鉄仮面と戦った10年後、F91は量産されることとなる。尤も、その頃にはハリソン・マディン専用のF91が存在しているが…。

日本のSI産業が作るアドオンモンスター:グローバルスタンダードに負けるのは必然だ

なぜITという舞台を巡って日本は負け続けるのであろうか。これはどうもジオンの兵器と似たような何かを感じるものがある。
グローバルスタンダードでは「人間がシステムに合わせて業務の仕方を変える」のが基本だ。もちろん、あらゆる業務で、何から何まで標準化というのは不可能であろう。だが、どんな業務にも「共通している部分」というのはある。そういうものは標準パッケージをそのまま導入した方がコストも安く、保守性も良い。
問題は日本の場合「人に合わせてシステムを作る」ということをしていることだ。人に合わせてカスタマイズを行ってしまうため、殆ど使われないコードが書き足され、コストが掛かり、保守性も悪くなる。いわゆるアドオンモンスターの誕生である。
まるで「シャアのためだけに専用ザクが作られ、ランバ・ラルのためだけにグフ・カスタムを作る」というようなことをやっているのだが、ではシャアがケガで出陣できなくなり、ランバ・ラルがギックリ腰にでもなって療養することになったら誰が乗るのか。もっと言えばメンテナンスも特定の人間しかできない兵器では無いのか。
そりゃたまたまジオンはエース・パイロットが多いから専用機作ってても何とか1年凌げたかもしれないが、現実の労働現場にはエースなんてそう多くないのだから、人に合わせてシステムを作ってはいけないのである。まして、本当に自社の強みを活かすためにパッケージソフトでは対応できない場合、システムは自社で自製し、ITベンダーへの依存度は極力下げるのが望ましいのではなかろうか。
そう言えば日本の大きな組織では大抵マクロExcelが存在するが、これらのマクロモンスターは一体誰が管理できるのであろうか・・・。

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就労形態   2021/05/08   センチュリー・大橋

人力車に遠く及ばぬIT営業:IT業界にいるがITは素人

観光都市にも行けば人力車を見ることは少なからずあるだろう。
新型コロナ感染拡大に伴う鎖国、緊急事態宣言に伴う移動の自粛要請などで、すっかり需要が低減しているが、しかし人力車は文化の守り手として重要な存在である。
なんでも人力車の車体は180万円掛かるそうであるが、仕事としての人力車というのは、実に高度な技術を要する仕事と言えるだろう。
まず見ての通り体力が必要だ。基本的に2人乗せの車を押して走り、坂道の昇り降りをしなければならない。それだけで足に負担の掛かる作業であることはわかるだろう。だが、そもそも人を乗せるための過程が大変だ。まず人力車サービスを使ってもらうためには、キャッチをしなければならない。キャッチをしなければ、そもそも出発点に立てないのだ。

人力車の仕事とは体力と知識と話術の総合力

人力車という仕事が如何に高度な仕事か。これはサービス納品までの過程で行うことを見て見ると、どれだけの力のいる作業かが良くわかる。

❶潜在利用者を見分ける眼力
❷キャッチの際に見込み客と行うアイスブレイク
❸120Kgの重量を押しながらたくさんの距離や坂道を歩ける体力
❹街の歴史や行事についてガイドできる知識
❺乗客を退屈させないトーク力
➏所定の場所まで客を『安全に』送り届ける注意力

こうして並べて見ると、人力車の仕事が如何に高度な仕事か良くわかるのではないか。
上の❶~➏のどれかが欠けても人力車の仕事は成立しえないもので、これをITの仕事に置き換えるとこうなる。

①自分で見込み客リストを見分ける
②自分で商談に臨んで契約を取る
③自分が自ら要件定義・コーディングを実施する
④自分で保守運用まで実施する

こんな具合になり、営業・開発・保守運用と、実に幅広いことをソツなくこなすことになる。こうなると最早スーパーマンの類である。

己を知らず客をも知らずで万事危うき

「彼を知り己を知れば百戦殆からず」とはビジネスでもよく言われることなれど、ことIT営業は「己を知らず客をも知らずで万事危うき」に等しい困ったことをする手合いがいる。そもそも「己を知る」者がどれだけいるのか。
人力車であれば、自分の働く街についての歴史を学び、どのような者が顧客になり得るかを見定めながら業務に当たっている。人力車が二人乗りであることからも、大まかに見ると2人組の旅行客に声を掛けることが多い。
ではIT営業はどうだ。必ずしもプログラミングやネットワークを知っている必要は無い。知っていなくても業務は出来てしまう。
「業務が出来るならそれで良いじゃないか。」
そう思われる人もいるかもしれない。そう、プログラムもサーバーもネットワークも、殆ど知識が無くても何故か業務は出来てしまう。ここが問題なのだ。
困ったことにSIerの営業は客に嘘を付くことが多々ある。日常茶飯事と言っても良いかもしれない。同じ会社の実務部隊がどんな働き方をしているかも知らずに契約を取った結果、プロジェクトが火を吹く、なんということも珍しくはない。
IT業界に入るなら、例え営業と言えど、一度はプログラミングやサーバー、ネットワークを少しは触れるできではなかろうか。ITの仕組みも知らず、同じ会社の実働部隊のことも知らないまま、契約だけは取ってくる。その結果、業務部隊からは顰蹙を買い、無茶な仕事を取っては炎上する。
このような仕事の在り方は改善が必要であるし、人力車の仕事のやり方を少しは見習った方が良いのではなかろうか。
「営業マンだから営業さえできればよい」
これでは案件が炎上するのは当たり前であるし、IT営業マンがプログラミングもインフラも経験せずに業務に就くと言うのは、もはや罪の領域である。

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就労形態   2021/05/05   センチュリー・大橋

業務の自動化に強いExcelマクラーレン:だがエンストが怖い🚘

Excelというのは万能なもので、万能過ぎるが故の、問題点もある。
本来の用途は表計算であるが、表計算以外にも使えてしまい、Excelだけでシステム開発までできてしまうのだから困りものだ。
「Excelでシステム開発とか何言ってるの?」と思う人もいるかもしれないが、オフィスで働く人は誰しも1度は使ったことがあるだろう、マクロである。
マクロは開発言語を使って作られた、れっきとしたシステムであり、かつメンテナンスも必要だ。
問題はこのメンテナンスで、Windowsアップデートなどの問題により、ある日突然動かなくなることがあるのだ。

整備できない車はレースをリタイアする

メルセデスベンツにはマクラーレンという車種が存在し、SLRマクラーレンやマクラーレン720Sと言ったモデルが存在する。
高級なスポーツカーであるマクラーレンは最高速度が300㎞を超えるモンスターマシンであり、タイトルのExcelマクラーレンというのは高速で定型業務を処理するExcelマクロとメルセデス・マクラーレンを取って造った単語である。
Excelマクラーレンは今もって定型業務を素早くこなすには最強クラスのシステムであり、その恩恵を受けているユーザーも多いだろう。そう、事務処理をやるのにおいて、Excelマクラーレンは最強なのだ。ただし、メンテナンスを出来る人間がいれば、の話である。
改めてExcelのマクロはプログラミング言語を用いて作られている。大なり小なりプログラミングの素養を必要とすることは言うまでもなく、VBAを書ける人がツールを開発した本人しかいない場合にどうなるか。
エンストした瞬間に走らせ方が分からなくなる。Excelマクラーレンはオートマ車なので、エンストする時はマシンにトラブルが起きた時だ。だが、プログラムの分かる人間がいないと、いくらボンネットを開けて中をくまなく見ても、エンストの原因がわからない。
一応民間の整備工場でもメルセデスベンツの整備を出来る工場はあるかもしれない。しかし、マクラーレンほどの高級外車を整備できるのがディーラーしかない。そのディーラーが自分の住む地域から撤退してしまった。もうお手上げである。
Excelマクロの怖いところはコレだ。例えば開発したマクラーの退職はもとより、異動もまた、マクロ遺産の整備不良に陥る危険な因子になる。
確かにマクロは定型業務を高速かつ正確に回せるようになる。だが、同時にマクロによって業務が属人化されるリスクも併せ持つ
マクロのボタンを押す人間というのは、車で言えばせいぜい運転ができる程度に過ぎない。
カーレースはドライバーだけで回っているわけではない。ピットクルーがいて、はじめてレースを完走することができる。ピットクルーのいなくなったExcelマクラーレンはいつかレースをリタイアするしかない。それがWindowsアップデートによるものか、オフィスのバージョン変更によるものか、はたまた何の前触れもなく突然止まるのか。いずれにしろ、いつかはレースをリタイアすることになる。

オペレーションに必要なのは最高速より安定性だ

改めて言うと、メルセデスのマクラーレンは時速300㎞を出せるスーパーカーである。カーレースにおいて300㎞出せることは素晴らしいことであるし、直線の多いコースならライバルに勝つ可能性はグッと上がるだろう。
だが、業務(オペレーション)のは繰り返し繰り返し行うゴールの無い世界であるのだから、時速を出せるより持続できる仕組みを整えた方が良い。
言うなればサーキットを時速300㎞で走れるスポーツカーより、最高速度200㎞でも安定して走り続けられる持続力の業務においては肝要だ。
VBAを書ける人間は自分の能力を活かしたいであろうし、彼らが作るマクロシステムは社内の業務を効率化するのにおいて、非常に役立つことがある。だが、今はマクロを動かせている部署も、マクラーの退職や異動には備えを持っておくべきだ。まだマクロが現役で動いてくれている内から、マクロが動かなくなった時のための代替手段というのは、検討した方が良いだろう。ある意味で、脱Excelを目指すのも、悪い選択肢ではない。

ITビジネス関連

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就労形態   2021/05/01   センチュリー・大橋

「コールセンターは3年で辞めなさい」できれば2年で転職が身のためです

コールセンターという仕事は人が辞める職業として有名であり、人が病める仕事としても有名である。
辞めるし病める。病めるし辞める。
辞めるのが先か病めるのが先かは人それぞれだが、いずれにしても長く働くような職場でもない。地方都市はコールセンター誘致に力を入れてきたとは言え、まだまだコールセンターは東京に多い。が、一方で東京で働き続けることを前提とするなら、コールセンターは長く勤務するところではない。はっきり言おう。転職した方が身のためである。

社会から隔絶された密閉空間

コールセンターは人が病めやすいし辞めやすい。その要因の一つとしては、センターが社会から隔絶された閉鎖空間であるということは見逃せない。
基本的にコールセンターは場所が公開されていないし、外部の人間が入ってくることは皆無である。
更に言うと物理的な意味での風通し(換気)も良くなく、窓がないことが殆ど。窓ガラスがあるだけだ。窓ガラスがあるだけなので、当然これは開かないし、換気なんてものも殆どなされない。
もちろん電話で会話することが仕事なので、人との接点事態はある。だが、人=社会というわけではない。人と接して社会と接せず。しかもコールセンターの仕事にはゴールがない(常に同じことが繰り返される)上、クレームも多く受けている内に心が荒んでくる。こうした環境が、実はイジメを発生させやすい要素も整っているのだ。
そう、困ったことに、コールセンターという職場は、イジメも多い。

そもそもSVが契約社員であるという不幸…

コロナ禍における緊急事態宣言下では、カラオケボックスには休業要請が出されているが、コールセンターなどカラオケボックスに負けず劣らず密である。クラスタの発生などしないはずがない。窓は開かない、隣の人とは密着状態。概ね座席は日替わり、月替わりで隣の人は変わるが、仕事自体にゴールもない。客からいびられ、SVからは早く電話取れと捲し立てられ、これじゃ病めて当然だとも言えるのだが、こんな環境になるとイジメもまた横行しやすくなる。これも人が病めるし辞める大きな原因の一つだ。
流石に漫画の世界のように露骨な嫌がらせは殆どないが、悪口、陰口は日常茶飯事になる。物理的な風通しだけでなく、人間関係的な意味での風通しまで悪いことも少なくない。
もう一つ絶望的のが、給料も安い。求人では「高時給!」なんて謳って募集が掛かるが、だいたい1500円以上なら確かに「コールセンターとしては高時給」と言える部類に入る。しかし、時給1500円で160時間働いても、手取りは19万円程度にしかならない。精神を摩耗する割に給料は決して高くは無いのだ。
キャリア面でも最低限、SVにはならないと、先はなかなか明るくない。が、このSVも狭き門で、だいたい10~15人に1人がなれれば良い方だ。実際のセンターではSVとオペレータの中間役職がいることも多く、これが5~6人に1人だが、やはり狭き門である。だが、SVになっても、大手コールセンター会社ではまだ「契約社員(非正規雇用)」のままと言う、これまた冗談かと思う話も加わってくる。
SVとは客から見ると責任者になり、社内的にも管理者として扱われるが、なんと責任者がバイトなのだ。お笑いとしか言いようがない。なお、マネージャーは確実に正社員が充てられるが、マネージャーに上り詰めるのもまた、至難の業である。

SVになれなければ長居は無用:CPHで実績作って転職すべし!

はっきり言ってコールセンターは3年以内にSVになれなければ長居は無用である。可能なら2年で転職できると尚良い。
だが、転職前に何かしらの実績は作っておくことをオススメする。それが応答効率で成績を出すことだ。
コールセンターは多くのセンターでCPHというものを計測している。これは1時間当たり何本の電話を取れたかということを計測しているのだが、たいていCPHは職場で公表されるので、自分の成績を把握するのには役に立つ。
業務知識面では1年も居ればほぼ全体を把握しているであろうから、素早く応対ログを残すフレームワークを作り、CPH1位を目指そう。最低TOP3。
一度でも1位を取ると職務経歴書が書きやすくなる。仮に異業種へ転職するにしても、何かしらの実績を作っておくと面接でもアピールしやすいため、1回で良いからCPH1位を目指してみよう。
どうせSVにならなければ収入というのはアップしない。だが、SVになるより、転職した方が収入をアップさせるのは簡単だ。少なくともセンターで1年居たら転職を見据えた実績作りを行うべし。一応コールセンターでは応対マナーが身に付くという側面はあるので、そうした武器を活かし、今度こそ良い職場へ転職して欲しい。

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職業選択   2021/04/29   センチュリー・大橋

マクロだらけのシス運を改善せよ:マクロ依存からの脱却でニューノーマルな働き方をすべし

システムの運用をする担当者、情報システム部門の担当は、プログラミングやネットワークに関しては、大なり小なりできた方が良い。これは相対的にできた方が良いというものではなく、絶対的に出来た方が良い。
そもそもシステムに関わる者がシステムの裏側を理解できないということは恥であり、プログラミングもネットワークもサーバーの経験すらない人間がシステム運用者など名乗ってはいけない。プログラミング、ネットワーク、サーバーなどを使ったシステム構築経験は、システム運用者としては経験すべき最低限のものである。
しかし現実の業務で、システム運用の業務は必ずしもこれらの経験は必要ないことが多い。というよりはそれが殆どであり、実務におけるシステム運用はプログラミングもネットワークもサーバー経験すらなくとも遂行は可能だ。客観的に見て矛盾した言説だが、しかしシステムを扱うのにあたり、これらの経験があるのと無いのとでは、運用設計に対する考え方も変わってくる。
特にプログラミングを経験しておくことで、プログラムを使って解決すべきことと、プログラムに依存せずに解決を図ることを考える思考力を身に着けられれば、運用設計には役立つものとなるだろう。

管理ができないレガシーシステム:それがマクロ

システム運用と言っても、いわゆるSIerなどに勤務する「職業としてのシステム運用(尤もそんな職種は存在し無い)」とは別に、事務担当レベルでのシステム運用は、プログラミング経験など無いのが当然である。尤も、こうした職務に就いている人は「システム運用者」などとは呼ばれないのであるが、実務としてのSIerシステム運用者もこの延長なので、運用設計において考えるべきことは実は同じだ。
さて、システム運用の現場に座っていると、気になることが出てくる。その一つがマクロ問題だ。
はっきり言ってExcelは万能だ。Excelだけあればかなりのことが出来てしまうし、やはりお金のない企業ほどシステム開発などせず、ExcelとAccessで業務をするということは多々ある。マクロはボタン一つ押せば複雑な処理を一瞬にして終わらせられる利便性も持ち、作業時間の短縮に繋がる。これは素晴らしいことである。
しかし、本来素晴らしい存在であるマクロ様が、時として障害になることもある。それはメンテナンス性だ。
ご存じの通り、マクロというのはVBAという言語を記述することによって動作する。VBAもまたプログラミング言語の一つである以上、言語そのもののアップデートがあるのだ。
マクロに頼った働き方の問題として、ExcelやWindowsのバージョンアップ、納品に使う場合は相手先との互換性の問題、加えてVBAを書ける人が退職した場合におけるメンテナンスなど、様々な問題が発生する。特にVBA記述者の異動・退職が絡むとお手上げだ。誰もメンテナンスできず、負の遺産として残り続けるのである。​​

MicrosoftOfficeに依存しない働き方への転換を

Officeソフトは今後も必要であるし、職場から無くすことは不可能だ。だが、Microsoft Officeであり続ける必要があるかというと、ここもまた疑問である。
システムの運用を巡る環境構築としては、高額なMicrosoft Officeに頼らずに構築できるなら、変化をさせることが理想だ。
これは個々のネットワーク構成にもよるが、インターネット回線を使える前提なら、クラウドサービスへのシフトを図ることが望ましい。
学校教育の現場ではG-Suiteを使うケースが増えているが、システムの運用設計をしていくにあたり、クラウドへシフトしていくことのメリットは大きい。
クラウドシステムを使うことの利点として、安価に運用できることも勿論だが、何より標準化されたパッケージを使って運用していけるということだ。アップデートにかかる作業はクラウド提供側で行うため、プログラムへの依存度を下げることができる。
「クラウドサービスは月額料金取られるでしょ?」
こう思う人も多いかもしれない。だが、マクロを管理するというのは、クラウドサービスの月額費用を払うよりも人件費の掛かる行為なのだ。そもそもマクロを管理する時点で本来の業務とは別にプログラミングをする時間が必要になるため、残業時間が発生する。その残業時間に加えて、退職された時のメンテナンスの不可性を加えれば、なんとも費用対効果の悪い設計なのである。
だいたいからしてマクロに頼る時点でOfficeソフトがMicrosoftに縛られてしまうし、Microsoft Officeを維持するための費用も半端ではない。クラウドサービスへ切り替えられるところを切り替えることにより、プログラミングに依存すべきでない部分をプログラミングせずに時間を活用でき、Officeソフトの自由度も上がっていくのだから、マクロからの脱却はメリットの大きいものがある。
管理のできないガラクタのマクロが果たして自社内にどれくらいあるだろうか。マクロから脱却し、クラウドへ切り替えられるところはクラウドに切り替えることが、ニューノーマルな働き方として必要なものになるだろう。

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就労形態   2021/04/04   センチュリー・大橋
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