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よい仕事をさせてないーそりゃ社員だって盗みも働くさ<1>

ワイドビュー南紀の車窓(D席)
写真:ワイドビュー南紀の車窓より

神奈川県のHDD転売事件があってからというもの、リース期限や耐用年数の切れた備品は廃棄ありきの運用になっている。
今後、所有権の移転を伴わないリース契約がどれだけの需要を保てるか怪しいところではあるが、元の需要は回復できまい。

CE(カスタマーエンジニア)にしろSE(システムエンジニア)にしろ、ITは何かと構造的に色んな問題が潜む業界だ。
いや、日本の産業構造が歪なのかも知れぬが、先「さぶれ」なる者が行ったSMBCソースコード流出騒動についても起こるべくして起きたものである。
SMBCソースコード流出からは早半年が経過したが、恐らくSIer各社は事件が起きた原因は総括出来ていないであろう。
根本的な問題はまだ解決しておらず、また忘れた頃に似たような事件が起きたりするものである。

世の中に善良な人は僅か5%しかいない

つい最近、ダン・ケネディの著書、世界一シビアな「社長力」養成講座を読む機会があり、アメリカの中小企業の現実を知ることのできる内容ともなっていた、
アメリカの企業では従業員による盗みは珍しいものでは無いようである。だが、不思議と経営者が「ウチの従業員に限って盗みなんかしない」と思う点に関しては、どうやら日本と大きな差は無さそうだ。

日本の従業員世界はアメリカと比べれば相互監視の進んだ社会であろうから、アメリカ的な経営手法がそのまま日本で通じるわけではなさそうだが、しかし日本の従業員でも盗みを働く者がいることは確かである。
「さぶれ」なる艦これ提督はソースコードを盗んでしまったし、ブロードリンク社のCEはHDDを盗んでしまった。さぶれ氏は嫌韓ネット右翼であったことも一部では知られていたが、こうした諸問題を「個人の資質」として片付けることは些か危険であることは、ダン・ケネディの著書からも改めて確認することができる。

ブロードリンクは富士通リースの下請けとして入っていた企業だが、ブロードリンクと並んでやばいのが、HDD処理を丸投げして業務が適正に完了しているか確認しなかったことにある。
では富士通リースがHDD転売を受けて業務管理の在り方を反省しているかというと、恐らくそれは無いだろう。

世界一シビアな「社長力」養成講座でダン・ケネディはこのように述べている。

「あなたに対して嘘はつきませんし、盗みも働きません」などと言う人間のほとんどは嘘つきだ。100人中5人の確率なのだから。
どんな状況ででも、何のメリットがなくても、嘘をつき、欺き、盗みを働くよう生まれついた人も5%いる。盗まずにはいられないのだ。
(中略)
だが、そういった手に負えない性質を持った人間にあなたが出会う確率もやはり、100人中5人なのだ。
私やあなたはその中間の90%にいて、さまざまな問題を引き起こす。
盗みをするために必要な要素は次の3つだ。

1.盗む必要があること、あるいはそう感じられること
2.盗むという行為を正当化すする能力
3.見つからないと信じること

改めて言うと、世の中の95%の人間は盗みをし得る人間ということである。
日本人はあまり性悪説に立ってものを考えるのは得意ではないようであるが、業務において性善説は危険な思想だ。
性善説などと言うものは真っ先に排除しなければならない

下請け社員のエンゲージメントは低いまま

昨今では従業員エンゲージメントの重要性に気付いて社風改革に取り組む企業は増えてきた。そう、恐らく三井住友銀行だってブロードリンクの元請けである富士通だって従業員エンゲージメントの重要性というのは頭ではわかっている筈なのだ。だから自社の社員に対してはエンゲージメントの向上に努めていることだろう。

では下請け会社というのはどうなのか。
残念ながらSI業界における下請け企業のエンゲージメントに対する認識は何も変わっていない。昭和のままである。
そもそも下請け会社の経営者からして見れば「人が売れればOK」でしかなく、エンゲージメントなど気にもかけることはないのだ。

上場企業なら従業員エンゲージメントを重視する企業は少なくないだろう。
だが、自社の社員のエンゲージメントを高めたとしても、下請け企業の社員が業務や自社、或いは元請け企業に対する不満度が高ければ、全ては下に引っ張られることになる。
下請け企業の社員に客先常駐をさせている企業は、匿名性を保証した上で下請け企業の社員達に不満度調査をやってみると良い。
下請け社員の不満度を★5ランクで評価し、★2.5を超えるようであれば、下請け(協力会社とも言われる)社員の誰かが盗みを働いていると警戒した方が良い。
「さぶれ」なる人物がソースコードを盗み、ブロードリンク社員がHDDを盗んだように、どんなに自社の社員のエンゲージメントを高めようが、下請け会社の社員のエンゲージメントが低いと、一発の盗みで全てが台無しになる。
 

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就労形態   2021/08/18   センチュリー・大橋

梨花と沙都子の失敗から:進路決定は友人と同じを選択することなかれ

テレビアニメ「ひぐらしのなく頃に卒」が7月から放送されている。
旧版ひぐらしは祭囃し編にて惨劇から抜け出し、古手梨花の本当の人生が始まると言わんばかりの終わり方だった。
ところが「ひぐらしのなく頃に業」では、古手梨花が高校進学後、北条沙都子との間に生まれた確執により、再び昭和58年をループさせられるという事態に発展した。

ひぐらしのなく頃に業:古手梨花への復讐を決意する北条沙都子

ひぐらしのなく頃に業:古手梨花への復讐を決意する北条沙都子

なぜ古手梨花と北条沙都子に確執が生まれたのかを簡潔に説明すると、一人でお嬢様学校に進学するのを恐れた古手梨花が、北条沙都子を巻き込んだためである。
一方、北条沙都子はお嬢様学校に行くことを拒んでいたが、それでも古手梨花に説得され、しぶしぶ同じ学校への進学を了承したが、進学先のお嬢様学校で古手梨花には新たな友達(というよりは取り巻き)が出来たことにより、北条沙都子は孤立。
梨花から「沙都子を絶対一人にしない!」という約束を受けていた沙都子は、孤立させられたことを強く恨み、悪い神様から得た力を使って復讐を決意する。それが令和版ひぐらしの惨劇の幕開けとなるのである。

 

梨花も沙都子も互いの本性を知らなかった

古手梨花と北条沙都子の人間関係の亀裂を見ると、一つだけ確かに明らかなことがある。
それは両者とも互いの本性を知らなかったということだ。
特にショックが大きかったのは沙都子であろう。古手梨花という人物は割と自分のことしか興味がない人間である。そのため、取り巻きが出来、かつサロンで美味しいケーキをつまみながら新しい友達と談笑することに楽しみを覚え、旧友はほっぽってしまった。沙都子は梨花のこうした本性に気付くことが出来ず、孤立を深めてしまうことになる。
もちろん梨花も梨花で沙都子に対する油断があったため、沙都子が報復に及んでくるとは思いもしなかったのだ。
ひぐらしのなく頃に卒のジャケット絵は、梨花と沙都子の関係が修復不可能なほど悪化したことを示している。
全寮制のお嬢様学校に行く選択をするにあたり、梨花は沙都子に「貴方を絶対一人にはしない!」と言って沙都子が激昂する場面がある。ループの中で沙都子が梨花の本性を知ってしまったために激昂したのだが、恐らく最初の人生でも梨花は沙都子を力づくで説得したのであろう。
梨花も沙都子もおお互いの本性を知らなかったことで悲劇が起きたが、実際の人間関係でも「9年一緒にいても実は互いを良く知ってなかった」というのは、往々にしてあることではなかろうか。

環境が変われば立場も人間環境も変わると知るべし

尤も、ひぐらしのなく頃にシリーズ全体を通して見ると、ある編からは古手梨花と北条沙都子は本来波長が合わなかったのではないかということがわかる。
ではなぜ本編での梨花と沙都子が「親友」でいられたのかというと、共に親を亡くし、閉鎖された村社会の中でずっと同じ教室で過ごし、同じ家で暮らしてきたからこそ「親友」としての「立場」が保たれたのではないかと思われる。
即ち同じ学校に通うようになっても、2人の「性質」が異なる以上、当然、人間関係も変化していく。
梨花はお嬢様学校のエリート達と波長が合ったが沙都子には合わなかったのだ。この違いが両者の立場の違いへと発展し、人間関係に亀裂が走ることとなった。
北条沙都子は「私は勉強が嫌いだ」と言っていた。沙都子にとって、聖ルチーア学園にいるということはそれ自体が地獄なのであり、サロンでケーキを頬張る梨花と異なり、勉強を頑張ることによる精神的報酬が無い。
確かに雛見沢にいる間は古手梨花と北条沙都子は友達同士であった。だが、環境が変われば立場が変わる。新しい環境に入る一瞬は同じ立場であったとしても、時間と共に立場には差がついてしまうのだ。

会社とよく似た聖ルチーア学園:あれは未来の会社員に待つ光景だ

学校と会社の違いを説明しろと言われると些か難しいものだが(日本の会社は学校の延長にあるため)、聖ルチーア学園は特に企業の姿のそれと良く似ている。
古手梨花が参加していたサロンなどは成績上位者に許されたお茶会であると思われるが、会社組織の中でも役職が上の人間ほど会社のお金で豪華なものを食べに行けたりする。接待という奴である。そうでなくとも人脈形成の機会にも恵まれ、学びや意見交換の場も役職が上がるほど貰えるようになる。
聖ルチーア学園の補習室:企業の追い出し部屋とよく似ている

方やカーストの下に置かれると大変である。
北条沙都子は補習室と独房を経験したが、補習室などは正に企業の追い出し部屋そのものだ。加えてルチーアの場合、生徒を退学させることはしない。あくまでも「自主退職届を出せ」と言うのだ。この点も会社のシステムと酷似しており、ひぐらしのなく頃に業を通して「友達同士で同じ進路を選ぼうとしてはいけない」ということを暗に教えてくれている。
勿論お笑いやバンド活動なんかは友達同士で始めてプロになったグループもいるし、友人同士で同じ会社に就職するというケースは、あるにはある。
しかし、アーティストがギャラで揉めることがあるように、同じ会社に友達同士で就職すると、立場(役職)の違いが出来た時に亀裂が走ることも有り得る。
仮に同じ学校・同じ職場に勤めることとなったとしても「結果的に同じ会社(学校)」になったのか「プロセス的に同じ会社(学校)」になったのかで気の持ちようも変わって来るだろう。
古手梨花と北条沙都子は「プロセス的に同じ学校になった」のであり、梨花の思い描いた高校生活と沙都子の懸念した高校生活に大きな食い違いがあったであろうことが否めない。
「結果的に同じ学校になった」のなら大きなトラブルは起きなかったであろう。しかし「プロセス的に同じ進路を取るような選択をした」からこそ大きなトラブルになったのだ。
どうしても一緒の道を歩きたい友人がいるなら、それはその友人に「自分と同じ道を歩く適正があるか」の見極めが必要になるだろう。古手梨花はその見極めを怠った。さすがに北条沙都子クラスの過ちを起こす人はいないであろうが、人を自分と同じ進路に誘うには責任が伴うということは覚えておいた方が良い。
「金の切れ目は縁の切れ目」と言うが、もしかしたら「立場の分かれ目は友情のヒビ割れ」になるのかもしれない。
進路というものは「友達と一緒」の道を選択してはならない。あくまでも「行った先で何を得たいか」をベースに進路を考えるべきではないだろうか。

ハンガリー赤泥流出事件:危機から抜け出す都市ビジョンのあり方

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職業選択   2021/07/09   センチュリー・大橋

若者に告ぐ!「うっせぇわ!」嘆く暇があるなら一流の集まる街へ行け

「うっせぇうっせぇうっせぇわ!」
ラーメンを食している最中に流れてきた「うっせぇわ!」は、なんでも若者の支持を集めた曲として話題になったことがある
筆者はあまりボーカル付きの楽曲を聴くことは無いため、飲食店やスーパーに立ち寄った時でも無ければ聞くことのないものであったが、聴いていてつい気になる点があった。
退店後に歌詞を見て見ると、この曲に共感できたという若者には次のような特徴が垣間見れる。

❶小さい頃から人前では良い子ちゃんであったこと
❷社会のルール(暗黙の了解)には従順であること
❸一方で自分は出来の良い優秀な人間と思っていること
❹その上で社会への不平不満が大きい事

こんな感じであろうか。
とりわけ、どうしても気になったフレーズが「頭の出来が違うので問題はナシ。つっても私模範人間」というものだ。
「うっせぇわ!」に共感する人は、恐らく上司に不満を抱えているであろう。その上で、自分は仕事の出来る人間であると思っている。しかし、ならなぜ「三流上司」とやらの元に甘んじているのか。ここがどうにも腑に落ちない。

確かに日本企業はだらしないが

恐らくこの歌に共感した人は多くが日本企業に勤める若者で、上司や経営者は保守的で会社の文化は古臭いのだろう。
日本企業の経営者や上司の多くが無能なのは確かであり、だからこそIT革命から20年経ってもデジタルの普及は大きく遅れた。
20年前に掲げられた「e-Japan戦略」では「このままやと日本はIT後進国になるで!」と予言していたのだが、正に今、その予言通りとなってしまっている。
未だ20年前の価値観にすら追い付いていない中高年の多い日本企業で、マイノリティである若者はさぞ苦労していることだろう。
安倍政権ではアベノミクスなどと称して雇用の改善が謳われていたが、何のことは無い、高齢化で引退していくオールド世代の後にヤング世代が入れ替わっただけのことだ。アベノミクスなど関係なく、コロナが終われば再び人手不足時代に到来する。
何せ大企業の子会社でも、若者の繋ぎ止められない現状に冷や汗をかいているものだ。今の中高年はまだ昭和から脱却できておらず、そうした意味で能力のない人間が役職に就いてしまっていることは確かだ。
しかし、そうした不満を抱えつつも、不満を伝えないこともまた罪ではないか。
まして「頭の出来が違う」というなら、なぜ現状の不満な環境に甘んじているのか。

「私は頭の出来が違う!」というなら一流の集う環境へ行け

「うっせぇわ!」の歌詞中にある「頭の出来が違うので問題はナシ」というのは、本当に「私は頭の出来が違う」と思っているのであれば、色褪せた上司にとって、若さくて有能な貴方は手に余る存在だ。転職をオススメする。
しかし、ただ転職しても面白くはなかろう。一流の集う場所へ飛び立つべきである
わかっての通り日本企業のサラリーマンは一流にはなれない。だが、それがわかっていて何故不平不満を抱えたまま現状に甘んじるのか。
頭の出来が違う優秀な人間は、一流の集う環境へ飛ぶべきだ。具体的にはシリコンバレーや深圳のようなイノベーションセンター、世界の金融の中心地たるウォール街など、一流の集う環境で、一流と同じ目線で仕事をするべきではないか。
アメリカの大リーグが凄い存在である理由は、世界中から一流の選手が集まるからだ。
イタリアのセリエAは世界中から一流のサッカー選手が集まるのだから、優秀な選手は日本から飛んでいく。
もし本当に「私は頭の出来が違う」と思っているのであれば一流の集う環境に転職した方が人生は充実すると思われるのだが、して如何か?

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職業選択   2021/07/05   センチュリー・大橋

雇用は原則正規雇用にせよ!⇨非正規化は業務の属人化を促進する!

オペレーションというのはできるだけ属人化要素を排除し、標準化をしていくのが望ましい。いや、寧ろ標準化をしていかなければならないのだが、こと日本の企業は業務の個人商店化が進みやすいのが痛いところである。
業務が個人商店化することによって起こることは、残業時間の肥大化、有給取得率の低減、疾病や退職、異動時の業務継続の危機など、百害あって一利もない。
本来なら属人化されている業務はリストアップし、早急にでも改革をすべき問題なのだが、実際のところは改革なんて少しも進まない。否、ある問題を直視せずして、業務の標準化を進めるのは不可能なのではないか。そんな要素が1つある。それは、非正規労働者によるジョブセキュリティの確保にあった。

大阪環状線

属人化こそ解雇に対抗する切り札

非正規雇用の拡大は社会問題的に捉えれば、貧困化や非婚化(それに伴う少子高齢化)などの問題があるが、それとは別にして、企業の事業継続の観点から見てもあるリスクを内包していることを見逃していた。それが業務の属人化だ。
一般的に非正規雇用者は正規雇用者と比べ、解雇されるリスクが格段に高い。賃金も正規雇用者に比べて低いことから、フルタイマーの場合は残業も常態化しやすいとも言える。そもそも「残業しないと生活できない」と言う従業者も少なくなく、生活のためには有給を取るより出勤して残業した方がマシという者も少なくないのだ。
さて、正規雇用者に比べて解雇リスクの高い非正規雇用者だが、解雇を免れる策が無いわけでは無い。それが独占業務を持つことである。
独占業務を持つことによって「この人いなければ業務が回らない」という状態を作り出すことができ、企業としても該当人物を解雇するのはリスクが伴う。例えば前回指摘したExcelマクロのリスクもそうだ。Excelマクロはプログラミングの素養が必要であるため、職業的にプログラミングを必要としない場合、スキルを継承できない恐れがある。何せ書いた本人しかメンテナンスもできないため、本人が退職や異動をした場合、業務が継続不可能になるのは時間の問題だ。
非正規雇用者にとって、解雇に対抗するためのジョブセキュリティの確保は必須のものとなる。もちろん非正規雇用者を適正にマネジメントできていれば良いのだが、残念ながら課長職以上の人間は殆ど非正規雇用者に対するマネジメントは出来ていないだろう。主任や係長クラスは目先の業務に追われていて、これまた契約社員やパート社員に目が行き届いているかは疑問が残る。そうこうしている内に特定の顧客やシステムに関わる業務が独占され、属人化していることがある。

従業者は原則正規雇用としてジョブセキュリティを破壊せよ

従業員のジョブセキュリティ確保(保身)に対する対抗策は何か無いものか。強いて言えば、会社が雇う従業者は原則的に正規雇用とすることだ。
本来なら賃金も上げることが望ましいが、今や日本の雇用形態は単なるカースト制度と化しているものであって、平の正社員と契約社員は殆ど同じ業務をやっていることも少なくない。
尤も、本来なら有期雇用者というのは無期雇用者に比べれて賃金が高く無ければ、割に合うものではあるまい。
ならば無期雇用だが基本給は安いか、有期雇用だが基本給は高いかを選択させた上で業務に就かせる方が、まだマシではないか。少なくともジョブセキュリティの確保を防がせるには、原則として従業者は正規雇用とし、如何に業務を標準化させることに貢献したかを人事評価に加えれば良いのではなかろうか。
非正規雇用者にとって、独占業務を持つことは保身の基本である。その結果、負のマクロ遺産などを残され、最悪の事態が起こって業務がストップしてしまうなんてなるよりはマシでは無いか。
原則雇用は正規雇用とし、どれだけ残業時間を少なくし、業務を標準化できたかを人事(昇給)評価に加えることは、結果的に企業のリスクも減ると思われるが、如何か。

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就労形態   2021/06/03   センチュリー・大橋
Tag:属人化

DXをマトモに成功させたくばシリコンバレーへ行け:日本人だけでは無理!

デジタルトランスフォーメーションという言葉は日常的に聞かれる言葉になったが、本当にトランスフォーメーションするために覚悟を決めた日本企業がどれだけあるかは疑問である。
デジタルトランスフォーメーションは言わば経営改革にして、データを活用してどう新しいものを生み出していくかということを実行していかなければならないのだが、未だ日本企業はICTでの業務効率化の話が聞こえる有様だ。
ICTでの業務効率化など既に終わった議論、過ぎたブームなのだが、結局のところDXは言葉だけが独り歩きしているだけでしかない。
企業に置かれているCIOは単に情報セキュリティ管理者という位置付けでしかないハリボテの最高情報責任者。実際に権限というのは殆どなく、単にIT部門と現場部門の調整役として位置しているのだから、攻めのITなんてできるはずもない。
結果としてデジタルトランスフォーメーションは単なる言葉遊びに終わり、日本は何も進展しなかった。そんな事態は避けたいものである。

日本人だけでDXやるのは無理!

本当にデジタルトランスフォーメーションをやりたいなら、日本人だけで固まってても無理なのではないか。
思うに、ブラック企業の問題すらロクに解決していない状態の中で、デジタルイノベーションなどという領域に踏み込めるのかが怪しい。
例えば電通はこれまで報道されているだけでも、3名の社員の人生を奪っている。しかし、高橋まつり氏の事件を以てしても、2018年には更に36協定を超える残業時間をさせていたのだから恐れ入る。要は「どんだけ社員が倒れたところで罰sura金は50万円で良い」というわけで、反省するどころか味をしめたのではないかとすら見える。
パナソニック産機システムの内定者に対するSNSを使ったパワハラにしてもそうだが、日本人同士で固まると、いとも簡単に体育会系の悪しき価値観に引きずり込まれてしまう。これではブラック企業が無くなる由もない。
日本人の手でブラック企業を無くせていないように、デジタルトランスフォーメーションもまた、日本人だけで行うのは不可能なのだ。何しろ悪しき風習すら無くせないのだから、イノベーションなど起こせるはずもない。ならば解決手段は、海外の人材を活用する他あるまい。

シリコンバレーへ行ってDX人材をヘッドハンティングせよ!

デジタルにおける経営や事業の変革を行おうにも、果たして日本の中に先進事例はどれだけあるというのか。ゼロではないにしても、もとよりITについて世界から遅れを取った日本の場合、先進事例なるものは殆ど無い。デジタルディスラプターというのはアメリカや中国に多く存在しており、日本国内だけを見ても果たして本当にDX人材が見つかるのかが疑問である。
もし本気でデジタルトランスフォーメーションをしたいといなら、日本国内で呑気に人材の応募を待つより、自らシリコンバレーへ飛んで世界のトップ・プレイヤーを高待遇でスカウトするべきではなかろうか。
トッププレイヤーをスカウトし、強い権限を与えて情報戦略を一任するべきだ。日本企業が成長する上で最も障害となるものは社内における日本人同士の慣れ合い、不毛な社内政治、変化を拒む保守的な体質である。そもそも求人媒体に載せて募集する「DX人材」とは一体なんなのやら。どんなビジョンがあって、どんな改革もしたいかわからずにDX人材は欲しいなどと言ってたら失笑ものだ。本気でデジタルトランスフォーメーションを薦めたいなら掴みたい未来のビジョンを打ち出し、自らトップ・プレイヤーをスカウトに行くべきではないか。
トランスフォーメーションに慣れ合いは不要だ。なら日本人同士で固まるより、海外から優秀なプレイヤーを招き入れた方が、結果的に日本人の危機感も刺激出来ると思えるが、如何か。

ITビジネス関連

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事業戦略   2021/05/31   センチュリー・大橋

企業は外国人正社員比率を最低1割は達成せよ:日本人だけで固まっても会社は変われぬ

読売新聞の古い記事だが、パナソニックの子会社において、人事担当者のパワハラにより、内定者が自ら命を絶ってしまったことが報道されていた。
少子高齢化が進む日本では若者の命はこれまでにない貴重な存在であるのだが、果たして何故こうも日本の企業はこうもブラックな文化を変えられぬのか。
テレワークが浸透しないこともそうであるが、いかんせん日本企業では昭和のオヤジが強すぎており、いつまで経っても日本は昭和に付き合わされるという地獄に陥っている。
未だ賃金は横這いであり、1人当たりの所得は韓国に抜かれてしまったのだ。尤も、韓国は日本より失業率も高く、残業も多い国であるから、それなりにあちらもブラック企業は多いと見るべきだろう。
しかし、それにしても日本の企業はどれだけ報道で長時間残業やパワハラ体質をバッシングされても、全く学習している様子が見られない。
なぜこうも学習しないのか。いや、もしかしたら学習の必要が無かったのかもしれない。

日経225の正社員になるのはゴール地点

なぜこうも日本企業はブラックな文化を維持できるのか。それも中小企業ではなく、仮にも東証一部で上場している企業の子会社でだ。
これは今の日本人のキャリア観が大きく関係しているかもしれない。
日本人は会社に不満はあるが辞めたがらない
リクルートワークス研究所が行った5ヵ国リレーション調査の結果は悲惨なものだった。
このグラフを端的に言うならこうだ。
「日本人は仕事に不満が多いし職務に満足をしてないが会社は辞めたくない」
つまり「会社にぶら下がり続けること」が目的下し、正社員になることは通過点ではなくゴール地点なのだ。
まだまだ転職しながらのキャリアアップが一般的ではないのか、新卒カードが偉大過ぎるのか、日本人にとって日経225への就職はスタート地点ではなく、ゴール地点になってしまう。かつ日経225の主要企業は新卒入社が最大にして最後のチャンスとも言える状況になることから、ここをしくじったら後が無いという気持ちになるのかもしれない。
本来なら就活というのは企業と就活生は対等の立場であることが理想だ。お互いに雇用関係が無い間は上下関係も当然あるはずもなく、企業側が「ウチの会社のやり方が気に入らないなら辞退してくれ」と言えば「ああ、じゃあ辞退してやるよ」と言えるのが健全だ。だが、パナソニック産機システムズの件は、そうはならなかったのだ。

外国人材がいつかないような企業はお先が暗い

これから少子高齢化を加速させていく日本は嫌でも外国人材に頼らねばならないのだが、少なくとも外国人材を定着させるには昭和のオヤジ的な価値観は通用しない。そもそも日本人とはキャリア観が異なるのであるから、日本人に対して行えるパワハラなんてやろうものなら「わかりましたサヨウナラ」とお別れされるだけである。
ある意味、外国人に優しくない職場というのは、本来日本人にも優しくないと言って良い。
日本人は正社員がゴール地点になっているが、外国人は正社員=ゴールというわけではないので、定着させるためには働きやすい環境、適正に人材を評価する制度、キャリアを形成できる仕組みが必要になる。
具体的には収入をアップできるかどうか、であろう。日本人みたいに「お客様の笑顔を自分の喜びに」などと言った胡散臭い言い分は通用しない。スキルが身に付き、確かな収入のアップに繋がる組織と思えなければ、より良い条件を見つけて転職されるだけである。
日本人だけで固まる場合、そもそも日本人のゴール地点が正社員になることであることから、別段企業改革などせずとも社員は辞めることは無かった。正社員という地位を維持するためには、昭和のオヤジ的な価値観に染まっていくことが、組織にぶら下がるための最善だからだ。だが、これでは生産性はいくら経っても上がるまい。
ただでさえデジタルトランスフォーメーションも求められる今の時代、昭和のオヤジから脱却できなければ日本の衰退は加速するだけである。昭和のオヤジからの脱却には脱却せざるを得ない物理的環境を整えるのが一番だ。どの道、デジタル戦略を組んでいくなら、海外の先進事例などは学ばねばならなくなる。ITに関する一次ソースは多くが英語なのだから、必然的に外国人材の登用は必要になるだろう。
労働改革もデジタルトランスフォーメーションも日本人だけで革新を起こすことはできぬ。外国人材を最低1割は登用し、昭和のオヤジ的な要素を破壊していかなければ、今後も日本企業は変われることなくブラックな労働を続けていくだろう。

ITビジネス関連

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就労形態   2021/05/30   センチュリー・大橋

IEサポート終了:2021年はSIerの求人に応募することは無かれ

Microsoftから遂にIEのサポート終了が発表された。Windows10に搭載されたIEは2022年の6月でサポートが終了される。Windows8.1は2023年の1月までがOSの延長サポートの期限であることから、8.1のIEはそれまでサポートが継続されるが、もとより企業でWindows8.1を使うユーザーは殆どいないだろう。

システムがIEにしか対応していない

殆どの企業はWindows10を使う今、IEのサポート終了に伴い、困惑の声が出始めている。
IEにしか対応していないWEBアプリケーションを使用しているためだ。IEがサポート終了することに伴い、必然的にchromeやedgeに対応したシステムを構築しなければならない。グループウェア、公開サイト、酷い時には基幹系システムまでIE用に作っているなどという話も聞こえてくる。
大きな組織ほどIEでしか動かないようなレガシーシステムを使っていることは多く、今後IEを起動しただけでedgeに切り替えられるようになると、それだけで業務がストップする危険性がある。
しかし、2019年からMicrosoftとしてはIEを使わないことを推奨していた。即ち、サポート終了されることは想定の範囲でしかない。今もIEでしか動かないレガシーシステムを使っていた組織は、単に大事なことを先延ばしにしてきたということである。

システム更新が必要になるもエンジニアは確保できず

2021年はIEで動くシステムの切り替えが必要になる。まだまだIEを使用している企業は多いことから、大混乱の一年になるだろう。SIerは大量のエンジニアを必要とするはずだ。
しかし、当たり前だがこの間に出されるエンジニア求人への応募は危険だ。この一年は日本各地で炎上プロジェクトが続出するだろう。それは山火事のように鎮火し難い炎上になるはずだ。
IT業界への転職を考える人は、間違ってもこの一年で就業地が「お客様先」となっている求人は応募してはならない。確実に長時間残業が目に見え、客先や元請けSIerから冷や飯を食わされるのが関の山である。

今後の道はクラウド活用に活路を見出すしかない

それにしてもIEを使わないことをMicrosoftは推奨してきたにも関わらず、何故こうも困惑の声が聞こえるのか。IEサポート終了は充分に想定内の出来事であり、遅くとも2020年中にはIEで動くシステムの更新は決断しなければならなかった。今もIEでしか動かないシステムを使い続けていること自体、怠惰としか言いようがない。
日本の場合、システムに合わせて仕事が変わるのではなく、仕事に合わせてシステムが作られてきたことに大きな問題がある。
大企業にはカスタマイズされすぎたモンスターシステムが君臨しているが、本当に担当者レベルの人間の拘りでカスタマイズされていて保守性の悪いシステムは、まだまだ大きな組織ほど生き残っているのだ。
せめてSaasで出来る業務はSaasへ移管していくべきであろう。そうすればIEサポート終了するからと言って、特に焦る要素は無かったはずである。
IEのサポートが終了まで一年となった今、企業は真剣にクラウド活用を考えねばならない段階に入ったと言えるだろう。

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就労形態   2021/05/23   センチュリー・大橋

ジオンの兵器は実に日本的:標準化を進めた連邦に負けるのは必然

ガンダムの世界において、未だ人気があるのは一年戦争の世界線ではなかろうか。
1978年に誕生した初代ガンダムは、2001年から2011年にかけてはガンダムORIGINが展開された。
シャア・アズナブルはガンダム界きっての英雄であり、彼のモビルスーツはその殆どが専用機でもある。
しかし、ジオンのモビルスーツというものをIT的な視点で見て見ると、ジオンが連邦に勝てなかったのはある意味で必然であったのかもしれない。

IT的に見てシャア専用ザクを作るのは良いことなのかどうか

専用機の多いジオンのモビルスーツ

ジオンのモビルスーツを見て見ると、全体的に専用機や特化型、ニュータイプ依存のものが多い。
ご存じシャアはザクからズゴック、サザビーに至るまで、乗ったモビルスーツの殆どが専用機だ。更にギレンの野望ではザクⅡでもガルマ、ドズル、シン・マツナガ等が専用機を作れる。ギャンはマクベ専用があるし、ゲルググだってシーマ・ガラハウ専用があるなど、実にジオンのモビルスーツはカスタマイズされた機体が多い。
それだけではなく、パイロットに強い負荷が掛かるEXAMシステムを搭載したイフリート、ニュータイプにしか使えないサイコミュ・システムを搭載した兵器など、特定のパイロットしか乗れない機体は非常に多い。また、用途が特化された兵器も豊富だ。グラブロは水中専用、ズゴッグやゴッグは水中でこそ速いが地上ではあまり速くはないし、ドムなど宇宙用と陸専用が完全別で、互換性が無い。ザクの次に宇宙・地上共に戦える汎用兵器は、実にゲルググまで待たなければならなくなってしまった。

専用兵器の少ない連邦軍:陸戦型ガンダムは地上ガンダムの名作

ジオンとは対照的に、連邦のモビルスーツは標準化が進んだのではなかろうか。
アムロ・レイはガンダムに乗るのだが、実質的にアムロ専用化したようなものとは言え、ガンダムの武装は簡易版としてジムにも流用されている。
更に地上戦に限って言えばガンダムも量産化され、陸戦型ガンダムは状況に応じて武装も変化できるという可用性も持つ。サイコミュ兵器を搭載したのはサイコガンダム、νガンダムと少なく、特定の人しか使えない兵器というのは殆ど作っていないのだ。この連邦のモビルスーツ開発の観点はアノー博士にも継承されており、F91は決してシーブック・アノーだけが使えるようなガンダムにはなっていない。ヴェスバーはニュータイプでなくとも扱えるし、現にシーブックが鉄仮面と戦った10年後、F91は量産されることとなる。尤も、その頃にはハリソン・マディン専用のF91が存在しているが…。

日本のSI産業が作るアドオンモンスター:グローバルスタンダードに負けるのは必然だ

なぜITという舞台を巡って日本は負け続けるのであろうか。これはどうもジオンの兵器と似たような何かを感じるものがある。
グローバルスタンダードでは「人間がシステムに合わせて業務の仕方を変える」のが基本だ。もちろん、あらゆる業務で、何から何まで標準化というのは不可能であろう。だが、どんな業務にも「共通している部分」というのはある。そういうものは標準パッケージをそのまま導入した方がコストも安く、保守性も良い。
問題は日本の場合「人に合わせてシステムを作る」ということをしていることだ。人に合わせてカスタマイズを行ってしまうため、殆ど使われないコードが書き足され、コストが掛かり、保守性も悪くなる。いわゆるアドオンモンスターの誕生である。
まるで「シャアのためだけに専用ザクが作られ、ランバ・ラルのためだけにグフ・カスタムを作る」というようなことをやっているのだが、ではシャアがケガで出陣できなくなり、ランバ・ラルがギックリ腰にでもなって療養することになったら誰が乗るのか。もっと言えばメンテナンスも特定の人間しかできない兵器では無いのか。
そりゃたまたまジオンはエース・パイロットが多いから専用機作ってても何とか1年凌げたかもしれないが、現実の労働現場にはエースなんてそう多くないのだから、人に合わせてシステムを作ってはいけないのである。まして、本当に自社の強みを活かすためにパッケージソフトでは対応できない場合、システムは自社で自製し、ITベンダーへの依存度は極力下げるのが望ましいのではなかろうか。
そう言えば日本の大きな組織では大抵マクロExcelが存在するが、これらのマクロモンスターは一体誰が管理できるのであろうか・・・。

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就労形態   2021/05/08   センチュリー・大橋

人力車に遠く及ばぬIT営業:IT業界にいるがITは素人

観光都市にも行けば人力車を見ることは少なからずあるだろう。
新型コロナ感染拡大に伴う鎖国、緊急事態宣言に伴う移動の自粛要請などで、すっかり需要が低減しているが、しかし人力車は文化の守り手として重要な存在である。
なんでも人力車の車体は180万円掛かるそうであるが、仕事としての人力車というのは、実に高度な技術を要する仕事と言えるだろう。
まず見ての通り体力が必要だ。基本的に2人乗せの車を押して走り、坂道の昇り降りをしなければならない。それだけで足に負担の掛かる作業であることはわかるだろう。だが、そもそも人を乗せるための過程が大変だ。まず人力車サービスを使ってもらうためには、キャッチをしなければならない。キャッチをしなければ、そもそも出発点に立てないのだ。

人力車の仕事とは体力と知識と話術の総合力

人力車という仕事が如何に高度な仕事か。これはサービス納品までの過程で行うことを見て見ると、どれだけの力のいる作業かが良くわかる。

❶潜在利用者を見分ける眼力
❷キャッチの際に見込み客と行うアイスブレイク
❸120Kgの重量を押しながらたくさんの距離や坂道を歩ける体力
❹街の歴史や行事についてガイドできる知識
❺乗客を退屈させないトーク力
➏所定の場所まで客を『安全に』送り届ける注意力

こうして並べて見ると、人力車の仕事が如何に高度な仕事か良くわかるのではないか。
上の❶~➏のどれかが欠けても人力車の仕事は成立しえないもので、これをITの仕事に置き換えるとこうなる。

①自分で見込み客リストを見分ける
②自分で商談に臨んで契約を取る
③自分が自ら要件定義・コーディングを実施する
④自分で保守運用まで実施する

こんな具合になり、営業・開発・保守運用と、実に幅広いことをソツなくこなすことになる。こうなると最早スーパーマンの類である。

己を知らず客をも知らずで万事危うき

「彼を知り己を知れば百戦殆からず」とはビジネスでもよく言われることなれど、ことIT営業は「己を知らず客をも知らずで万事危うき」に等しい困ったことをする手合いがいる。そもそも「己を知る」者がどれだけいるのか。
人力車であれば、自分の働く街についての歴史を学び、どのような者が顧客になり得るかを見定めながら業務に当たっている。人力車が二人乗りであることからも、大まかに見ると2人組の旅行客に声を掛けることが多い。
ではIT営業はどうだ。必ずしもプログラミングやネットワークを知っている必要は無い。知っていなくても業務は出来てしまう。
「業務が出来るならそれで良いじゃないか。」
そう思われる人もいるかもしれない。そう、プログラムもサーバーもネットワークも、殆ど知識が無くても何故か業務は出来てしまう。ここが問題なのだ。
困ったことにSIerの営業は客に嘘を付くことが多々ある。日常茶飯事と言っても良いかもしれない。同じ会社の実務部隊がどんな働き方をしているかも知らずに契約を取った結果、プロジェクトが火を吹く、なんということも珍しくはない。
IT業界に入るなら、例え営業と言えど、一度はプログラミングやサーバー、ネットワークを少しは触れるできではなかろうか。ITの仕組みも知らず、同じ会社の実働部隊のことも知らないまま、契約だけは取ってくる。その結果、業務部隊からは顰蹙を買い、無茶な仕事を取っては炎上する。
このような仕事の在り方は改善が必要であるし、人力車の仕事のやり方を少しは見習った方が良いのではなかろうか。
「営業マンだから営業さえできればよい」
これでは案件が炎上するのは当たり前であるし、IT営業マンがプログラミングもインフラも経験せずに業務に就くと言うのは、もはや罪の領域である。

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就労形態   2021/05/05   センチュリー・大橋

業務の自動化に強いExcelマクラーレン:だがエンストが怖い🚘

Excelというのは万能なもので、万能過ぎるが故の、問題点もある。
本来の用途は表計算であるが、表計算以外にも使えてしまい、Excelだけでシステム開発までできてしまうのだから困りものだ。
「Excelでシステム開発とか何言ってるの?」と思う人もいるかもしれないが、オフィスで働く人は誰しも1度は使ったことがあるだろう、マクロである。
マクロは開発言語を使って作られた、れっきとしたシステムであり、かつメンテナンスも必要だ。
問題はこのメンテナンスで、Windowsアップデートなどの問題により、ある日突然動かなくなることがあるのだ。

整備できない車はレースをリタイアする

メルセデスベンツにはマクラーレンという車種が存在し、SLRマクラーレンやマクラーレン720Sと言ったモデルが存在する。
高級なスポーツカーであるマクラーレンは最高速度が300㎞を超えるモンスターマシンであり、タイトルのExcelマクラーレンというのは高速で定型業務を処理するExcelマクロとメルセデス・マクラーレンを取って造った単語である。
Excelマクラーレンは今もって定型業務を素早くこなすには最強クラスのシステムであり、その恩恵を受けているユーザーも多いだろう。そう、事務処理をやるのにおいて、Excelマクラーレンは最強なのだ。ただし、メンテナンスを出来る人間がいれば、の話である。
改めてExcelのマクロはプログラミング言語を用いて作られている。大なり小なりプログラミングの素養を必要とすることは言うまでもなく、VBAを書ける人がツールを開発した本人しかいない場合にどうなるか。
エンストした瞬間に走らせ方が分からなくなる。Excelマクラーレンはオートマ車なので、エンストする時はマシンにトラブルが起きた時だ。だが、プログラムの分かる人間がいないと、いくらボンネットを開けて中をくまなく見ても、エンストの原因がわからない。
一応民間の整備工場でもメルセデスベンツの整備を出来る工場はあるかもしれない。しかし、マクラーレンほどの高級外車を整備できるのがディーラーしかない。そのディーラーが自分の住む地域から撤退してしまった。もうお手上げである。
Excelマクロの怖いところはコレだ。例えば開発したマクラーの退職はもとより、異動もまた、マクロ遺産の整備不良に陥る危険な因子になる。
確かにマクロは定型業務を高速かつ正確に回せるようになる。だが、同時にマクロによって業務が属人化されるリスクも併せ持つ
マクロのボタンを押す人間というのは、車で言えばせいぜい運転ができる程度に過ぎない。
カーレースはドライバーだけで回っているわけではない。ピットクルーがいて、はじめてレースを完走することができる。ピットクルーのいなくなったExcelマクラーレンはいつかレースをリタイアするしかない。それがWindowsアップデートによるものか、オフィスのバージョン変更によるものか、はたまた何の前触れもなく突然止まるのか。いずれにしろ、いつかはレースをリタイアすることになる。

オペレーションに必要なのは最高速より安定性だ

改めて言うと、メルセデスのマクラーレンは時速300㎞を出せるスーパーカーである。カーレースにおいて300㎞出せることは素晴らしいことであるし、直線の多いコースならライバルに勝つ可能性はグッと上がるだろう。
だが、業務(オペレーション)のは繰り返し繰り返し行うゴールの無い世界であるのだから、時速を出せるより持続できる仕組みを整えた方が良い。
言うなればサーキットを時速300㎞で走れるスポーツカーより、最高速度200㎞でも安定して走り続けられる持続力の業務においては肝要だ。
VBAを書ける人間は自分の能力を活かしたいであろうし、彼らが作るマクロシステムは社内の業務を効率化するのにおいて、非常に役立つことがある。だが、今はマクロを動かせている部署も、マクラーの退職や異動には備えを持っておくべきだ。まだマクロが現役で動いてくれている内から、マクロが動かなくなった時のための代替手段というのは、検討した方が良いだろう。ある意味で、脱Excelを目指すのも、悪い選択肢ではない。

ITビジネス関連

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就労形態   2021/05/01   センチュリー・大橋
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